花は桜木・山は富士

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「日本の歴史が築いた偉大なもの」

2008-01-25 00:34:28 | 日本について
イラクでは先人の偉大さも思い知らされた。イラクの人々は
日本に対して憧れと尊敬を抱いている。どこでも出るのが
日露戦争と日本の戦後復興である。
「同じアジア人が西欧の大国ロシアに勝った。日本は凄い」

日露戦争の日本の勝利は、彼らの民族主義をくすぐることもあって、
日本への誉め言葉として何度も聞いた。修理の調整を行なうために、
サマーワ市内のカディーシア大学に出かけた時のことだった。
イラク人教授が学生たちに日本海海戦を教えているではないか。これには驚いた。

また、日本の戦後復興はイラクの人々の憧れでもある。
アメリカに二度も原爆を落とされながら、高度経済成長を成し遂げ、
世界有数の経済大国となった日本に、彼らの希望の光を見出す。
いつかは俺たちも日本のようにと。

(略)

イラクには日本人の先輩たちの足跡があちらこちらにあった。
たとえばサマーワで最も高い建物である総合病院は総合商社の丸紅が
ODAで建てたものである。
建物だけではない。イラクの人々の心の中には二十数年前の日本人の姿、
信頼という基盤が今も残っていた。砂漠の小さな街で一人の男が近付いてきて、
英語で自慢げに言った。
「こういう日本人をお前は知っているか。一緒に働いたんだ。俺の友達なんだ」

そしてあるときは、サマーワから200キロ以上離れたバスラから宿営地に
一人のイラク人が訪ねてきた。バスラはかつて日系企業の進出が相次ぎ、
ジャパンマネーで潤い、飛躍的に発展を遂げた。
彼は、昔のお礼を日本人である私たちに言うだけのために、
わざわざ遠い道のりをやって来たのだった。


長い歳月を経ても、イラクの人々の中に生き続ける先輩たち。
当時の人々と日本の企業戦士たちの間に結ばれた絆と信頼は今も色褪せてはいなかった。
先輩たちの誠実な仕事が現地の人々の心を掴んだのだろう。

他にこのような国があるだろうか。私は日本人であることに誇らしさを感じて、
目頭が熱くなった。と同時、果たしてわれわれは、先輩たちのように、
二十年後もイラクの人々の心に留まれるだろうかと思った。


「イラク自衛隊『戦闘記』」佐藤正久 著
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日本人として生まれ、ごく当たり前に日本で生活していながら
100年程前の先達たちの偉業に敬意を表す異国の人たち。
それらがサマーワに駐留した自衛隊の方々を守る一因だったことでしょう。
顔も知らない名も知らない、私たちの祖先の力と今の自分との繋がりを感じると
感謝と共に誇りを感じます。

私たちが出来ることは、未来の日本人が私たちのことを
誇りに思える行動を取って行きたいですね。
改めて先祖の偉大さに感謝と敬意を払いたいと思います。

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