花は桜木・山は富士

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「日本の誇りを持って挑んだ明治天皇」

2008-02-05 02:05:21 | 日本について
話は逸れますが、明治天皇は側近に怒った後に謝ることがよくあった。
他国の皇帝などは大抵自分には誤りはないと思っているものですが、彼は違う。
再び誤ったことをしたならばぜひ意見してくれ、という。
大変愛すべき君主ではないでしょうか。


(略)

明治天皇は、日本人にはなかなか与えないような勲章を外国人には与えています。
代わりに、外国人から明治天皇にいろんな勲章が捧げられました。
一番貴重な勲章は、英国のガーター勲章です。英国の最高の勲章で、英国の国王、
皇太子や騎士など二十人ほどしか持っていません。他には慣例として、
英国君主と同盟をむすんだ外国の王、皇太子などに与えられています。
原則としてキリスト教徒しかもらえないはずの勲章でしたが、
例外として明治天皇に与えられることになりました。


これは東京の英国公使観が大使館に昇格されたのとあわせ、
ついに日本が一流国として認められたことを象徴する出来事といえるでしょう。
その奉呈式を執り行うため、ガーター勲章使節団長コンノート公アーサー王子と
その一行が軍艦に乗り込み日本へ向かいます。ところが、
明治天皇は宮内大臣田中光顕に実は勲章が欲しくないと言い出した。

(略)

もう決まったことだから断ることは出来ない、英国は世界で最も強い国だから
勲章をもらうべきだとの周囲の説得で、明治天皇は不服ながらもらうことにしたのです。

(略)

天皇の抵抗は最後まで続きます。ガーター勲章奉呈式の一つの規則として、
この勲章を貰うときは他の勲章を付けてはいけないことになっていましたが、
どうしても日本の勲章を付けていたいという。

結局、代表的な勲章を一つだけ胸につけ受勲しました。自分の国の勲章は、
イギリスの勲章に劣らないほど大事なものだと思っていたからです。

天皇が威圧されることなどありませんでした。その反対に明治天皇に勲章を与えた
アーサー王子は、その日余りの緊張のためにピンを自分の指に刺してしまい、
勲章に血がついてしまった。以前の日本人だったら大変嫌がったでしょうが、
明治天皇はただ笑ってただけでした。

「明治天皇を語る」ドナルド・キーン 著
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この記事からは、人間としても立派な明治天皇の人柄が見られます。
また、「日本国」というものに、大きな誇りというものを
当時大国であった・英国にも示したと思います。

国力など見れば現実的には決して対等とはいえない国力だったでしょうが、
日本国の元首として、誇りをもっと凛とした態度に「男惚れ」します。
私は男ですので、命をだれかの為に掛けなければならないとしたら
家族はもちろんですが、明治天皇のような態度を見せる人ならば
精一杯の勇気を出して命を掛けたいと思います。
今の日本にも同様の気概・誇りを持つ指導者が現れることを願いたいです。

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1 コメント

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Unknown (ツシマ)
2008-11-03 00:34:10
君塚直隆著「女王陛下のブルーリボン」によれば英国王エドワード7世も基督教徒ではない明治天皇にガーター勲章を授与することをかなり渋っていたそうです。ところが日本海海戦の大勝利に衝撃を受けた英国の政府と宮廷がエドワード国王に詰め寄った結果として授与が実現したそうです。ガーター騎士団史上、英国王を表敬訪問せず、基督教徒でもない王侯に授与されたのは明治天皇が初めてでした。私は平和愛好者です。しかし当時は国家の生存にとって軍事力が全ての時代でした。ガーター勲章の陰には日清・日露戦争で戦死した10万人以上の日本陸海軍の英霊がいたことを忘れてはならないと思います。
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