旅するCARUROS今日も征く!

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『風雲児』 (白石一郎・著) ・・・冒険者達の物語である。

2015年03月17日 18時44分56秒 | ⑮読書&映画(所感)

3月16日(月) 『風雲児』 (白石一郎・著) 上巻読了 & 17日(火) 下巻読了。

  伊勢山田の御師だった仁左衛門は、幼馴染の長九郎(後の太田屋・長崎番頭)に出会い貿易商として長崎へ、その後、御朱印船搭乗をキッカケに台湾(高山国)~シャムのアユタヤへと渡る。

 シャム国王の厚い信頼の元、王朝の重要な地位にまで上り詰め、彼本来の性格、侠気と正義感も伴い、高砂族(台湾原住民)タカラン、シャム王国要人の娘、通訳の明国人の仲間達との出会いと別れ。 
シャムでは、ソングダム国王に気に入られ、アユタヤ日本人町の頭領と国王親衛隊隊長を兼ねる。

 当時のシャムは、西のビルマ(現ミャンマー)、東のカンボジア、安南(現ベトナム)の四方の王朝と領土争奪戦の戦国時代。 各国と欧州諸外国(スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダ等)との複雑な利害関係による合従連合と対立の歴史を辿りやがて近代植民地政策へと繋がっていく。 
歴史的激動の狭間の中で、時代を生き抜いた一人の若者。  最後は、権力構造の鬩ぎ合いの中に巻き込まれ、生涯の幕を閉じるが、異国の地で地方の長(群長官か州知事に該当か?)にまでなり一時代の流れをつくった “風雲児” 山田長政の波乱万丈の物語である。

 10代の若き頃に『我、一介の風雲児たらん!』・・・ってな事を本気で日記に書いとったなぁ~。
『冒険者たち』(アラン・ドロン&リノ・ヴァンチュラ)や『明日に向かって撃て!』(ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード)とかにワクワクしたり・・・

20代後半時、ヨーロッパ45日間プラリ一人旅時に、リスボンでエンリケ航海王子「発見のモニュメント」の前で、大航海時代の冒険者達に思いを馳せ1時間ほど佇んで、歴史の流れに思いを馳せたりとか・・・今は、遥か昔の事までが思い出される。

"動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し" と称された謂わば奇襲戦法の高杉晋作の様な生き様とは違い、常に粘り強く、正攻法の生き方をした冒険者との感強し。

冒険者や風雲児と共に、過ごすことができた寝る前のささやかな至福の一時であった。

 


「韃靼疾風録」 アジアの歴史 “戦争と平和と交流の物語” 司馬遼太郎

2015年03月17日 18時24分13秒 | ⑮読書&映画(所感)

3月  5日  「韃靼疾風録」 (司馬遼太郎:著) 読了! 

 アジアにおける中華文明と周辺各国との戦争と平和。  民族間の争いと駆け引き。 貿易や人々との交流を通じ時代の流れに巻き込まれながらも己の生きる様を毅然と示した人生。

  平戸島に漂着した韃靼の公主(姫:アビア)と平戸藩(松浦家)に仕える桂庄助。
庄助が主命により韃靼に送り届けるも結局はそのまま居付いてしまい広大な歴史の騒動に巻き込まれつつ物語は進んでいく。

   二人の出会いから仄かな恋が芽生え、遂に結ばれるて日本に帰国するまで、朝鮮・中国・満州・モンゴルと広大な地域で繰り広げられる戦闘と謀略と人々の出会い。
当時~今日に至る迄、中華文明と南北朝鮮、モンゴル、ベトナム・カンボジア・ロシア等の力による関係性と戦略的懐柔策が、歴史の奥深く、時系列の中で未だに継続しているのでは?  ・・・とさえ思える様な民族間の駆け引きと、更に文化と文明の違いを司馬史観から垣間見ることができる。

  期末決算で追い手繰られる日々の中、チョットした合間を縫いつつも寝る前の一時を、楽しく歴史とロマンの世界に彷徨う事ができた。   上下2巻、遂に読了。 

結構おもろかったなぁ~。
次は、「風雲児」(白石一郎:著)の世界に入り込もうぉ~っと!