ホスピス、緩和ケア看護覚書*カナダ編

ホスピス看護をカナダから。2013年大学院を卒業しました。カナダ人の夫とは14年たっても熱愛中。

今月の課題

2011年10月12日 | NP大学院
病院で働いている時、主治医としてやってくるGP( 家庭医) に呆れたことが何度もあった。病室に顔を出して、「 どう?」 と聞くだけで去って行く。カルテには変わりなしと書く。身体も触らず、聴診もせず、あれだったら私にもできると、言っていたことがあった。好い加減な医師は沢山いた。

看護師歴が長いと、症状と検査結果で診断ができるような気分になってくる。NPのコースはその延長かと思った。それは大きな勘違いと始まってすぐに認識させられた。問診の重要さ、診察から診断、治療とクリティカルシンキングをどう行っていくかだ。病態生理はもちろんだが、このクリティカルシンキングが出来ないと、知識が実践につながらない。

で、今月の課題、クリティカルシンキングがクリアにできるようにするためのもの。症例があって、それから診断に至るまでのプロセスを明確に書いていかなければならない。どれだけシステマティックに行い、もれがないかだ。
症例は喉の痛みと飲み込みが痛みのために出来ない、離婚したばかりの3人の子持ちの父親。首のリンパがはれている、熱もあったかもしれないという、よくある症例だ。風邪だとか、喉の炎症と最初から決めつけるのはとても危険だ。症状を整理して、可能性のある診断名をあげる。そこから消去方法で診断に至るのだ。HIVの初期感染、ヘルペス、性病だって可能性としてある。かなり時間がかかる作業だ。尊敬出来なかったGP達。でも医師の資格をとった時にはこういうスキルをマスターしていたのねと、ちょっぴり見直し(だからと言って診察や記録を好い加減にするのは許されないけど)。

自分が施設環境、専門化された部署で働いていたことも思わされた。専門化されればされるほど、パターン化される。限られた経験だとも思った。プライマリーケアはトリアージでもる。何がくるかわからない。広い知識と、診察力、診断力が大切だと、課題をしながらつくづく思うのだ。

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