来る8月28日(日)にフォーラム福島にて、西成こどもの里の荘保共子さん、大阪大学の村上靖彦さん(哲学)、北海道大学の石原真衣さん(サイレントアイヌ・文化人類学)をお招きした『さとに来たらええやん』の上映会があります。
石原真衣さんはカフェロゴにゲストとしてお招きした方で、そのご縁で荘保さんや村上さんと出合わせていただきました。
ふるってご参加ください。前売り券はフォーラム福島にて販売しています。
重江良樹監督作品『さとにきらたええやん』(公式HPより)
大阪市西成区釜ヶ崎。“日雇い労働者の街”と呼ばれてきたこの地で38年にわたり活動を続ける「こどもの里」。
“さと”と呼ばれるこの場所では0歳からおおむね20歳までの子どもを、障がいの有無や国籍の区別なく無料で受け入れています。地域の児童館として学校帰りに遊びに来る子や一時的に宿泊する子、様々な事情から親元を離れている子だけでなく、子どもの親たちも休息できる場として、それぞれの家庭の事情に寄り添いながら、貴重な地域の集い場として在り続けてきました。
本作では「こどもの里」を舞台に、時に悩み、立ち止まりながらも力強く成長していく子どもたちと、彼らを支える職員たちに密着。子どもたちの心の揺れ動きを見つめながら、子どもも大人も抱えている「しんどさ」と格闘する人々の切実な姿を描き出しました。
人と人とが関わり合うコミュニケーションが希薄になり、地域のコミュニティが失われつつある現在の日本。大阪市西成区釜ヶ崎は今でも日雇い労働者が集う喧噪の街ですが、昨今ではあまり見られない、地域内のコミュニケーションが現存している街でもあります。
「こどもの里」はそんな釜ヶ崎の子どもたちにとって大切な“居場所”です。
子どもたちを巡る状況が急激に変化している今、あらためて注目されている「こどもの里」の取り組みは、これからの社会を歩む私たちに子どもも大人も安心できる“居場所”とは何か、問いかけています。
「こどもの里」の活動を通して、画面いっぱいにあふれ出る子どもたちや、釜ヶ崎という街の魅力を捉えたのは、大阪在住の重江良樹監督。ボランティアとして「こどもの里」に通い始めてから丹念に取材し、初監督作品として本作を完成させました。音楽は地元・釜ヶ崎が生んだヒップホップアーティスト、SHINGO★西成。ストレートで飾らないメッセージの中に、街で生きる人々への熱い思いがつまったSHINGO★西成の楽曲が、生きることそのものを力強く肯定し、映画全体をあたたかく包み込みます。