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日々是サンゴ礁

普段の生活の中でサンゴ礁保全ができるような話題を綴ってみたいと思います

何マグロ?

2010-06-01 14:35:09 | サンゴ礁の魚たち
昨日に引き続きマグロの話です。

「マグロ」と言われた時に、どんな名前が思い浮かびますか?

ホンマグロ
クロマグロ
ビンチョウマグロ
カジキマグロ

などでしょうか。ダイビングをする方なら「イソマグロ」という名前も思い浮かぶかも知れません。

この中で、カジキマグロとイソマグロは、若干異なる種類です。カジキマグロというのは、カジキの仲間(マカジキ科、メカジキ科)の俗称です。イソマグロは、マグロと同じサバ科ですが属が異なり、イソマグロ科に属しています。

カジキマグロという名前は、カジキの仲間の肉質などがマグロに似ているからとのことです。確かに美味しいですよね。私も好きです。イソマグロはあまり美味しくないそうです(私は食べたことがありませんが)。

正真正銘のマグロ(サバ科マグロ属)は以下の8種類です。

クロマグロ 学名Thunnus orientalis
タイセイヨウクロマグロ 学名Thunnus thynnus
ミナミマグロ 学名Thunnus maccoyii
メバチ 学名Thunnus obesus
ビンナガ 学名Thunnus alalunga
キハダ 学名Thunnus albacares
コシナガ 学名Thunnus tonggol
タイセイヨウマグロ 学名Thunnus atlanticus

サンゴに擬態する新種のカエルアンコウ

2010-05-27 23:52:46 | サンゴ礁の魚たち
2009年に新種として学名がついたカエルアンコウが、アリゾナ州立大学の生物種探査国際研究所と分類学者で構成された選定委員会が選んだ「2009年度に新たに発見された生物種トップ10」のひとつに選ばれたとのことです。

ナショナル・ジオグラフィック社のニュースには、このカエルアンコウが数種類のサンゴに擬態する、と書いてあります。

このカエルアンコウの新種については、そのサイケデリックな模様で大変印象に残っているのですが、サンゴに擬態するとは知りませんでした。Wikipediaにその素晴らしい擬態の写真がありますので、ぜひご覧ください。

私が大好きなバリでも見つかっているようですね。いつか観てみたいです。

オーストラリアの新種の魚

2010-05-25 22:17:46 | サンゴ礁の魚たち
オーストラリアの温帯域に棲むアンコウ目の魚が新種となったとのことです。ナショナルジオグラフィックのニュースから。

ピンクハンドフィッシュ

スポッティドハンドフィッシュ

レッドハンドフィッシュ

ジーベルズハンドフィッシュ

カエルアンコウをスマートにしたような体型です。面白いですね。

レゴでジンベイザメ

2010-05-15 15:28:28 | サンゴ礁の魚たち
少し前のニュースですが、那須のハイランドパークにある「レゴスタジアム」に全長4mのレゴで作られたジンベイザメがお目見えしたそうです。すごい!

以下サイトから
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栃木県の那須高原にある遊園地「那須ハイランドパーク」。この園内にあるレゴブロックのテーマ館「レゴスタジアム」に新設された『レゴ・海のファンタジー』エリアに、約4mのジンベエザメが登場した。

このジンベエザメに使用しているレゴブロックの数は約10万ピース。通常、店頭で販売している基本のレゴ(R)ブロックが500ピース入りなので、そう考えるとまさに驚異的数字である。そして、これを手がけたのがレゴモデルビルダー直江和由氏。レゴモデルビルダーとは、レゴ社が公認するレゴ(R)の専門家のことで、アジアではこの直江氏ひとりだけ。そんなレゴ(R) のプロとも言うべき直江氏が手がけたジンベエザメはまさに本物! 芸術と言っても過言ではない作品に仕上がっている。

しかも、この『レゴ・海のファンタジー』は「沖縄美ら海水族館」とのコラボレーションということで、沖縄美ら海の世界観を本物のように再現。ジンベエザメのほかにも、マンタやカクレクマノミなど40種類以上約400点もの魚が、色やヒレの角度など細部に渡ってリアルに再現されている。

また、同エリア内にはサンゴの海・熱帯の海・黒潮の海といった3つのゾーンがあり、実際にそのようなエリアごとに生息している魚のモデルが展示されているというから、美ら海に本当に潜っているような幻想的な空間が楽しめるのだ。

サンシャイン水族館のナイトアクアリウム(今日まで)

2010-05-05 00:05:05 | サンゴ礁の魚たち
ゴールデンウィーク中、池袋のサンシャイン水族館で夜の水族館を楽しめる「ナイトアクアリウム」が開催されています。夜の魚たちの姿を見ることができる貴重な機会です。ご都合の合う方は行かれてみてはいかがでしょうか?

以下ウェブから転載
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ナイトアクアリウム

* 10/04/29(祝)~10/05/05(祝)
* 開催時間 18:00~20:30
* 開催場所 サンシャイン国際水族館
* カテゴリ イベント・コンサート
* 料金 一般(無料) ※別途水族館入館料が必要です。

夜の水族館を探検しよう!

4/29(木・祝)~5/5(水・祝)の18:00からは、水族館が夜の海に変身!
闇の中で淡い光を放つ美しい海底のような水族館内を、懐中電灯を片手にご覧になれます。

ライトを当てると目が光って見えるエビ、昼間はなかなか姿を見せない夜行性のサル“ショウガラゴ”が動き回る姿など、普段の水族館では観ることのできない、生き物たちの夜の姿をお楽しみください。

18時30分からは、ダイバーが水中ライトを使って夜の魚を紹介する「ナイトダイビング」も実施します。

まるで夜の海のような、静かで神秘的な世界を体験してみてください!


※10:00~18:00は通常の営業となります。
※懐中電灯は水族館館内で貸し出しします。

フデハゼとアカボウズハゼ

2010-05-04 07:01:06 | サンゴ礁の魚たち
日本魚類学会が発行する魚類学雑誌Vol.57, No.1, pp.69-73に「Stiphodon pelewensis Herre, 1936の再記載とその標準和名、鈴木、他」が掲載されました。

パラオのバベルツアプ島から採集された4個体がStiphodon pelewensisに同定され、標準和名が「フデハゼ」となった、という報告です。

通常、日本魚類学会では日本の領土・領海内から採集された魚種に対して標準和名を提唱しています。ところがフデハゼは現在の日本の領土・領海では確認されていないのに、標準和名がつきました。

実は「フデハゼ」という名前は、パラオから採集された魚について1941年に発表された論文で使われた和名です。当時、パラオは日本の委託統治領でしたから、日本の領土・領海内と言ってもおかしくなく、他にも何種類かの日本にいない魚種に和名がついています。ダイバーに有名なのは「Signigobius biocellatus(通称カニハゼ)」でしょうか。

今回、「フデハゼ」が標準和名になったのには、次のような経緯があります。
・1941年発表の論文では、間違えた学名と共に「フデハゼ」という和名がついた。
・間違えた学名に相当する魚Sicyopus zosterophorum (Bleeker, 1956)が日本におり、別の研究者により学名の確定と同時に「アカボウズ(ハゼ)」という和名がついた。
・学名が同じであるため、「フデハゼ」と「アカボウズ(ハゼ)」は同じ種類の魚であると間違って理解され、和名が混同して使われた。
・今回、「フデハゼ」は「アカボウズ(ハゼ)」とは別の種類であり、「フデハゼ」は日本で採集された記録がない魚種であることがわかった。
・「アカボウズ(ハゼ)」の別称として「フデハゼ」が使われ続けると混乱を招くため、パラオ産の魚に「フデハゼ」を使うことになった。

面白いですね。このような経緯を知ることで、魚の和名だけでなく、学名にも興味を持つ人が増えてくれると嬉しいです。

屋久島発の新称の魚たち

2010-03-22 01:36:11 | サンゴ礁の魚たち
またまた屋久島の「森と海」の原崎さんのブログから、新称の魚たちをご紹介します。

アツヒメサンゴカサゴ(新称)  Scorpaenodes quadrispinosus
アカフジテンジクダイ(新称)  Apogon crassiceps
ハダカリュウキュウイタチウオ(新称)  Alionematichthys piger

どんな魚なのかは、原崎さんのブログをぜひご覧ください。

いやー、観てみたいなあ。

ヘビギンポの新称2種

2010-03-19 22:09:04 | サンゴ礁の魚たち
屋久島から採集された標本を元にして、新称(新たな標準和名)が提唱されました。

アケゴロモヘビギンポ(新称)  Enneapterygius hemimelas
ハクテンヘビギンポ(新称)  Enneapterygius leucopunctatus

 いずれも浅いタイドプールで採集されています。

 ヘビギンポに詳しく、ヘビギンポの投稿サイト「ヘビベース!」を主宰されている屋久島のダイビングサービス「森と海」のオーナー原崎さんのブログに詳しいことが掲載されていますので、ぜひご覧ください。

 あー、普段と婚姻色の生態写真が観たい!撮りたい!

「海中散歩」写真展~中村征夫のお魚ワールド~

2010-02-27 23:03:44 | サンゴ礁の魚たち
本日から下記写真展が開催されます。早速見てきました。実物大の写真展示あり、至近距離から撮ったカクレクマノのどアップ写真あり、と楽しめました。ぜひ皆様も足をお運びください。


「海中散歩」写真展~中村征夫のお魚ワールド~

[会期]2010年2月27日(土)~4月7日(水)
[会場]FUJIFILM SQUARE 1Fギャラリー「PHOTO IS」
[住所]東京都港区赤坂9-7-3 ミッドタウンウエスト
[電話]03-6271-3350
[時間]10:00~19:00
[金額]入場無料
[交通]都営大江戸線六本木駅8番出口と直結

[以下,サイトより]
 FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)では、1F ギャラリー「PHOTO IS」において、2010年2月27日(土)から4月7日(水)まで、「海中散歩」写真展~中村征夫のお魚ワールド~を開催いたします。

 本写真展では、水中写真家の中村征夫氏が撮影した、撮りおろし写真を含む、多数の作品を展示いたします。魚の喜怒哀楽が表現されているかのような豊かな表情をとらえたユニークなもの、魚の赤ちゃんが元気に泳ぎ遊んでいる様子など、魚の明るく楽しい姿や愛くるしい姿が満載です。これらは海中に潜り続けてきた中村氏でしか撮影することのできない作品となっております。さらに、まるで実際に海中に居るかのような世界観もご体感いただける、工夫をこらした展示も行います。

 なお、中村氏のライフワークでもある、東京湾の海中で暮らす生物たちの姿を写した、環境に関して考えるきっかけ作りになるコーナーもございます。

 普段の我々の生活では決して目にすることがない、海に暮らす生物たちのさまざまな姿を写した、思わず笑ってしまう作品や惚れ惚れするほど美しい作品など、お子様から大人まで楽しんでいただける写真展となっております。写真が持つ「豊かな表現力」を是非ご体感ください。

思い出のハゼ6 オニツノハゼ

2010-02-05 02:05:00 | サンゴ礁の魚たち
引き続き、個人的に思い出深いハゼについてご紹介します。今日ご紹介するのはオニツノハゼです。

標準和名 オニツノハゼ
学名 Flabelligobius smithi
英名 Redeyed shrimpgoby
撮影地 伊豆大島、秋の浜
撮影日 2003年11月2日

2003年に台湾から得られた個体を元に学名がつきました。それまではインド洋のモーリシャス等に分布するFlabelligobius formanoiriと考えられていましたが、この論文で太平洋のものは別種となりました。その後、2005年に標準和名が提唱されました。

「日本のハゼ」ではホタテツノハゼ属に含まれていますが、FishBaseではオニハゼ属に含めています。なお、FishBaseではヤジリハゼもオニハゼ属に含まれていますが、「日本のハゼ」ではヤツシハゼ属に含まれています。このあたりは研究者により学説が異なるので、今後の経緯を見守りたいです。

さて、話を戻してオニツノハゼの思い出を。この写真を撮ったのは、伊豆大島に何個体もホタテツノハゼが出ている時でした。伊豆大島では死滅回遊魚で時々ホタテツノハゼが出ており、この年は当たり年でした。いる場所を全て教えてもらい、見に行ったのですが、どうもそのうちの1個体が妙な感じがしました。よくよく見てみると第一背鰭の形が違います。ホタテツノハゼの鰭が破れているという可能性もあったので、かなりしつこく見たのですが、やはり違うということで、他の人にも確認してもらいました。

その当時、西表でFlabelligobius formanoiriと言われている種が出ていることを知っていたのですが、幼魚は見たことが無かったので、同種かどうか分かりませんでしたが、ともかくホタテツノハゼではないことは間違いありませんでした。研究者に写真を送って確認していただいたところ、Flabelligobius formanoiri(現在はFlabelligobius smithi)と考えられるという答えでした。

西表島で見つかった場所の環境と同じような環境は、伊豆大島には無いので、まさか見つかるとは思わず、とてもびっくりしました。