昨晩からの続きを。
・・15分ほどの高速を交えた帰路、改めてマイC5の特性に気付いた。
やはり昨日も感じた通り、これまでのハイドロシトロエンに固有の、ある種の浮遊感に由来すると思われる、実際の車重を意識させない軽さ(これはいつでも感じられる訳ではない)と、体感上の揺れの少なさ(こちらは常時感じる)が、何らかの理由により現行C5にはあまり感じられなかった。
これだけだと、試乗したC5に問題があるかのように誤解されるかもしれないので追記するが、おそらくシトロエンとしては過去最高に堅牢な車体造りを行い、かつC6でもはや別物の領域に進化させたハイドロサスのシステムを簡略化して組み合わせたことにより、これまではその機構上、ある意味で偶然の産物でもあった固有の乗り味が、より精密な制御、強固な車体構成の組み合わせで、故意あるいは偶然に消滅した、と言っていいのではないか。
機械的な完成度としては、最新の現行C5はこれまでのどのハイドロシトロエンよりも優れており、そのこと自体は間違いない事実だと思う。そして、ハイドロの長所を更に一般的な意味で拡大伸張し、高速域での信頼感、疲労感の低減、そして長期の使用に耐える耐久性をも確実に手に入れたと思う。短い試乗であったが、そこまでは感じることが出来た。
後はおそらく、感性の問題であり、自分がシトロエンに何を求めるのか、に集約される。
かつての旗艦XMが、このような堅牢性と確実性、精密性を手に入れていたら・・それならば、自分はあの車を手放すことはなかったと思う。私にとってはそれ程に魅力的な形をしていた。しかし、それ以外のハイドロシトロエンにこの乗り味を求めるか、というと・・うまく説明できないのだが、それは違うと感じる。新世代のハイドロでも、C6には感じた浮遊感、軽さ、それがC5にないことがこれほど
頭を悩ませる事態になるとは思わなかった。高速での乗り味も経験しないと結論は出せないと思うが、70km程度までの市街地での試乗の印象からそう大きくは変わらないだろう。
現行C5のハイドロ以外の部分については、まずボディタイプはツアラーが良いと思う。もともとセダン(伝統的にはハッチバック)でも十分後席空間と荷室を確保しているのがシトロエン流だったが、C5セダンについてはこの点で妥協できない部分がある。ツアラーでもボディー剛性は高そうだし、デザインも破綻していない。何より後席空間と荷室のスペースのアドバンテージは大きいと思う。車庫に収まれば。
C6とC5のハイドロサスの機構は基本的に同じだが、可変式のショックの制御の細かさに差があるとディーラーの方に伺った。C5は4段階に可変するとのこと。この部分は先代まで(フェーズ2のマイC5含めて)の、スフィア内オリフィスを通じたダンピングレートのみに依存していたシステムと異なる部分である。しかし改めて考えると、C6と現行C5のスフィア内にはダンピングのためのオリフィスが今や存在しているのか、という疑問が残る。おそらく先代までのハイドラクティブ3+には、スフィア内のオリフィスが存在していて、現行のものにはもうそれは存在しない、もしくは存在してもレートの弱いものではないか。と想像する。(⇒詳しい方教えて下さい・・)
個人的には現行C6、およびC5のハイドロシステムの機構上の詳細について、把握してみたいと思った。それがマイC5、C6、試乗したC5の乗り味の違いを理解する上で役に立つと思う。
長くなったが、現行C5については買うならツアラーかな、と。しかし・・マイC5捨て難し、というのが試乗しての結論である。
(DS4については気が向いたら続きを・・)
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