板東しょうごの「ふるさと三木に帰れる町に!」

一度三木から離れた若者が、ふるさとに帰ろうとしても、仕事がないから帰れない。若者がふるさと三木に帰ってこれる町にしたい!

暮らしに必要な情報を手話で配信

2020-03-17 15:37:49 | 市政報告

本会議質問の1番目は暮らしに必要な情報を手話動画で配信する事業について質問しました。
質問の論点は、
①事業費10万円で何が出来るのか?
②聴覚障害者は視覚に問題がないのに、なぜ、あえて手話にしなけばならないのか?
③市政情報を動画配信しようとする二つの事業があり、一方しか手話を使わないということはなぜなのか?

特に、②については、私の無知を露呈することになります。質問通告のヒアリング段階で私の認識不足が判明したのですが、ろう者への理解が広がればと思っています。ヒアリング担当者も本会議の質疑答弁で市民に誤解を与えずに正確に答弁が出来るか不安に感じておられたようですが、多くの方に伝わったのではないかと思っています。

尚、質問・答弁は要約してますので、その点ご理解下さい。文責はあくまでも板東です。

Q1:10万円の予算の内容

A1:手話を使ってコミュニケーションをとっている方の中には、文字を読んで必要な情報を得たり、書いてある内容を十分に理解することが困難な方がいる。その方たちに限らず、難聴の中やその他障がいのある方のために、必要な広報紙等の三木市からの情報をわかりやすく、簡単にした内容を手話やルビ付文字等を使った動画で配信しようと考えている。NHKの手話ニュース等を想像いただくとわかりやすい。
 事業費は、手話やルビつきの動画の作成を支援していただく団体などに対して支払う補助費用。

 

Q2:手話を日常のコミニケーションをされる方が、活字で情報を認識することが難しい場合があるとはどういうことか

A2:聞こえる方は、乳幼児の頃から周りの声や会話等の話し言葉の音声言語から書かれた文字を読み解き、自然に日本語を習得する。
 一方、生まれた時から耳が聞こえない方のうち、主に手話を使って会話をしている方は、指先や体の動き、顔の表情など、視覚言語を使って理解する文化で育っている。音声言語で習得した日本語と視覚言語で理解する手話とは、文化そのものが違っていると言える。手話を使って会話される方は、視覚言語で表現された手話でないと十分に読み取ることができないことがあるため、なるべく手話で伝える必要があると考える。

 

Q3:活字で情報を認識することが難しい方は市内にどの程度いるのか

A3:障害者手帳を取得されている難聴者は、市内で約200人、そのうち手話を日常のコミュニケーションとして使われている方は約30人。

 

Q4:点目に、FMみっきぃの番組「市政一直線」のユーチューブ配信には手話情報は含まないのか

A4:市政一直線のユーチューブ配信は、もともとFMみっきぃラジオ番組であったものを動画にして配信しようとしているもの。
 今回の手話動画配信は、手話を日常の会話に使われている方を中心に、支援団体や当事者の方の力をかりて動画作成・配信を考えている。
 今のところ、市政一直線のユーチューブ配信に手話動画を入れる予定はない。まずは、広報紙の動画配信を行い、軌道に乗った段階で検討する。

2回目以降の質問

Q(板東):支援団体とはどういう団体か?また、実際に10万円で本当にしてもらえるのか。

A(岩崎健康福祉部長):日頃から市の事業等手話を協力頂いているボランティアサークル等に声をかける。また、簡単な言葉に要約が必要になるので、そういった関係団体にお声をかけたい。
 10万円で出来るのかどうかは、実際に協力団体、動画を見て情報収集される方も一緒になって、いろんな意見を出し合う場で、例えばお茶を飲みながら、作って頂きたいという思いで当初は10万円で考えている。


(板東):ボランティアといえども、少なくとも謝礼は必要かと思っていたが、そういうのもなく、お茶代に近い形でされるのかと思う。そういう形でして頂けるのであれば、本当に有難いと思う。

Q:音声言語で習得した日本語と視覚言語で理解する手話と文化そのものが違うという説明をいただいたが、もう少しわかり易く説明して欲しい。


A(岩崎健康福祉部長):例えば、視覚言語は、手話を使われる方は、私「岩」という表現の中で、両手を目の前で回すことによって「岩」という表現をしたり、「崎」というのを「物の先っぽ」ということで、両手を前にずっと出して、とんがらせたような状態の表現する。「岩」は物で表現し、「崎」は形状というか、外観から見ているような形で表現したりする。
 板東議員の「板」という字は、手話の中では一般的に使われる手話がない。そういう場合は、目の前ではさみを出す感じで、これを横に動かすことによって「ば」、それから「ん」は、片仮名の「ン」をこういうような形を目の前で書く動作をする。「東」は、漢字で書きますと「ひがし」という言葉になり、日が上る部分、これが日が上るという表現をする。これでは「ひがし」になるので、これを(口元で)「どう」というような形で、これで「ば」「ん」「どう」という形になる。
 手話は、いろんな言葉とか、形状とか、言語とか、色々な表現を持っている。ある意味、非常に曖昧だけれども、言葉を動作と発信、体の動きによる言葉なので、普通私たちが使っている言葉の中での会話で分かるものではなく、言語の作り方そのものが違う文化の中で行われている。

(板東):板東を手話で示していただき有難うございました。
 過去に聾者の方とメールのやりとりしたことがありその時に、その方の日本語がよく分からないことがあった。何故なのかよくわからなかった。

Q:聾者の方は、ファクスやメールのツールが出来たことで、健常者と遜色なくコミュニケーションが取れると理解していたが、そうではない、あくまでも手話をする中で、手話と(音声言語である)日本語の中で、通訳(翻訳)を介さないと(理解)出来ないことを説明頂いたと思うが、そういう理解で良いか。

A(岩崎健康福祉部長):同じように、例えば「福祉」を手話で表すと、顎を拭く動作と数字の4という動作をする。手話の方は、「福祉」という言葉を理解する時に、「拭く・4」というイメージをする。メールやファクスにおいて漢字で「福祉」と書かれた瞬間に、一旦この英語を日本語に直して理解するのと同じように、その漢字を一旦手話の中で自分の中で置きかえて、その言葉を理解する。
 視覚言語に一旦変換してから理解するので、漢字や文字だけでなく、視覚的見た瞬間に理解出来る「手話という言葉」のツールで情報を提供したいと考えている。

 

(板東) 同じ市政情報を動画配信するのであれば、一つにまとめてユニバーサルデザイン的に障がいのあるなしに(関係なく見れるように)してはどうかということで質問したが、手話動画と「市政一直線」は、全く考え方が違うと理解した。
 「市政一直線」も、この先、軌道に乗れば、(手話も)考えるということなので、ユニバーサルデザインの考え方でお願いしたい。
 質問をするに当たって、議員として恥ずかしいが、音声言語と視覚言語、この違いについて理解出来ていなかった。「三木市の共に生きる手話言語条例」の前文も改めて読んだが、なるほどなという部分と、まだまだ私もわかってない部分を実感した。今後も勉強したい。