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行政視察報告 その3 弘前市 地域公共交通を守るための施策、取組みについて

2012-08-08 11:00:46 | その他
7/11(水)弘前市二つ目の視察項目として「地域公共交通を守るための施策、取組みについて」視察を行いました。

この項目は私の希望した項目ということになっています。弘前市といえば公共交通の業界?では「ひろさき公共交通マップ」が有名のようです。

マップ以上に、今回私が参考にしたいと思ったのは、この地域でも、人口の減少があり、モータリゼーション化等の影響で1984年(昭和59年、国鉄黒石線(川部-黒石)が弘南鉄道株式会社が引継ぎ、黒石線として開業したが、1998年(平成10年)4月1日に廃線にし、今な大鰐(おおわに)線の存廃問題があるということで、三木市が同様の社会現象の中で三木鉄道の廃止、神戸電鉄の存廃問題と現状に似通っている部分が多く、参考になることがあるのではと思ったからです。


まずはじめに、弘前市は平成24年7月1日現在で人口が181,400人、世帯数が71,277世帯と大きな町ですが、私たち議員は駅前のホテルに前日から宿をとったわけですが、人通りが少ないことが非常に気になりました。夕食をした店員にその理由を聞くと「この時期はりんごの収穫時期でみんな近隣の田舎から通勤しているため、この時期は飲食街は全然駄目ですよ。」という話でした。しかし、翌日(視察当日)の朝でも弘前駅前の人の数は数えるほどで、下手をすれば三木の志染駅の朝の方が人の出入りは多いのでは思うほどでした。

弘前市における交通の概要は東北自動車道や国道7号などの幹線道路のネットワークとJR追奥羽線、東北新幹線と青森空港まで車で55分の距離にあることなどから広域交通への対応が図られているとのことでした。

一方で、もう少しミクロに見た地域交通では、弘前駅を中心に弘南鉄道が弘南線と大鰐(おおわに)線があり、それ以外の地域には弘南バス(※弘南鉄道と資本関係なし)の路線が弘前駅に向かって走っています。


弘南鉄道大鰐線は昭和49年度に年間389.8万人の乗車人員が平成23年度には58.7万人と36年間で乗車人員が85%の減少で、49年をピークにひたすら右肩さがりに減少しています。

その対策として、三木市と同じようなシンポジウムの開催や利用啓発活動、「トレインキャスト」(※お客様に心地よい時間と空間を楽しんでもらうための演出をする乗務員)の配備など(※粟生線以上の取組をされているように感じました)を行っており、それらの事業費に公的な助成・補助を行っており、路線維持のための補助金は支出していないとのことでした。

印象的だったのが「このまま減少が続くと廃線も仕方ないですね」とさらりと担当者が言っていたことです。「廃線になったらバスで対応する」ということのようです。また、人口減少にも歯止めが掛けられず半分あきらめを感じました。

私的には非常に複雑な思いを感じたのと、国交省が「最終公共交通手段はバスである」と言っている意味が少し感覚的に分かったような気がしています。


では、バスの状況はというと、弘前市が関係する105系統のバス路線のうち8割の88系統が赤字で、路線維持のために1.9億円補助金が投入されており、市民一人当たり約1,000円が当てられていることになっています。

近隣行政区と比べても弘前市民の移動手段に占めるバス利用者の数が少ないと分析されており、路線の再編成や乗り合いタクシーの導入検討など模索が続いている状況だと思われます。


最後に、「ひろさき公共交通マップ」は観光客にとって非常に見やすい工夫がなされたマップです。2010年に作成され、バージョンアップした2011年度版を資料としていただきました。A2版裏表に市内全域のバス・鉄道路線が載っており、主要施設の一覧がありその位置が地図のどの辺りにあるかが示してあり、その最寄の駅バス停が書かれています。2011年度版は利用者によるモニターアンケートに寄せられた意見なども参考に改定されていて、ストレスなく見ることが出来ます。

三木のマップは公共交通全てが網羅されておらず、まだ改善の余地あると思っています。この辺りも提案していきたいと思っています。