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闘え!文庫魂

空手を愛する熱い仲間たち
金沢文庫木元道場生におくるメッセージ

上段蹴りのすすめ その7

2020年05月18日 | 仲間たちへ
2020.5.18.MON.
皆さん、こんにちは。
今日は第37回の投稿です。
今日のテーマは「上段蹴りのすすめ その7」です。

胴回し回転蹴り
 前転かかと蹴りと言ったほうがイメージが掴みやすいかもしれません。現世田谷・杉並支部支部長の塚本徳臣師範の得意技で、第10回世界大会の準決勝で、ロシアのローマンネステレンコをこの技で倒した試合はもはや伝説となっています。普通の前転は危険が無いように低い位置で身体を丸めますが、それでは足が相手の身体に届きません。左手を地面につける感じで左肩から入り右かかとを当てます。腰の位置が低くならないようにしながら、やや斜めに回りながら蹴ります。慣れないと頭や肩、腰などを強打する事が多くて危険ですし、狭い場所では稽古できません。これは再開した道場で稽古しましょう。
縦蹴り(ブラジリアンキック・マッハ蹴り)
 上段回し蹴り蹴りからの変化技で、膝を高い位置に抱えたところから、膝から先を回転させて、相手のガードの手と頭部との隙間に斜め上から蹴り落とす技です。起動が縦なので「縦蹴り」なのですが、蹴りの上手なブラジルの選手が多用したので「ブラジリアンキック」、塚本師範の得意技として「マッハ蹴り」とも呼ばれています。手を壁に添えて、蹴り込むときに、軸足をしっかり返して、相手に背を向けるくらいのイメージで蹴ります。蹴り足の腿の付根の前が伸びていないと高い位置を蹴れませんので注意してください。
 私が優勝した神奈川県大会の3回戦で一本を取った技はこの技に近い変化技です。私の場合は前蹴りを何回か当てて相手のガードと意識を正面に集めます。そこで前蹴りのフォームから膝先を円を描くように変化させ、回し蹴りを当てます。当時蹴りの軌道を変化したさせる人は少なかったので、入りやすかったのを覚えています。ただ、これもトータルバランスが大切で、蹴りそのものが遅かったり、弱くてはいけませんし、スタミナが切れていてはそもそもしっかりと蹴れません。ストレッチやフィジカルトレーニングとバランス良く稽古してください。
押忍。

吉岡智


第12回全日本空手道選手権大会

2020年05月17日 | 仲間たちへ

2020.5.17.SUN.
皆さん、こんにちは。
今日は第36回目の投稿です。

極真の全日本の初観戦は何回大会であったのか記憶が定かではないのですが、延長に入る前に1分間のインターバルがあって、進行にかなり時間がかかったのは記憶しています。はっきり記憶しているのは第10回大会で、当時黄帯でした。同時期に稽古していた年長の方(すいません。お名前失念致しました。)に声をおかけいただいて「いい席のチケットがあるので一緒に観戦しよう。」と誘って頂いて、前から3列目での観戦となりました。
 二宮城光選手が優勝する大会なのですが、現在福島支部の支部長をされている三瓶啓二師範が準優勝し、愛媛支部・高知支部支部長をされている三好一男師範が5位に入賞なさった大会でした。全日本のトップクラス同士の戦いはとんでもない迫力で、いつか全日本に出場したいと夢見ていた自分にとって、恐くもありましたが、とても刺激を受けたのを覚えています。
 神奈川大会で優勝した後、茶帯になった私は第12回全日本空手道選手権大会に出場します。大会に向けての稽古で記憶しているのは、神奈川支部支部長の渡辺師範より特訓を行うとの連絡が有り、夕刻の道場に大会出場者が集められました。「相手の背後に回り込み攻撃をしなさい。」というアドバイスを頂きました。「こうやって、こうして。『スパァーン』とやれば良いんだよ。」と仰るのですが、当時の私には難しすぎて、全くできなかったのを記憶してしています。
 初戦は勝ちましたが、2回戦で総本部師範代を務めていた為永三段に判定負けを喫します。とても下段の強い選手で、その時3位に入賞なさいました。今私自身、試合を振り返ると恥ずかしくらいダメなところだらけなのですが、当時はダメである事もわからないくらいダメでした。
続きます。
押忍。

吉岡智






上段蹴りのすすめ その6

2020年05月16日 | 仲間たちへ
2020.5.15.SAT.
皆さん、こんにちは。
今日は第35回目の投稿です。
きょうのテーマは「上段蹴りのすすめ その6」です。

かかと落とし
 膝を伸ばした状態で内側、もしくは外側から回してきた足が正中線に来たところで勢いよく真下に落として、かかとで相手を攻撃します。日本ではまだポピュラーな技ではなかった第4回世界大会の時、アンディフグ選手が多用して衝撃を与えたのを覚えています。股関節周りの柔軟性と強さが要求される技です。特に前後開脚の柔軟を行い、低い位置から始め徐々に高くてしていきます。軸足が取られて転倒することが多い技ですので、壁に手を添えて稽古してください。
後ろ蹴り
 向かいあった状態から、左足を軸に背中側から体を回転させ、畳んだ右足の膝を伸ばしながらかかとで相手の頭部を攻撃します。クリーンヒットすれば必ず相手にダメージを与える強い技です。部屋の中では基本稽古の左右の蹴りを壁に手を添えて、半回転くらいでの蹴りにとどめてください。フルでの蹴りの稽古は多少バランスを崩しても危険の無い広い場所で行ってください。
後ろ回し蹴り
 ある程度膝の伸びた足のかかとや足首周辺で、相手の側頭部を真横に近い角度から攻撃する点です。後ろ蹴りは直線軌道で蹴るイメージですが、体の回転を伴う為にある程度角度がつくので、後ろ回し蹴りとの厳密な区別が難しい技です。
私の中では、「膝を伸ばす動きがダメージを与える動きに直結するか否か」で分けています。それでいくと私の場合は、中段は100%後ろ蹴りで、上段は90%が後ろ回し蹴りです。稽古方法は後ろ蹴りと同様です。
 上段回し蹴りの項で、突き下段との強さのトータルバランスについて述べましたが、後ろ蹴りも中段が強いと上段が入りやすくなり、上段が早いと中段が決まりやすくなります。足技全体、蹴り技全般を上手く、強くしていく事が大切です。

押忍。
吉岡智




紐のついたベニア板

2020年05月15日 | 仲間たちへ
2020.5.14.FRI.
皆さん、こんにちは。
今日は第34回目の投稿です。

わたしが入門当時、道場の床はまだ板の間でした。そして程なく窓の内側に鉄製の肋木が設置されます。私には縦と横の違いはあれ、稽古生を逃がさない為の鉄格子見えました。その肋木の内側に、角に紐のついたベニア板が何枚か置いてありました。(あのベニアは何に使うのだろう。)とずっと疑問に思っていたのですが、指導員の先輩方が恐くてずっと聞けませんでした。やっと聞けたのは、入門してから随分経ってからでした。桐生先輩が「あれは、まだ肋木が無い頃、組手で窓ガラスが割れるので、サッシの内側に結びつけていた板だよ。ベニアを結んでるいくと、昼間でも道場がだんだん暗くなってくる。○○になる罪人が自分の○○を埋める穴を自分で掘らされるのと同じ感じだったなぁ。あはははっ。」と怖い事を笑顔で話してくれました。実際、私が茶帯の頃、黒帯になられた桐生先輩の前蹴りで稽古生がすっ飛んで、入口のサッシの下のガラスを破って外に転がり出たことがありました。奇跡的にやられた方は無傷でしたが、ガラスを割った事をひどく怒られていました。「師範に怒られるので、夜の内に修理しておこう。」とおっしゃって、2人で車に乗って、ガラス屋を営む稽古生の家までガラスを買いに行きました。結局、サイズを測っていかなかったので、ガラスは買えず、しばらくすると、ガラスではなくアルミの板がはめ込まれていました。(そうだよな。ガラスじゃまた、割れちゃうもんな。)などと考えていました。
 怖い話しばかりですが、それでも私の入門当時は随分落ち着いて?きていたようで、「○○先輩も丸くなったなぁ。昔は抜身の日本刀みたいだったもんなぁ」という話を聞いて(丸くなった?あれで?抜身の日本刀!)などと思いました。
続きます。
押忍。

吉岡智
 





上段蹴りのすすめ その5

2020年05月14日 | 仲間たちへ
2020.5.14.THU.
皆さん、こんにちは。 
今日は33回目の投稿です。
今日のテーマは「上段蹴りのすすめ その5」です。

 今まで、上段の回し蹴りについてお話ししてきましたが、今日はそれ以外の上段への蹴りについて述べたいと思います。
 上段前蹴り、上段膝蹴り、上段内前蹴り、かかと落とし、後ろ蹴り、後ろ回し蹴り、胴回し回転蹴り、縦蹴り(ブラジリアンキック・マッハ蹴り)などがあります。

上段前蹴り
 セーフティルールの場合、回し蹴りのカードの為に正面が空きやすい点、ヘッドギアにより下が死角になりやすい点、当たった顔が上がって技有りになりやすい点など、利点が多くあります。遠間から飛び込んで蹴ったり、下半身の柔軟性のある人は比較的近い間合いからでも蹴ることが可能です。足首を伸ばし、5本の指を返す「中足」をしっかり作ることがポイントになります。しっかり膝を抱え込んで、膝から先を振って中足をぶつけるイメージか、高く抱えた状態から中足を突き刺すイメージて蹴ってみてください。

上段膝蹴り
 仰向けに寝て、膝を胸に引き寄せると自分の顎の何センチか下までくると思います。という事は、相手の姿勢の崩れやタイミングを上手くつかめば、その分だけ跳べば相手のアゴに届く事になります。立った状態から自分の顎の高さに膝を届かせる様、蹴りの稽古をします。この時、真ん中にピザを持ってくると、自分の顎にあたってしまうので気をつけてください。慣れてきたら、膝が最高到達点に来たタイミングで軸足で10センチ程跳びます。着地の時にバランスを崩して転倒しない様に壁などに手を添えて行ってください。さらに慣れたらそこから膝を10センチくらい相手の顎の方向に運びます。
パートナーがいるなら、最初はミットを横に構えてもらって下から当てる。次にミットを縦に構えてもらって横から当てます。この時膝の正面を当てるのは難しいので、膝の内側を当てます。
「硬いから」と諦めずにチャレンジしてみてください。

上段内前蹴り
 「内回し」は股関節を中心とした回転蹴り動作なのに比べ、「内前蹴り」は股関節の外旋(外捻り)により下肢(膝から先)を内側に入れた状態から前蹴りを蹴る様に膝を伸ばす蹴りで、前蹴りより軌道が内側の為、ガードが難しい技です。股関節の動きが充分で無い中、膝の動きだけでこれをやろうとすると
痛めますので、気をつけてください。
まずは低い位置で、膝の動きが前蹴りと同じ動きになる様に気をつけながら、徐々に高くて強く蹴る様に稽古してください。

押忍。
吉岡智

指導員打ち合わせ

2020年05月13日 | 仲間たちへ
2020.5.13.WED.
皆さん、こんにちは。
今日は第32回目の投稿です。

 横須賀分支部の指導員になってからは、毎週木曜日に行われる分支部の指導員打ち合わせに出席する事となりました。大先輩の方々の中で、「失礼の無いようにせねば。」と気をつけていました。夕食として出前のラーメンを振る舞われるのですが、食べながら、先輩方の食べるスピードに合わせて「早すぎないように。遅すぎないように。」と考えながら食べていたのを記憶してしています。この席に、桐生先輩、永島先輩と三原辰夫先輩がいらっしゃいました。三原先輩は、まだ余りにも若くて跳ね返りの私を温かい目で見てくださり、いろいろアドバイスをしてくださいました。この年、初めて全日本に出場した時、「今、こう言うのがあるよ。」と、当時まだポピュラーでは無かった「カーボローディング」の資料をくださいました。今はお会いする機会がなかなか無いのですが、お会いできたら、あらためてお礼を言いたい先輩です。
 桐生先輩と永島先輩はお酒がとても強く、飲みの場に誘ってくださるのはありがたいのですが、下戸の私にとっては、かなりハードな時間でした。頃合いを見て、酔い潰れたフリをしても、永島先輩が「桐生先輩。これは演技ですよ。」と言うものですから、「なにーっ。吉岡起きろーっ。もっと飲めーっ。」となりました。それでも、また誘ってくださいましたし、誘われれば必ず行っていました。道場の中で、先生などと呼ばれる立場になると、お酒を無理矢理飲まされる事は殆ど無くなりましたが、白楽駅商店街の居酒屋や、六角橋の中華料理屋、桐生先輩のアパートなどで遅くまで飲んだのを懐かしく思い出します。今、思い返しても楽しかった気持ちしか有りません。
続きます。
押忍。

吉岡智



上段蹴りのすすめ その4

2020年05月12日 | 仲間たちへ
2020.5.12.TUE.
皆さん、こんにちは。
今日は31回目の投稿です。
今日のテーマは「上段蹴りのすすめ その4」です。

 金沢文庫道場の土曜日の18:00〜のユースクラスの指導を担当してくれている梅澤彩音初段は年中の5歳から空手を始め、高校2年生17歳の現在に至ります。ドリームフェスティバルでの3回の優勝を含め、数々の大会でも素晴らしい結果を残しているのですが、彼女も上段蹴りの名手です。
 左右の上段回し蹴りは勿論、遠間から飛び込んで顎を下から突き上げる前蹴りや、胴回し回転蹴りなど、ここぞという時に「技あり」を取ってトーナメントを勝ち上がる姿は見事です。かつ、特筆すべきは高いレベルでの能力のトータルバランスが取れている点です。突き・下段・膝の威力、受けの技術、打たれ強さ、持久性など。彼女の殆どの試合にセコンドとして立ち会っていますが、背の高い相手に内下段で相手の頭の位置を下げさせ、すかさず上段蹴りで技ありを取った時などは(すごいなぁ。)と感心してしまいました。無論、そのような能力を獲得は大変な努力を重ねた結果です。彼女の「審査記録票」は出場した試合と参加した合宿の記録が表の余白にも書ききれず、裏面にも多く溢れていました。
 上段蹴りが入らなければ、突き下段などの技での攻防になるわけですから、前回、述べた話と逆説的になるのですが、「上段蹴りの重要性」と共に、それを生かすための「上段蹴り以外の技とフィジカル(体力)の重要性」を認識する必要があると思います。
 ひとつひとつ結果を求めていく事も必要ですが、セーフティルールでの上段の「技有り(ノーガードでのクリーンヒット)」に技術が偏ると、ダメージを与えないと「技有り」にならない一般ルールでは、全く通用しなくなります。本人の希望にもよりますが、目標が世界大会や全日本やフルコンダクト大会などであるならば、指導する立場としても、そういった場面でしっかり戦えるようにしてあげたいと思っています。
 今日は上段への蹴りの話では無いように思ますが、突きでボディにもダメージを与えたり、下段蹴りで足を効かせたりすれば、上段の蹴りは入りやすくなります。低い位置の蹴りや体力作りも上段への布石と考え稽古に励んでください。
押忍。

吉岡智


極真会館神奈川支部横須賀道場

2020年05月11日 | 仲間たちへ

2020.5.11.MON.
皆さん、こんにちは。
今日は第30回目の投稿です。

極真会館神奈川支部横須賀分支部は、不入斗にある横須賀総合体育会館(現横須賀アリーナ)の3階体育室で産声を上げました。初稽古には桐生広喜先輩と木元正資指導員(現神奈川東横浜支部長)が応援で来てくださり、新たな入門者も含め20名程での船出となりました。稽古は毎週金曜日19:00〜21:00までの2時間で週1回でした。当時は私もまだ若く、指導と言える程の事も充分に出来ませんでした。先頭に立って自分の稽古を精一杯やり、それを真似て、皆にも頑張って貰い、時々振り返って簡単なアドバイスをするという感じでした。神奈川支部渡辺道場は稽古の厳しさはありましたが、先輩方はとても良い方々ばかりで、陰険なしごきやいじめめいた事は一度もされた事がありませんでした。その素晴らしい伝統を汚す事なく行動する事を心がけましたし、その時に決めた自分のルール「先輩、年長者、親子で稽古なさっている御父兄には丁寧語で話す。」を決めました。先輩は当然ですが、例え後輩でも年長者であれば、また親子会員の場合は、お子さんの前で御父兄を尊重する意味で丁寧な言葉遣いを心がけました。それは今も続けています。
基本とシャドー、ミットは無いので、サポーター無しの組手。最後に体力作り。ベースも近かったので外国人や、防衛大学の学生が入ってきたり、若い元気な世代の人がどんどん入ってくる時代でしたので、活気の溢れる道場でした。それからから20年近く指導する日が増える事はあっても無くなる事はなかったので、大学時代仲間がやっていたような、雪山のペンションなどの冬季の長期アルバイトなどは出来ませんでした。
続きます。
押忍。

吉岡智

上段蹴りのすすめ その3

2020年05月10日 | 仲間たちへ
2020.5.10.SUN.
 皆さん、こんにちは。
今日は、第29回目の投稿です。
今日のテーマは「上段蹴りのすすめ その3」です。 

セーフティールールで技ありを取りに行くにせよ、一般ルールで、倒しに行くにせよ、大切なのはスピードと、インパクトをしっかり作れる深さまで蹴り込む事が重要です。遅くてはなかなか当たりませんし、浅かったり、弱かったりすれば技ありになりませんし、倒れません。
 しっかり膝を抱えた脚全体を相手に向かって運びます。この時の「膝の高さ」と「脚全体の運び」がポイントになりますので、相手の頭部に膝をぶつけるイメージを持ってください。そして、当たる瞬間に膝から先を一気に伸ばしてインパクトをつくります。この稽古の時は蹴り足と体を戻さずに振り切って蹴ってください。以前書いたように、多少上体の崩れがあっても構いません。当たる高さまで足を上げる事。当たったら「技あり」になる、「倒れる」威力がある蹴りを目指してください。
 稽古の中で必要を感じて行う柔軟体操は効果も高くなります。「ストレッチのすすめ」の回で書いたように柔軟体操には様々な良い点があります。体が硬いからと上段の蹴りを出さないでいると、全く柔軟体操をしなくでも、あまり不自由を感じず稽古を続けてしまう場合もあります。
 また、稽古していく中で、膝の軌道(どのような道筋で運ぶか)やタイミングなどを工夫して、自分なりの上段回し蹴りの蹴り方を会得してください。
押忍。

吉岡智



トロフィーの事。

2020年05月09日 | 仲間たちへ
2020.5.9.SAT.
皆さん、こんにちは。
今日は28回目の投稿です。 

優勝トロフィーを大山総裁から直接渡していただく栄誉に浴しました。
とても大きいそのトロフィーは、現在もありますが、残念ながら、少し背が縮んでしまいました。
何年か前の道場の大掃除で、やる事の無くなった小さい稽古生の子達が「何か拭くものありませんか。」と聞きにきたので、そのトロフィーのホコリを払うように頼みました。小さい子達に、経年劣化で壊れやすくなったトロフィーをやさしく扱うなどわかるはずもなく、「先生、壊れちゃいました。」とバラバラになったトロフィーをすまなそうに持ってきました。その頃は、再挑戦を始めた秋の無差別の全日本と、夏のドリームの型の試合に毎年出て
いましたので、「いいよ、いいよ。もっと大きいトロフィーを貰ってくるから。」とって言いました。神奈川県大会の優勝トロフィーはドリームの準優勝のトロフィーよりほんの少しだけ大きく、優勝のトロフィーより少しだけ小さい大きさでした。その時から、ドリームの型部門で優勝する事が、もう一つの大切な目標になりました。
 大会からの帰宅時、腫れ上がった右足が着けず、駅から近い自宅までの道を30分かけて帰りました。全出席を目指していた大学の授業も、次の週の水曜日、健志台校舎への往復6時間近い通学と、4クラス連続の体育実技授業にの困難さに負け、挫折していましました。休んだのはこの一日だけでしたが、結果的に「オールA」もならず、1科目「B」がついてしまいました。
 しばらくして、渡辺支部長より呼ばれます。
「横須賀に分支部を作ります。責任者は君。」
と唐突に言われ、「押忍。」答えました。
続きます。

押忍。
吉岡智

上段蹴りのすすめ その2

2020年05月08日 | 仲間たちへ
2020.5.8.FRI.
皆さん、こんにちは。
今日は27回目の投稿です。
今日のテーマは「上段蹴りのすすめ その2」です。

今日は左の上段回し蹴りについてお話ししたいと思います。
 右利きの人は右足の力が強く、ジュニアの試合でも右の上段回し蹴りを多用する人が圧倒的多数です。その中でも、左足を上手に操り上段を蹴る人もいて、その人が上段回し蹴りで技ありを取る確率は高いと感じます。割合として右利き9人に対し、左利き1人ですから、左上段回し蹴りが有効なのは当然と言えます。
 左右差の少ないジュニアでもそうなのですから、左右差がはっきりしてくる一般以上の方々の場合、その優位さがはっきりしてきます。いわゆる「右構え」(左手、左足を前に半身をきる)を取る人が多いので、回し蹴りで相手の側頭部を蹴る時に肩の位置がポイントになります。右で蹴ろうとすると、相手の左肩を越えて当てなくてはなりませんが、左で蹴る場合には右肩は後ろに下がっているので邪魔になりません。また、相手も右手を強く使おうとして、やや下がり気味になったり、動きが大きく遅くてなる事があります。蹴る側からしても、左足の方が右足に比べてやや細いので、相手の頭部に攻撃を早く届かせやすくなります。ボクシングでも、KO率の最も高いのは左フックだそうです。 
 是非、たくさん蹴りの稽古をする中で、左足の蹴りもたくさん出してみてください。

押忍。
吉岡智


第1回オープントーナメント神奈川県空手道選手権大会 その3

2020年05月07日 | 仲間たちへ
2020.5.7.THU.
皆さん、こんにちは。
今日は第26回目の投函です。

木元道場HP、メールマガジン、文庫ブログでお知らせしました通り、全国緊急事態宣言の延長を受けまして、木元道場は5月31(日)まで休館させていただく事となりました。皆と会えるのが、もう少し先になってしまい寂しいですが、文庫の皆の顔を思い出しながら、お約束通り、毎日投函を続けますので、お付き合い下さい。 

第1回オープントーナメント神奈川県空手道選手権大会、決勝。後に、全日本ウエイト制重量級優勝、全日本4位入賞、世界大会2度出場などの実績をあげる最強の相手と対峙します。
攻撃の強さ、打たれ強さ、スタミナ。どれをとっても1級の対戦相手に対し、突きと上段回し蹴り、中段前蹴りと足掛け下段回し蹴りで対抗して戦ったと記憶しています。当時の私の中段前蹴りのタイミングの取り方は少し変わっていて、近間の突きの打ち合いとのコンビネーションから出していました。
先ず、普通の距離から何度か前蹴りを使います。その後、遠間から近間に入り、突きの打ち合いを何度か行います。そして、また近間の突きの打ち合いに入る動きで、突きが届くか届かないかくらいの間合いで前蹴りを出します。最初に何本か出した前蹴りと出す距離が違うのと、近間の突きの打ち合いに気を取られるので、中段前蹴りが入りやすく、ダメージを与えたり、バランスを崩したりできました。
対戦相手はガードが固く、上段回し蹴りは入らず、バランスも良い為、足掛け下段も通用しません。そこで、前述の中段前蹴りのコンビネーションでダウンを奪い、技ありを取ります。ただこれがまだ試合の中盤より前で「少し、早すぎるな。」と考えていました。まだまだ、時間がありましたので、相手の強い攻撃にさらされる時間が充分にありました。
当時はもちろん、その後も「回り込み」は得意ではありませんでしたが、引き足をつかって相手の攻撃を外し、機を見て一気に踏み込む前後の動きは行っていましたので、その動きで何とか戦います。それでも最後は足を止めての突きの打ち合いになりましたが、戦い抜く事ができました。
優勝しました。

続きます。
押忍。

吉岡智


上段蹴りのすすめ その1

2020年05月06日 | 仲間たちへ
2020.5.6.WED.
皆さん、こんにちは。
今日は第25回目の投稿です。

今日のテーマは「上段蹴りのすすめ その1」です。

蹴り技、特に上段回し蹴りで相手を倒すのは空手を志す方々にとっては夢だと思います。
私も左上段回し蹴りが得意技でした。今回から、何回かに分けて、上段への蹴りについての考え方やトレーニング法をお話ししたいと思います。

ジュニアの子達が試合をする時は、セーフティルールで戦います。一般ルールでは「有効打による3秒未満の戦闘不能状態(3秒以上は一本)」が「技有り」なのに対し、セーフティルールでは「上段への蹴りが頭部(ヘッドギア)にクリーンヒットする。」が「技有り」となります。誤解なさっている方も多いのですが、「技あり>注意3」で、試合において技ありを取った方の負けはありません。技有りをとっても引き分けになる条件は「技ありを取った方が注意3を取られて、かつダウン寸前まで攻撃を受ける。」です。それでも最大引き分けまでで、実際、こう言った状況は長年試合を見ていますが、一度も見たことがありません。簡単に言えば、「技ありを取られたら、技あり以上を取り返す以外に勝つ方法はない。」と言うことです。時間内に、技ありを上段以外で取り返すのは難しい事を考えれば、セーフティルール内での上段への蹴りの重要性がわかると思います。
 
1  先ずは上段への蹴りをたくさん出す。
 基本稽古はもちろん、シャドーやミット稽古、組手で上段への蹴りをたくさん出します。上手くなってから。強くなってから。と考えると上手になるのに時間がかかってしまいます。
2 壁や棒で体を支えて蹴る。
 手で支える変わりに高い位置まで足を上げます。上体が多少倒れても気にせず、相手の頭部の高さまで蹴りを上げましょう。慣れてきたら少しづつ、上体の傾きを小さくしていきます。
3 正しい軌道でゆっくり蹴って、当てるフォームで止めて、またゆっくり戻す。
 蹴りのそれぞれのポジションでの姿勢保持の能力を身につけます。いつも稽古生の皆に話しているのですが、「ゆっくり動いたり、止めたりする事自体が目的ではありませんが、そういった動作が出来る能力が高ければ、蹴りの操作性も上がります。」
4 足に重りをつけて蹴る(慣れたらゆっくり蹴ったり、止めたりする。)
 最近は置いてあるところが減ってしまったのですが、100円ショップにあるアンクルウエイト(250g~500g)を足につけて稽古します。
 
50本、100本など本数を決めるか5分、10分など時間を決めて
自宅で上段蹴りの稽古をする時は、周囲に注意し行ってください。自分でバランスを崩すこともありますし、無理をすると腰を痛めます。くれぐれも怪我の無いよう行ってください。
押忍。
吉岡智
 
 

第1回オープントーナメント神奈川県空手道選手権大会 その2

2020年05月05日 | 仲間たちへ
2020.5..5.TUE.
皆さん、こんにちは。
今日は第24回目の投稿です。 

初戦は不戦勝。2回戦は延長戦で、左下突きの一本勝ち。3回戦は前蹴りから変化させた左上段回し蹴りで1本勝ちだったと記憶しています。
準決勝の相手は優勝候補を破って勝ち上がってきた分支部所属の選手でした。当時としては重量級で80kg以上あった後の有名選手ですが、当時はまだ青帯でした。私の所属していた横浜の本部道場は激しい方々?がたくさんいて、試合前に私のそばに来て、「分支部の選手に負けるなよ。負けそうになったら顔を殴って倒せ。」とおっしゃいました。「押忍。」と答えましたが、(それでは、確実に負けだよなぁ。)と頭の中で思っていました。
この時の大会は、下段足払いや前蹴りで綺麗に相手をダウンさせると技ありになりました。大会のルールの過渡期で、この年の秋に行われる全日本の時はもうとってもらえなくなりました。一瞬の「掛け」の動作が有効だったり、両手でも手のひら側での掛けは反則で、手の甲側での掛けは有効だったりだった時期も短い間でしたがありました。その間、平安Ⅳの18号令目の両手の掛けを手の甲で行うよう変更されたのを覚えています。
下段足払いを誰かに習った訳では無いのですが、柔道経験が長かったせいか、なんとなく倒せるタイミングが分かり得意技でした。「参りました。」を言わなければ攻撃を止めなくても良かった道場での組手で、ダウンをさせることが出来る技は有効で、相手も踏まれてはたまりませんので、自然に「参りました。」と言うか、言わなくても攻撃を止めてもらっていると言う意識があり、そう言った感覚から技有りになっていたのかもしれません。
試合中盤この下段足払いが決まり、技有りを取りました。現在のように深く入り込んでスネで蹴るのではなく。足首あたりで引っ掛けるように蹴っていました。しかし、もう一度蹴ったときに爪先に当たり右足首を痛めてしまいました。
勝つには勝ちましたが、足以外も身体はそこらじゅうガタガタで、おまけに決勝の相手は更なる強敵が待ち構えています。
続きます。

押忍。
吉岡智



トレーニングレコードのすすめ

2020年05月04日 | 仲間たちへ
2020.5.4.MON.
皆さん、こんにちは。
今日は第23回目の投稿です。

今日のテーマは「トレーニングレコードのすすめ」
です。
1 いつ(日付、大まかな時間)
2 どこで(道場か自宅か)
3 何を(トレーニング種目や部位)
4 どうやった(具体的な内容、感想や気付いた点)

私も以前はかなり詳しく記録をつけていました。その中で良い点と悪い点がありましたのでご紹介します。

(良い点)
① 目標となる時間や質の達成のモチベーションに繋がる。
②  トレーニングの種目や部位の偏りを確認出来るる。
③  トレーニングの質・量と試合結果を比べて、反省する材料に出来る。
④ その時点での「感想や気付いた点」が、後の新たな気づきのヒントになることがある。

誰に見せる訳でも無いのですが、記録を付けていると、「もう一息、頑張るか。」となることが多いです。また、時々見返して、種目が偏らないように注意します。自分が稽古していた時、感じた疑問や感想は稽古生の方も感じる可能性が高いので、指導の時、補足説明として活用しています。

(悪い点)
① 記録をつけるための時間が必要
② 頑張ってつけても意外に見ない。
③ すぐつけないと忘れてしまう。

余り適当でも意味がありませんが、余り構えて時間と労力を取られてもまたいけません。

そこで、私のトレーニングレコードの記録の仕方を参考にアドバイスします。

ノートの見開きに
縦に「種目」を取ります。
ストレッチ、パッグもしくはミット(手技、足技、コンピ)、シャドー(バッグと同様)、基礎体力もしくはウエイト(上半身、下半身、体幹)、組手、部位鍛錬、技研究、武具研究。 
横に「日付と曜日」を取ります。

合計稽古時間を決め、1日あたりの大まかな種目数とマークを決めます。

私の場合は4時間で大体8種目。1種目当たり30分で日付と種目の交わった所に「○」を付けます。
内容によっては30分が長すぎる場合もありますので、その時は15分程度で「△」を付けます。
備考欄を設けて、合計時間や、有れば感想等を記入します。マスの大きさをどれくらい取るかにもよりますが、2〜3週間程度は記入できますので、種目の偏りも一目で分かります。
 時間が多めに取れる日とそうでない日が有ると思いますので、1週間の合計時間を決めて調整する方法も良いと思います。

押忍。
吉岡智