2020.5.12.TUE.
皆さん、こんにちは。
今日は31回目の投稿です。
今日のテーマは「上段蹴りのすすめ その4」です。
金沢文庫道場の土曜日の18:00〜のユースクラスの指導を担当してくれている梅澤彩音初段は年中の5歳から空手を始め、高校2年生17歳の現在に至ります。ドリームフェスティバルでの3回の優勝を含め、数々の大会でも素晴らしい結果を残しているのですが、彼女も上段蹴りの名手です。
左右の上段回し蹴りは勿論、遠間から飛び込んで顎を下から突き上げる前蹴りや、胴回し回転蹴りなど、ここぞという時に「技あり」を取ってトーナメントを勝ち上がる姿は見事です。かつ、特筆すべきは高いレベルでの能力のトータルバランスが取れている点です。突き・下段・膝の威力、受けの技術、打たれ強さ、持久性など。彼女の殆どの試合にセコンドとして立ち会っていますが、背の高い相手に内下段で相手の頭の位置を下げさせ、すかさず上段蹴りで技ありを取った時などは(すごいなぁ。)と感心してしまいました。無論、そのような能力を獲得は大変な努力を重ねた結果です。彼女の「審査記録票」は出場した試合と参加した合宿の記録が表の余白にも書ききれず、裏面にも多く溢れていました。
上段蹴りが入らなければ、突き下段などの技での攻防になるわけですから、前回、述べた話と逆説的になるのですが、「上段蹴りの重要性」と共に、それを生かすための「上段蹴り以外の技とフィジカル(体力)の重要性」を認識する必要があると思います。
ひとつひとつ結果を求めていく事も必要ですが、セーフティルールでの上段の「技有り(ノーガードでのクリーンヒット)」に技術が偏ると、ダメージを与えないと「技有り」にならない一般ルールでは、全く通用しなくなります。本人の希望にもよりますが、目標が世界大会や全日本やフルコンダクト大会などであるならば、指導する立場としても、そういった場面でしっかり戦えるようにしてあげたいと思っています。
今日は上段への蹴りの話では無いように思ますが、突きでボディにもダメージを与えたり、下段蹴りで足を効かせたりすれば、上段の蹴りは入りやすくなります。低い位置の蹴りや体力作りも上段への布石と考え稽古に励んでください。
押忍。
吉岡智