都市には、いくつかの表情があります
大きく異なるのは、昼と夜の表情
画像はイタリア大衆紙レ・プッブリカ、インターネット版より
日光が満遍なく降り注ぐ日中は、光が強いだけに、光と影のコントラストが強く出る所もありますが、太陽光(光源)は、コントロールできないので、都市は、平べったい二次元的な表情をしています。
わたくしたち建築家は、照明設計と言われる、夜の表情を作るために、都市における明かりのデザインをすることがよくあります。
まあ、そういう仕事上の興味とでも言いましょうか、あるいは単なる楽しみとでも言えるのですが、都市の夜の表情は、とても気になります。
主要幹線道路等は、設計指針で明るさや照明器具の配置が厳密に決まっていますから、建築家の考えや遊びが入る部分は、なかなか見いだせません
一方、都市内における公共空間、例えば広場や公園、建物の外壁のための照明は、建築家(照明デザイン)の考えが活き活きと現れます。
照明器具によってライティングしますので、光源の強さや位置を人為的にコントロールしていきます
防犯上どうしても必要な明かりや、路面の照明等は、平べったくなりがちなので、別のところでメリハリを付ける工夫をします
例えば、低層のビルの屋上看板は、照明を上から当てるのか、下から当てるのかで大きく表情が変わりますし、上下とした場合でも見た感じは、とても異なります
もう10年以上前になりますが、でかい石(5×7m)高さ2mくらいの石に約200コの極小LEDを埋め込んで、夜になると点滅する蛍の光のようなオブジェを作ったことがあります
当時は、まあまあ話題になって、日本各地から視察に来ていただいたりもしましたが、省エネで電気を節約しなければならない昨今は、無用の長物と化しているかも知れません
せめて、人感センサーでも付けておけばよかったかな(笑)
何時の世も廃れることなく、皆さんに愛されるものじゃないと照明デザインも生き残れないという見本みたいなものですね
香川県高松市にチャーリーというドラッグストアがあって、何の変哲もない建物なのですが、これが夜になると照明設計が効果を発揮して、素敵な景色が出現します
専門家が見ると、きっと建築本体と照明設計は違う建築家がやったなと推測でき、こういうのもなかなか面白い夜の表情です
また月明かりは、満月と新月では、大きく異なり、季節によって月の位置が天空の高いところと低いところでは、都市の夜の表情が変わってきます。
実は、わたくしたち建築家は、そういうところまで考えに入れて、明かりのデザインをしていることもあります
昼にはのっぺりした風景が、照明のメリハリで奥行き感を増し、存在感まで大きくなったりするので、照明設計は面白いのです。
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