ミラノはミラノ

ミラノ在住のおねえさん(うそ)おっさんの気まぐれ場当たり日記

ラテン魂ここにあり  カンツォーネ「カルーゾ」

2009-12-29 06:38:08 | 日記

カンツォーネ 平たく言ってしまうと、イタリア歌謡曲
世界中によく知られているのは、なんと言ってもナポリの音楽
オー・ソーレ・ミーオやフニクリ・フニクラは、説明するまでもなく有名ですね
でも、ナポリ弁で書かれていますから、イタリア人でもその真意が分からないことも

Funiculi' funicla'(フニクリ・フニクラ) の有名な一節
Jammo, jammo,'ncoppa jammo ja'...
Jammo, jammo,'ncoppa jammo ja'...
Funiculí, funiculá, funiculí, funiculá...
'Ncoppa jammo ja', funiculí, funiculá...

行こう!行こう!頂上へ
行こう!行こう!頂上へ
ケーブルカー!ケーブルカー!ケーブルカー!ケーブルカー!
ケーブルカー、ケーブルカーで頂上まで行こう
(頂上とは、ナポリのヴェスヴィオ山の頂上のこと)

現代イタリア語で記載すると
Andiamo andiamo in cima andiamo
Andiamo andiamo in cima andiamo
Funicolale funicolare funicolare funicolare
In cima andiamo funicolare funicolare

ね!見ただけで全然違いますでしょ?

カタカナで発音に近い音を書きますと(1行目だけ)
ヤーモ ヤーモ ンコッパ ヤーモ ヤ(原詩 ナポリ弁)
アンディアーモ アンディアーモ イン チーマ アンディアーモ(標準イタリア語)
標準語と大阪弁よりも違いが大きいです
津軽弁と鹿児島弁くらい違うかも(笑)
ちなみに、イン チーマのチーマとは、日産シーマがイタリア語のCIMA(チーマ)頂点、頂上という語を発音を変えて使っていることが分かりますね

Funiculi, Funicula

さて、ラテン魂
同じくナポリのカンツォーネ 「カルーゾ」
ナポリ出身の偉大なテノール歌手 エンリーコ・カルーゾの生涯を題材にしたカンツォーネ
詩は長いので省略しますが、ナポリ出身の歌手カルーゾがアメリカでの仕事を終えて、ナポリに戻り、短かった彼の生涯を振り返るというのがテーマになっています。

オリジナルは、Lucio Della(ルチオ・デッラ)ロマンチックでとても強い愛の表現が用いられていることと、アメリカから帰ってきた男性が故郷に残した恋人に再会して、どれだけ君のことが好きなのかと言う内容を訥々と歌っていることから、移民や国外への出稼ぎを抜きにしては語ることができない近代イタリアの歴史的背景を聞き手自身に投影させたり、聞き手が感情移入することが容易なことから、大ヒットしたカンツォーネです。

サビの部分
Te voglio bene assaie
Ma tanto bene sai
É una catena ormai
Che scioglie il sangue dint' e vene sai.
君のことがどうしようもなく好きさ
きみだってよく知ってるじゃないか
鎖でしっかり結ばれてる
血が血管の中で解けるようだよ

Lucio Dalla - Caruso
この最後のフレーズ「血が血管の中で解けるようだ」はナポリの聖ジェンナーロ奇跡の一日と呼ばれる故事を知らないと例えイタリア人ですら正確な解釈ができないのです。
ナポリの聖人、聖ジェンナーロの日は、通常は凝固している古い古い聖ジェンナーロの血液が、ナポリ枢機卿のおまじないのようなもので溶け出すのだそうです。

San Gennaro Napoli
つまり、神憑り的なほど君のことが好きなんだと言いたい訳ですね。
何度聞いても魂に響き、ふっと涙してしまう程素敵なカンツォーネです。

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