子どもを泣かせてしまった。
今日、知り合いのライブがあるので、見に行こうと思っていた。
いつもはライブスポットなので、酒の場だし夜も遅いから一人で行く。
しかし、今日はイベントの無料ライブ。
もし子どもがぐずっても、気軽に離れたりもできるし、2階の踊り場などから聴くこともできるし、ぜひこういう機会に「本物」に触れてほしいと思っていた。
そう、これは私のこだわりで、出張などですごい情景に出くわすと、それを子どもたちに生で見せてやりたいと思ってしまう。
福井の東尋房だったり、鳥取の砂丘だったり、言葉では伝えられないものを自分の感覚で味わってほしい。
だから、テレビやビデオで聞く音じゃなく、生で目の前で奏でられる楽器からあふれる音を一度聞いてほしいと思っていた。
そんな機会が現れたので、ぜひ連れて行ってやろうと。
長女は部活があるのを知っていたし、すでに出かけていた。
次女は最近家族で出かけるよりパソコンでチャットしている方が良い様で「行かない」と一言。
長男は「おねえちゃんが居るなら、暑いから家に居る」
次男も「ぼくも家で遊んどく」
それらの反応にキレてしまった。
その心理は単純明快
「せっかく、自分が良かれと思って誘っているのに」
そう、それはあくまでこちらの「良かれ」の押し付けであって、子どもにはその価値は分からないし、「行こうか」だけではどんな思いが込められているかはしるよしがない。
なのに、好意を無駄にされたというような屈辱感や、言うことを聞いてもらえなかった気持ちや、そんな感情の波に飲まれ、怒りの気持ちだけが湧き出してしまう。
子どもが駄々をこねるのとなんら変わりがない。
ここには伝え方の問題がある。
「私はこう思っている」というメッセージなしで、当然来るという思い込みでもって投げかけている。
子どもらは一度部屋を出て行ったが、まずは次男が「ぼくは行くわ」と擦り寄ってきた。
そのまま怒りが収まらないこともあるのだろうが、ちょっと一息ついて、自分の接し方にも問題があると内省しだしていたので、「じゃあ一緒に行こう」と受け止めてみる。
「お兄ちゃんも行くって言ってた」というので、「じゃあ呼んできてあげて」と次男を送り出す。
部屋に戻ってきた長男に「一緒に行こうか」というとうなずき、大泣きしだした。
子どもが原因で怒らせたときは、まずは謝らせるまで次の話はしないのだが、今回はこちらの接し方の問題もあると分かっているので、そこはなし。
「お父さんは、すっごい音楽を聴いてほしいと思ったんや」ということを伝える。
その気持ちが伝わったのか、あるいは怒ってるお父さんが怖いから何とかしようとしたのかはわからないが、「聴きたい」と声を振り絞った。
結局次女は置いて、連れ合いを含め4人で会場に向かった。
道中ですでに二人の息子はふざけあって機嫌を直している。
暑い中の野外ライブだったが、おとなしく聞いていた。
(次男の方はさすがに30分超えると遊びだしたが)
帰りにいろいろ感想をたずね、教えてもらった。
まぁ、音楽はまだ分からないだろうが、何かに触れてくれていたらいいなと。
それよりも、いつもここで偉そうなことを言っているが、実際まだまだできんよなと。
いや、下手に「自分はコミュニケーション上手だ」と錯覚するよりは、こうして「だから育ててもらわんとな」と振り返らせてもらうことが大事。
ということで、息子よ、ごめん。
親子コミュニケーション 21 「私メッセージ」
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親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」