また、二人の息子がけんかした。
ちょっとした実例として、また流れを書いてみよう。
原因は単純で、寝床で最初にKくん(長男 小2)がやってきて私の横に寝ようとした。
あとからSくん(次男 年長組)がやってきて、二人の間に割り込む。
まぁ、私の横で寝る権利の取り合いなんだが、そのときにSくんが「あっちいって」と邪魔者扱いしたらしい。
Kくんはそれが気に入らなかったようだ。
まずはKくんがイラつきだし、泣きながら布団を叩く。
まずいと思ったSくんがゴメンと誤る。
しかし、Kくんは許さず、Sくんも泣き出す。
Sくんがかんしゃくを起こすように手や足をばたつかせているので、Kくんも困りだす。
まぁ、ここまではよくあることで、お互いどうしたらいいかわからない状態で、感情だけが昂ぶっている。
ここまでは怒るわけでもなく、様子を見ていた。
で、まずは「横で寝る権利」のことを解決するため、私が寝る場所を買えて二人が両横に来るようにした。
じゃあ問題が解決したかというと、そう単純なものじゃない。
(もっと早い段階でこうしてたら、ケンカにはならなかったかもしれないが)
私も余裕がないときなら「これで二人とも横で寝られるンやからもうケンカするな!はよ寝ろ!」と怒鳴って、二人とも泣きながら寝ることになるだろう。
しかし今日は、このブログのネタにしようと思ったわけではないが、ちょっとじっくり関わってみようと思った。
ここでまず考えたのが、どちらかの味方になるのはやめておこうという事。
両方の話を聞いてみようと意識した。
Kくんの主張は
「Sくんがいつもいやなことを言う。あっちいけって言って仲間はずれにする」
Sくんの主張は
「あやまってるのに許してくれへん。Kくんがいやなこと言ってあやまるときは、僕はすぐ許してあげるのに」
単純に裁くのならばKくんの主張が正解で、Sくんは先の問題解決ができないまま自分の主張に摩り替えている。
まぁ、普通なら「先にいやなこと言ったのはSくんだから、あなたが悪い」ということになるだろう。
しかし、どちらの味方という事をしたいわけではないから、裁くのが目的じゃなく、聞いてあげることを重視する。
とうぜん、お互い主張するだけだから、よほどどちらかが折れない限り納得はしないだろう。
Kくんに「どうしたい」と尋ねると「いっつも、いやなこと言うから許したくない」
つぎにSくんに「どうしたい」と尋ねても、泣きながらバタバタとかんしゃくをおこすだけ。
ここで、母親が部屋に入ってきた。
最初は「S君が悪いンやろ」と当然の理屈で叱る。
そういう対応を責めるつもりもないので、それはそのまま受けておく。
ただ、彼女が来てくれた事で場面転換が出来ると思った。
Kくん側に寝に入ったんで、私はSくんの方により背中をさすってやった。
そしてKくんに、「お母さんがいるから、話したい事聞いてもらい」と伝える。
これで、私がSくんと話しても、ただ単純にSくんの味方してるんじゃないという状況だし、Kくんにも逃げ道ができる。
こんどはしっかりとSくんの方を向いて、ボディタッチ。
まだ泣いていたが、ちょっとだけ落ち着かせて「下の部屋に行ってお話しする?」と場面転換をはかる。
案の定「うん」というので、下の部屋に行き、さらに「散歩しようか」と外に連れ出す。
靴ははかさずに、抱っこ・おんぶで連れ出す。
近所をぶらぶらして、20分ほど密着状態。
ようは、お父さんを独占したかったのが始まりだから、これだけで本人は満足し、他愛のないことを話すだけで、問題にしてたことはどこかへ行ってしまっている。
理屈で行けば、大人の考え方で「これが悪い」「こうしなさい」と指示することも大事だろうが、「解決」という事だけを重視せずに、言葉にできない要求を受けてみてあげることもできるんじゃ無いかと思う。
小さい子どもは、まだまだ「言いたいこと」をうまく表現できないし、言葉尻だけを追っかけていたら矛盾したり摩り替わったりしてついていけない。
小学生くらいなると、少しそれがわかってくるから、「それはおかしい」と弟を責める。
そういう意味でも兄のほうが正しいのだが…
また、その正しいことはちゃんと受けてあげないと、兄としては理屈に合わなくなる。
いちどに両方を納得させるのは難しいので、こうやって別々に対応できればいちばんいいんだけど…中々難しいですよね。
明日はこっそりとおにいちゃんの方を抱きしめてやろうと思う。
問題解決ってことではないけれど、「逃げ道」ってことと「雰囲気を変える」ってことのひとつの形になったんじゃないだろうか。
親子コミュニケーション 14 「逃げ道」
親子コミュニケーション 13 「違った雰囲気」
親子コミュニケーション 12 「沈黙も大事に」
親子コミュニケーション 11 「尊重してあげる」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」