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コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

親子コミュ 番外編 3

2008-07-12 00:18:28 | 親子コミュニケーション

今日、小学生の長男が学校を休んだ。
「頭が痛い…」
本当に頭痛もあるのだろうが、学校に行きたくない理由もあるかもしれない。
連れ合いからもその原因らしい話も聞いている。
とりあえず、「遅刻させます」と学校に連絡し、ちょっと休ませてもう一度学校に行くよう促したが、最終的に「休む」という結論をした。

とまあ、ここまでは良くあることだが、夜一緒に寝ているときに展開があった。

Kくん「ねられへん…」
「うん、昼間いっぱい寝たからなぁ」
Kくん「…」
ちょっと悩んでいるような顔をしている。
「なんか考えて寝られへんのか?」
Kくん「うん」
「お話できるか?」

ちょっとの間をおいてから話し始めた。

Kくん「あのな、嘘ついてしまうことがあるねん。いっぱいいっぱい、この口から嘘が出てくるねん」
「そうかぁ、いっぱいいっぱい嘘が出てくるんや」
Kくん「うん…」

今日の休みのことも気にしてるのかなと思い

「おとうさんやおかあさんにも嘘ついてるんか?」

Kくんはしまったという顔をして黙り込んだ。
このままでは詰問になり、追い詰めてしまうかもしれないと思った。
それは望むことではないので、切り口を変えてみる。

「いっぱい嘘が出てくるんやなぁ。それをあかんと思ってるんや」
Kくん「うん…」
「一個嘘をついたら、それをかくそうとまた嘘ついてしまうのかな」
Kくん「うん…」
「そういうとき、すぐに『ごめん、今嘘ついてしもた』って謝れへんかなぁ」
Kくん「嘘ついたの怒られるのが怖いねん…」
「怒られるのが怖いのか」

誘導したつもりはなかったが、「怒られるのが怖い」という今一番心配している気持ちが出てきた。
もうちょっと大きな子なら、自分から出てきた「怒られるのが怖い」という感情を自分でじっくり味わってもらうのも良いんだが、ここはちょっと不安を取り除いてやることをしてみようと思った。

「嘘ついて、怒られたくないからまた嘘ついちゃうんやなぁ。そうやってどんどん嘘をついちゃうんやなぁ。それは良くわかるわ。
 でも、おとうさんやおかあさんや先生は、すぐに『嘘ついてしまった』って自分で気づいて、謝る方がうれしいから、怒らへんと思う。お友達とかは子ども同士やからわからへんけどな。
 怒られんとこと思ったら、いっぱいいっぱい嘘ついてしまうんやろ。それってきっとばれるからなぁ。
 ばれたほうが怒られるんとちゃうかな。」

目をそむけながらも静かに聞いているようなので、ちょっとここで確認作業

「いま、お話聞いててどう思う?」
Kくん「謝った方が良いと思う」

まぁ普通に考えても「謝る」という答えにたどりつくのが普通だし、頭のきれるこの子だから優等生的に解答したのかもしれない。
しかし、こちらから「謝るようにしなさい」と押し付けるのではなく、「お父さんはこう思う」というところでととめておき、自分で結論にたどり着かせた。

最後に
「よー、お話してくれたな」と手をつかみ、頭をなでておいた。
「もう寝られるか?」と聞いたら「うん」と答えたので、そのまま寝かしつけた。

実際、つぎに誤魔化したくなる出来事があったときに、どういう風に転がるかはわからないが、無理やり学校に行かさず、「受けてあげる」ことで話してみる関係を作ってやれたのなら良かったんじゃないかと思う。

今回のポイントは最初は嘘をつくことへの畏怖(悪いことをしたら地獄に行くと言うことを聞いている)から、話しているうちに変わってきた、その時点での「怒られるのが怖い」という感情を聞いてやるということかな。
もうひとつは、「こうしなさい」と教えるんじゃなく「こうしてくれたらうれしいな」という伝え方。

余裕がないと、なかなかこういう受け答えはできませんが、ちょっと心がけておくことで…ね。