◆BookBookBook◆

📚読書備忘録📚
(自己評価★★★★★)+泣ける物語
たまに山ブログ
         

E

2016-08-21 | 江國香織


江國香織
『日のあたる白い壁』★★

こういう紙質の文庫本が好き。

先日、中野京子の『新 怖い絵』を少し読んだばかり。
インスピレーションで絵画をみるのもよいけど、
その作家の生い立ちなどを知ると色々想像してしまう。
旨いところを突いてるなぁと思った本



結構表紙もインパクト



---


1.ゴーギャンのオレンジ

果物が元々そんなに好きじゃないからか、
江國さんみたいに食べたいとは思わない。
女性に関して「不遇」ではなかったってよいと思う。
わたしも女性慣れしている人の方が好ましく感じて惹かれる。


2.カリエールの想い

ぼんやり 気骨さが伝わる。

波長の合う絵、というのがある。好き嫌いとは別で、もっと生理的なものだ。絵の中の気配と自分の中の気配がしっくり合う、というか、肌に馴染む、というか。


3.ホッパーの海辺の部屋

春樹の翻訳本の絵
あとは美の巨人たちで紹介された『ナイトホークス』のイメージ

読んだばかりの『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』の表紙でもある。


4.児島虎次郎の睡れる幼きモデル

この本の表紙

人は、身体の中にその人の人生をたずさえて生きている。それまでの人生すべてを持ち運んでいる。それまでの人生すべてを使って物をみるのだ。


5.ボナールのバスタブ

ボナールはマルト(妻)の入浴している姿を見るのが好き。
マルトはボナールが絵を描いている姿が好き。

「波乱がない」


6.ドラクロワの花の習作

絵は持って帰らなくても、絵の気分は持って帰る、ということ。
絵の気分。


7.東郷青児の巴里の女

画家の「若さ」は痛々しい。どうしてだかわからないけれど、いつもそうだ。そして、痛々しいぶんだけ切実に胸に迫る。


8.パスキンの昼寝

池田20世紀美術館にて見たことがあるけどわたしには印象薄

子供の時の怠さ――自分で自分の身体を持て余すような、手や足がわずかに熱を帯びているような、ぽってりとした怠さ――


9.カサットの劇場にて

こういう絵 好き。
ぼんやりしたやさしい明るさと色調も。
これも美の巨人たちで紹介されてた。
ちょうど横浜に行ったから行ってみようかと思ったんだけど。


10.ユトリロの雪の積もった村の通り

ユトリロの色、といわれて思い浮かぶのは、まずは孤独な白、寒くさびしいブルーグレイだ。


11.ゴッホの夜のカフェテリア

この絵を見ると否応なしに電報を思い出す。
NTTのお祝い電報(笑)
一体何名にこれを送っただろう?

ゴッホの狂気


12.萩須高徳のカフェ・タバ

エコール・ド・パリ

とけこむ、というのは一つの才能だ。絵であれ文字であれ、かくときにはかく対象に、たぶんある意味でとけこまざるを得ない。


13.セザンヌのすいか

正直よくわかならい。


14.マネの海にとび込むイザベル

マネといえば過去オルセー美術館展にて。
笛を吹く少年、あと黒い帽子のベルト・モリゾがインパクト

才能と評価はイコールじゃない、


15.グレコの宗教画

自分の目でみてごらんなさい、自分の頭で考え、自分の言葉で語ってごらんなさい。


16.ルドンのちょうちょ

ルドンの素描は、ある種の人々に、とても人気があるらしい。


17.小倉遊亀の家族達

!ゆきと読むらしい!男性かと思った。

技術というのは需要だなと思う。豪胆さと繊細さ、おおらかさと正確さ、単純さと複雑さ、つつましさとあでやかさ、強さと脆さ、相反する、でもどうしても一時に存在するそれらのものを、ひっそりとすいとるように併せ持つのは、おそらく技術の力なのだ。


18.ムンクのお伽の森の子供たち

地元の美術館のイメージ『叫び』(メインはダリだけど)

プリミティブという力


19.ワイエスのグラウンドホック・ディ

全部、ちょっとくたびれている。でも、ぼろぼろというわけじゃない。ワイエスの絵はいつもそうだ。ちょっとかなしくて、ちょっと悲観的で、ちょっと美しい。

「寂寥感」と「孤独」


20.マティスのヴァイオリンがある室内

マティスと言えば手をつないで輪になっている絵のイメージ『ダンス』
色彩の魔術師

たっぷりと豊かな人生

ヴァンスのロゼール礼拝堂――マティスの最後の仕事――に、いつかいってみたいなと思う。


21.カラヴァッジョの聖トマスの懐疑

出たカラヴァッジョ
最近みたマグダラのマリアのポストカードを実家に送ったら「怖い!」だって(苦笑)



22.見知らぬ絵

忘れられない絵



23.オキーフの桃

耳にしたことがあるけど、まだ見たことがないオキーフ
この桃は素敵!

私たちがそこに連れ去れられるのではなく、その場にそこが出現する。

だって、率直で、美しい。それ以上、何を望めるだろう。



---


つまり、この本自体が美術館なのだ。




























この夏 旅をして思ったことは確信をついている。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« E | トップ | Y »
最新の画像もっと見る