江國香織
『日のあたる白い壁』★★
こういう紙質の文庫本が好き。
先日、中野京子の『新 怖い絵』を少し読んだばかり。
インスピレーションで絵画をみるのもよいけど、
その作家の生い立ちなどを知ると色々想像してしまう。
旨いところを突いてるなぁと思った本
結構表紙もインパクト
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1.ゴーギャンのオレンジ
果物が元々そんなに好きじゃないからか、
江國さんみたいに食べたいとは思わない。
女性に関して「不遇」ではなかったってよいと思う。
わたしも女性慣れしている人の方が好ましく感じて惹かれる。
2.カリエールの想い
ぼんやり 気骨さが伝わる。
波長の合う絵、というのがある。好き嫌いとは別で、もっと生理的なものだ。絵の中の気配と自分の中の気配がしっくり合う、というか、肌に馴染む、というか。
3.ホッパーの海辺の部屋
春樹の翻訳本の絵
あとは美の巨人たちで紹介された『ナイトホークス』のイメージ
読んだばかりの『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』の表紙でもある。
4.児島虎次郎の睡れる幼きモデル
この本の表紙
人は、身体の中にその人の人生をたずさえて生きている。それまでの人生すべてを持ち運んでいる。それまでの人生すべてを使って物をみるのだ。
5.ボナールのバスタブ
ボナールはマルト(妻)の入浴している姿を見るのが好き。
マルトはボナールが絵を描いている姿が好き。
「波乱がない」
6.ドラクロワの花の習作
絵は持って帰らなくても、絵の気分は持って帰る、ということ。
絵の気分。
7.東郷青児の巴里の女
画家の「若さ」は痛々しい。どうしてだかわからないけれど、いつもそうだ。そして、痛々しいぶんだけ切実に胸に迫る。
8.パスキンの昼寝
池田20世紀美術館にて見たことがあるけどわたしには印象薄
子供の時の怠さ――自分で自分の身体を持て余すような、手や足がわずかに熱を帯びているような、ぽってりとした怠さ――
9.カサットの劇場にて
こういう絵 好き。
ぼんやりしたやさしい明るさと色調も。
これも美の巨人たちで紹介されてた。
ちょうど横浜に行ったから行ってみようかと思ったんだけど。
10.ユトリロの雪の積もった村の通り
ユトリロの色、といわれて思い浮かぶのは、まずは孤独な白、寒くさびしいブルーグレイだ。
11.ゴッホの夜のカフェテリア
この絵を見ると否応なしに電報を思い出す。
NTTのお祝い電報(笑)
一体何名にこれを送っただろう?
ゴッホの狂気
12.萩須高徳のカフェ・タバ
エコール・ド・パリ
とけこむ、というのは一つの才能だ。絵であれ文字であれ、かくときにはかく対象に、たぶんある意味でとけこまざるを得ない。
13.セザンヌのすいか
正直よくわかならい。
14.マネの海にとび込むイザベル
マネといえば過去オルセー美術館展にて。
笛を吹く少年、あと黒い帽子のベルト・モリゾがインパクト
才能と評価はイコールじゃない、
15.グレコの宗教画
自分の目でみてごらんなさい、自分の頭で考え、自分の言葉で語ってごらんなさい。
16.ルドンのちょうちょ
ルドンの素描は、ある種の人々に、とても人気があるらしい。
17.小倉遊亀の家族達
!ゆきと読むらしい!男性かと思った。
技術というのは需要だなと思う。豪胆さと繊細さ、おおらかさと正確さ、単純さと複雑さ、つつましさとあでやかさ、強さと脆さ、相反する、でもどうしても一時に存在するそれらのものを、ひっそりとすいとるように併せ持つのは、おそらく技術の力なのだ。
18.ムンクのお伽の森の子供たち
地元の美術館のイメージ『叫び』(メインはダリだけど)
プリミティブという力
19.ワイエスのグラウンドホック・ディ
全部、ちょっとくたびれている。でも、ぼろぼろというわけじゃない。ワイエスの絵はいつもそうだ。ちょっとかなしくて、ちょっと悲観的で、ちょっと美しい。
「寂寥感」と「孤独」
20.マティスのヴァイオリンがある室内
マティスと言えば手をつないで輪になっている絵のイメージ『ダンス』
色彩の魔術師
たっぷりと豊かな人生
ヴァンスのロゼール礼拝堂――マティスの最後の仕事――に、いつかいってみたいなと思う。
21.カラヴァッジョの聖トマスの懐疑
出たカラヴァッジョ
最近みたマグダラのマリアのポストカードを実家に送ったら「怖い!」だって(苦笑)
22.見知らぬ絵
忘れられない絵
23.オキーフの桃
耳にしたことがあるけど、まだ見たことがないオキーフ
この桃は素敵!
私たちがそこに連れ去れられるのではなく、その場にそこが出現する。
だって、率直で、美しい。それ以上、何を望めるだろう。
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つまり、この本自体が美術館なのだ。
この夏 旅をして思ったことは確信をついている。