本の付録に真空管利用のフォノイコライザーキットが....と聞き、LXV-OT10を買った。
買おうかどうしようか迷っているときにYoutubeで「組み立てしてみた」...という動画を見て、決心し購入した次第。(飯田有抄さん、背中を押してくれてありがとうございました。)
デフォルトの仕様でもその音は「へぇこの値段でねぇ」とうならせるものではあったが、本領を発揮するのは改造後。
真空管交換はもとより、オペアンプ交換、コンデンサー交換などやることはたくさんあって、それらを考慮して設計されているのには感心した。
カートリッジからの入力用オペアンプは我が家で絶大な信用のあるOPA627AP×2、次段は初導入のMUSES03×2に変更(いずれも秋月電子通商で購入。ちなみにYahooオークションやAmazonでオペアンプは絶対に買わないのです。)、コンデンサーは大事に保管してあった虎の子のブラックゲート(懐かしい)やニチコンPURE GOLDなどに交換、交換せずそのままのコンデンサーもあるがそれらには小容量のフィルムコンデンサーをパラった。
真空管はSYLVANIAの軍用管JHS6189/12AU7WAに交換した。Youtubeの音楽之友社の動画を参考にダイオードも交換(オーバースペックだが我が家では真空管アンプ用として音質的に安心して多用しているU-07N)、あわせて真空管の交換時、力がかかってパターンを損傷するリスクを考慮し基板全体にハンダの補正を行った。
別売りの安定化電源(フィディリティムサウンド×stereo 15V仕様トランス電源アダプターPT70EI:ONTOMOのホームページで購入)の効果はあまりにも抜群で、使わない手はない。とにかく重くしっかりとした作りの電源装置で、怪しげなオカルトケーブルを買うくらいならよほど音質向上に寄与できる製品だ。電源をとことん強化すると音が根本から変わるという典型。これは素晴らしい。
さらにはYoutubeの動画でも紹介のあった、iFiのiPurifier DC2(ヨドバシカメラで購入)の素晴らしいノイズフィルター効果(測定した結果を報告している方のブログを見ても納得)とあわせると、もはや「本の付録のフォノイコライザーキット」の領域をはるかに超え、単体フォノイコの高級機の表現に相当近づく。総額8~9万円程度だが、同じコストでこれほどの音質のフォノイコライザーの市販完成品は他には皆無だと思う。
これは(いじれる人にとっては)とてつもなくコストパフォーマンスの高い製品ではないだろうか。改造後のLXV-OT10の音楽表現の彫りは半端なく深く外盤A級LPの真価がわかったような気がする。
改造前提の設計で、この価格でこの性能と機能(カーブコントロール)、そして改造による音質向上の拡張性は腕に自信のあるアナログファンたちに一石を投じたのではないかと思う。
最近は予備系であるこちらでしかレコードを聴いていないことに気が付いた...
これは作って楽しい、いじって楽しい、聴いて楽しい製品です。
※上の写真は初段MUSES03×2、次段OPA627AU×2の時のもの。オペアンプ用ヒートシンクを使い、一層の安定化を狙っている。