boban のんびり 株投資日記

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バフェット氏「変心」、6年ぶり自社株買い

2018-08-31 | バフェット
2018/8/31 5:30 日経新聞

 【ニューヨーク=宮本岳則】米投資会社バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレン・バフェット氏は30日、米メディアのインタビューに答え、自社株買いを実施したことを明らかにした。2012年以来、およそ6年ぶりとみられる。従来は株主還元よりも大型買収を優先する考えを示していた。有望投資先が見つからず手元資金が10兆円規模に膨らむなか「変心」を迫られた形だ。

 88歳の誕生日を迎えたバフェット氏は30日、米CNBCの番組に出演し、会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるバークシャーが「小規模な自社株買いを実施した」と明かした。米ファクトセットのデータベースによると、バークシャーは12年を最後に自社株の買い戻しを行っていない。6月末の手元資金(米国債を含む)は1100億ドル(約12兆円)に膨らみ、市場では現金の使い道に注目が集まっていた。

 伏線はあった。7月中旬に自社株買い方針を修正すると発表。バフェット氏と副会長のチャーリー・マンガー氏の考えるバークシャーの「本質的価値」に株価が届いていないと見なした場合、実施可能とした。12年に定めた旧方針ではPBR(株価純資産倍率)で1.2倍を超える株価水準では買い戻しを実施しないと明言していた。足元のPBRは1.4倍程度。今回の自社株買いは、実施条件を緩めた新方針に沿ったものだ。

株主の声無視できず

 バフェット氏は5月の株主総会で「我々は配当や自社株買いよりも、投資に資金を使う」と明言していた。このほどインドのモバイル決済サービス最大手に約400億円を出資したが、バフェット氏が狙うのは数千億円規模の大型案件だ。

 盟友のマンガー氏は米企業に広がる自社株買いブームについて株主総会で言及し「いくつかの企業は単に株価を維持するためにやっている」と批判的だった。ただ株高で買収価格が高騰するなか、バフェット氏の志向する大型案件はなかなか実現しない。結局、株主還元を求める株主の声を無視できなくなった。

 米ゴールドマン・サックスによると18年の米企業による自社株買いは1兆ドル(約110兆円)規模に達し、00年以降では最高額になると予想する。アップルの時価総額に匹敵する規模だ。好景気と法人税引き下げが空前の自社株買いブームを生み、それを批判的にみていたバークシャーも最終的に輪に加わった。M&A(合併・買収)や設備投資も増えているが、高いリターンが見込める投資先は限られる。バフェット氏の変心は、米企業全体の苦悩を映す。

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