boban のんびり 株投資日記

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国の税収上振れ2兆円超、法人税で1兆円、昨年度、54兆円に

2015-06-10 | 2015
2015/06/10 日本経済新聞

 2014年度の国の税収が政府の見積もりより2兆円を超す規模で上振れしそうだ。円安などで過去最高益の企業が相次ぎ、法人税収が1兆円以上の規模で上振れる可能性が出てきた。賃上げや株式の配当増で所得税収も1兆円弱増え、一般会計の税収は54兆円規模に達する見通し。政府は6月末に財政の中期計画をまとめるが、財政健全化に向けては税収増の持続力が課題になりそうだ。

 14年度の国の一般会計税収は、補正予算を策定した1月時点に見積もっていた51兆7千億円から大幅に上振れし、13年度の46兆9千億円から7兆円程度増える。過去最高だった1990年度の60兆1千億円には及ばないものの、97年度の53兆9千億円を超え、92~93年度の54兆円台に達する可能性もある。

 税収が大幅に伸びるのは企業業績が好転している影響が大きい。15年3月期の連結決算は上場企業の2割強で経常利益が過去最高だった。政府関係者は「税収の上振れ額は法人税だけで1兆円を超えそうだ」と述べた。

 過去に計上した税務上の赤字(欠損金)を繰り越し、当期の黒字(課税所得)から引いて納税額を減らせる繰越欠損金も縮小。金融機関などの納税額が増えている。

 所得税収は現時点で9000億円程度上振れることが確実だ。企業の賃上げや株式配当の増加で補正時点に想定した15兆8千億円よりも伸びている。消費税収も14年4月に税率を8%に引き上げた影響で堅調に推移する。6月末にかけての最終集計によっては上振れが2兆円台後半に達するとの見方もある。

 財政法は税収の上振れや歳出の使い残しを合わせた剰余金のうち、2分の1以上の額を国債の償還に充てると定めている。残りの半額は政策経費に充てることも可能で、過去の税収上振れでは補正予算の財源に使われたことが多い。

 税収の自然増は財政健全化に向けた政府内の議論に影響を与えそうだ。政策経費が税収でどのくらいまかなえているかを示す基礎的財政収支を20年度に黒字化するための経済財政諮問会議の議論は、実質2%以上の成長を達成する前提で20年度に残る9・4兆円の赤字をどうやって埋めるかが焦点。税収が上振れると、計画の前提が変わることになる。

 諮問会議の民間議員は20年度までに経済成長によって4兆~5兆円の税収が見込めると主張している。成長に伴う税収増と歳出削減を両立させながら財政健全化を達成する考え方だ。健全化計画の出発点の時点で税収が大きく上振れると、こうした考えを後押しする可能性がある。

 ただ税収増は一時的な可能性もある。潜在成長率が1%未満の今の日本にとって実質2%以上の成長を継続するハードルは高い。1%前後の場合に比べて2%成長による税収増の効果は7兆円も多い。自然増を大きく当て込むと不透明な要素が大きい計画になるので、財務省は9・4兆円の大半を歳出削減でまかなうよう主張している。

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