日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

古道を辿って登り、別の古道を下る。  足尾赤倉~半月峠/ 中禅寺山/ 阿世潟峠 

2017-03-19 02:40:24 | 山行

2017年3月4日(土) 晴 (途中1511pから見た半月山) 
今回も狙っていた山のある会津方面の天気が冴えないので、ネタが一時的に尽きてしまった形になりました。前の週に社山南尾根を歩いている時、半月山の山腹の斜面に薄っすら白い線がなだらかに西に上っていくのが見えて、足尾の町から半月峠の古道歩きはまだやっていないなあ、と考えていました。数年前、足尾赤倉の郵便局脇から半月山に達しましたが、ヤシオツツジのきれいな頃でした。この時は、深沢の1166m付近から赤倉山の東尾根?に取り付き1314m経由で赤倉山頂に至り、尾根伝いに半月山頂に行ったのです。今回は尾根歩きは全く無視。雪はまだ多少あるでしょうが、郵便局脇から半月峠まで古道歩きをするのが、目的の旅です。
(赤倉の郵便局脇から林道に入って、荒れた山を見ながら進みます。)


コース:足尾(無料駐車場)8:27 --- 赤倉郵便局 --- 1504p --- 半月峠 --- 阿世潟峠 14:23 --- スタート地へ 16:30
8:27と遅いスタートになってしまった為、少し急ぎ歩きを試みますが、かえってそういう時は足がもたつくもの。それとも沢添いの道が、岩が多くて歩きづらかったか。沢ぞいの古道は意外に長く1時間以上も歩いています。この辺は前回も歩いていて、うっすら記憶のある地点。
(かつて、道があったことを忍ばせるようば雰囲気の地点。)


赤倉山山頂の東にあたる地点。深めの淵を巻いて、2度、3度と渡渉を繰り返して進みます。前回はその少し先あたりから斜面に取り付いて、赤倉山東尾根に乗って、尾根歩きをしたのです。今回はそれをやると、来た意味がなくなる。そのまま古道の踏跡を追って進みます。


時に石垣があったりします。かつては足尾と奥日光をつなぐ道として、ある程度の人が行き来したのでしょうか。途中、1ケ所大きく道が崩落していて、分断されているところがありますが、沢に降りて巻いて進めました。


沢の脇をずいぶん長い時間をかけて歩いて、ようやく沢とはお別れのようです。大量の木々が植林されている笹原を登ります。ここは笹ヤブが少々ありますが、踏跡はほどほどあって判別できます。(p ↓) その後、地形図でジグザグに東へ斜面を登っていく地点付近で、地図を見てあるいていないものだから、逆に西の斜面に取り付いてしまって、数分ロスります。踏跡もたどたどしいので、地形図を見て誤りに気づき、涸れた沢に降り、その後東方面の斜面に上ると、すぐに明瞭な古道の踏跡を発見。その道を追いかけます。数日前にワカンで歩いたような一人の足跡がありました。


ジグザグに斜面を登って、林道に上り立ちます。しばらくは林道歩き。かつて、自分が赤倉山から歩いてきた稜線が西隣に見えています。


林道をしばらく北上して緩やかに登っていきます。林道(舗道)が大きく東にS字で迂回していく地点に、西に斜面をトラバースする作業道風があったので、迷わず作業道(西進)を選択します。斜面トラバースのその西進の道は雪が少し深くて、舗道歩きをすればよかったと後悔します。途中、一か所崩落個所があって、(p ↓)ヒヤヒヤしながら用心して進みます。


斜面トラバースを10分か15分そのあと、笹原の尾根に乗れたので、その尾根を登っていきます。この尾根はかつて、一度赤倉山から進んできた稜線と同じ尾根と思われます。尾根の急登はわずかな時間で終わり、また林道の続きに出ます。(p ↓)


林道は平坦で何の変哲もないルートなんですが、展望は素晴らしい。ここの展望のすばらしさは前回も驚いたのですが、ここに来て思い出しました。
(左から庚申山から皇海山、大平山の展望 )


少し拡大して観てみますと、左から庚申山、鋸、オロ、皇海山なのが判ります。


目を少し北方(右)に向けますと、大平山(左)と社山のカップリングです。社山山頂に伸びる長い尾根は、前週登った南尾根です。ずいぶんと長大な尾根だと、改めて思います。


林道の終わりからは、雪の古道歩きに戻ります。このあたりからは、積雪も多少増えて踏みぬくとひざ下くらいまで埋まります。まだ、危険を感じないので、アイゼンも付けません。少し進むと1511pに達します。1511p(たぶん)からは、半月山の全貌が見えました。(p ↓) 半月山山頂直下の斜面に古道と思われる白い筋が西に向けて登っているのが見えています。


今回も白根山頂がなんとか見られました。ちょっと望遠で。。。


しばらく稜線を辿って、半月山スカイラインの一番奥のパーキング直下に着きます。そのまま尾根なりに進んだのが前回、今回は左斜面にそれて古道歩きを継続。半月山スカイラインは冬季閉鎖中なので、車や人は全くいないものと思われます。
古道は、ここから斜面トラバースの様相になり、一気に積雪が深くなります。とはいっても斜面の古道のヘリ(谷側)ぎりぎりを歩くと、草地が向きだしていたり、積雪の少ない場所を歩けるので、そういった箇所を狙ってツボ足アイゼン無しで歩きます。
(皇海山方面を展望しながら進行します。足元は結構ふかい谷)


半月山の全貌が見える前あたりから、日没コールドが気になりました。想定以上に時間がかかっているので、半月峠、阿世潟峠を回って林道に降りて日没に間に合うか、不安になります。どこかで引き返そうか、そんなことを考えながら進みます。
最初のうちは、トラバース状の古道はなだらかな感じでしたが、・・・


古道のある地点は、入ってみるとなるほどよく判ります。ただ次第に、傾斜のきつい斜面のトラバースも出てきて、雪道のヘリを歩くと案外危うい。道のセンターを歩くと結構埋まる状態になります。


斜面トラバース道に入って半月峠までは、直線距離にするとたいした距離ではないですが、尾根や谷の凸凹にそって曲折していくのと、歩きずらいので、ずいぶん歩いている気がしてきます。ようやく半月峠に近くなると、斜面の雪がカチカチ。斜面の傾斜もきつくて、ここで堪らずアイゼンを装着します。
(トラバース道の傾斜も厳しくなる。目の前すぐに半月峠。)


半月峠の案内板が見えた所で、(P ↓)雪が深くて古道を追えず、ほんの数メートル大ラッセルして尾根斜面に登って、大きく迂回して峠にようやく到着しました。この時はちょっと安堵。時刻はおそらく13時をかなり過ぎていたんだと思います。



半月峠で、少しエネルギー補給。ここから、来た道を変えるより、阿世潟峠まで行って前週歩いた古道を林道に降りて下山するほうが、早いと判断。進行継続です。
(半月峠からは足尾の絶景が見られました。)



半月峠を後に、中禅寺山に登ります。この登りが主な登りで、今日の最終登りになるはず。
(振り返ると自分の歩いてきたトラバース道のあたりが見えていました。)




中禅寺山への登り、急ですが区間はわずか。(p ↓) 雪はほどほど。ある場所には結構深い積雪。一人分のトレースあり、あまり最近人が歩いていないようでした。5時間越えの時間帯での登り局面は、さすがに少々きつい。


ここまで来て雪が深くて、進行に難渋するのも嫌だなー。引返すのももっと面倒だし。とか思っていましたが、そこまでの苦労はすることもなく中禅寺山ピークにたどり着いて一安心。これで、本日の登りは、このあとほとんど無いはずです。
(中禅寺山のピーク付近 )


時間押しているので、そのピークは軽く通過。中禅寺山ピークからの下りは中禅寺湖や周囲にある山々を見ながらの空中散歩のような雰囲気を味わえます。2週前や1週前観た風景と基本同じ光景なのですが、明らかに霞がかっていて春めいた雰囲気です。
(左、白根山から太郎山までの連なり)


先方に注意して間違い尾根に引き込まれないようにしながら、トレース薄いルートを阿世潟峠に降りていきます。
(途中白根山を拡大して撮ります。手前の尾根は大日崎の尾根 )


14:20頃、阿世潟峠に着きます。前週、仲間とここに着いたのはもっと前の時刻。それでも銅親水公園に着いたのは16:30頃だったので、あまりゆっくりできません。それでも、ここからは先週も歩いた知った道。さすがに安堵感漂います。阿世潟峠で少し休憩していると、お二人降りてきてお話ししまして、この方たちが本日の山中で見かけた唯一の登山者になりました。
(崩壊林道に降り立ちました。)


今回は一人なんで、お日様の傾きと競争で。少し急ぎめに足尾の町を目指します。


2週連続の久蔵川沿いの林道歩きは、かなり短く感じられましたが、結局無料駐車場には西日傾く16:30頃に到着します。今日は古道を通って半月峠まで歩いて、阿世潟峠から古道で降りてくるというだけの歩きでしたが、特に前者は多くの区間未踏だったので、歩いた感想は達成感ありです。ただ、途中林道にでるあたりから、どこが旧道であるか全く判別もできない状態になっている為、完全走破はしていないような気もします。途中歩いた林道は、直近でも車の走行可能な状態になっている立派なものでした。こんな山奥にこんな道を、何のために作ったのかと疑問に思います。もしかしてバブリーな経済がもっと続いたら、半月山スカイラインがあの林道まで伸びたのかもと思いますと、バブル経済も当然の破たんをしてくれてよかったのだと考えたりもしました。 ■■

(無料駐車場から観た、夕暮れの中倉山、大平山 )


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