日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

未知なる象山山頂は単純には行けない異次元空間だった。  足尾小滝/三角点1167.3m、象山

2013-04-18 21:31:35 | 山行

2013年4月14日 (晴)    みー猫さん、 ハイトスさん、 たそがれオヤジさん、と   (見出し写真: 未知の頂で周囲の地形を確認するゴールデン・コンビ(自分にとって))

4/14はたそがれファミリー( ダイゴ流にいえば、T.O.F )山行2日め、足尾小滝から象山を登ってきました。1167.3m三角点より手前の地点にあるくらいしか、予備知識が無い状態の私でしたが、想像以上に面白い歩きができました。 いろいろな意味で象山探訪は後味爽快でした。(以上、予告編より引用)

(朝出発前の銀山平キャンプ場、この日も晴天、絶好の登山日よりだ。)                  

(小滝の里の駐車場から歩き出す。前にたそがれさん、その向こうにあるのが象山の一角か? この時点ではまだよくわかっていない。(全員))


昨日の酒宴は楽しかった。もとより、同じ山の趣向を持っていて、日頃、ネット上でいろいろ交流もあり、実際に少しは同行登山もし始めている間柄なので、気が合わないわけはないのだが。 最初は屋外でバーベキュー、場所をバンガローに移しても宴は続いた。最後は一人テント泊のバイク青年の合流もあり・・・。 同じ山好きの他のお仲間のかた達の話題や、山の話題、ブログの話題、山と関係ないどうでもいいような話題など、次々とでてきて、話が尽きない。今度の合同山行の話題では、話が大いに盛り上がり、何か50前後のおっさん達がまるで小学生がミニ探検かいたずらの相談でもするかのような、ヤンチャな気配をみなさん漂わせていた。「テントもってって〇〇峠で泊まればいいんでしょう。そっから、せいぜいヤブを3時間こけばいいんでしょ。本当にやっちゃうー?」とか。かなり大きな声で
盛り上がったりもしていた。実行の際はヌケガケしないようにといわれていたかたがお一人おりました。

小滝の里からは車道を少し北上し、コンクリの階段状を登り、夜半沢に取りつく。夜半沢沿いは古い銅山時代の住居跡だろうか、石積みの土台があちこち山の斜面に点在していた。古い遺構・・・


古い遺構・・・が出てこなくなると、歩く地点が沢っぽくなってくる。沢の右岸、左岸を時に選んで進んでいく。明確な踏跡はないが、古いルートがあったのか、あるいは獣によるものなのか、なんとなくの道があるような感じ。(写真下) たそがれさん、みー猫さんが続く。 たそがれさんは昨日だいぶ飲まれたので、朝は二日酔い、その割にはしっかり歩いている。しかし、昨日のような圧倒的な好調さは影をひそめた。 早く寝てしまうほど酔いつぶれていたのに、たそがれさんの酔い方は、上品で、人に迷惑をかけるようなところが全くないのは凄いですね・・・普通正体を失うとそうはうまくいかないけれども。



夜半沢左岸の上部に出てきた岩の斜面。


たそがれさんの作戦では、夜半沢を行けるとこまでつめて(西に進むルート)、1167.3m三角点に到達。そこで三角点を見て、そこから東方向に連なる尾根を辿り、象山に行くという、およそ細長い円をえがくようなルート計画。
(ここは、沢の左岸をつめる地点。薄っすら踏跡状がある。)


これは、みー猫さん提供の写真。ななころびは気がつかなかった。同じ所を歩いていて、あのかた、目の付け所がちがうと言うか、ただ歩きが早いだけではないのが凄いと思う。目がいいのかな、サルなんかを見つけるのも早いし、下の花意外にも、自分の写真に収めなかった花をきっちり写真に収めていた。ちょっと、反省・・


この沢沿い歩き、今日は自分が先導させてもらっていたが、自分が登る斜面を選択ミス。(というか、一番最短で三角点をめざす為に)全員いっせいにトラバース。昨日からトラバースが多いなー。(写真下)


スタートから1時間30分で三角点1167.3mに到着。4等でした。周囲は広葉樹林帯、葉が落ちているので眺望はある笹原。


山頂から、北方面に庚申山、塔ノ峰)


山頂からこれからめざす象山方面の尾根(東方向)


1167.3mの東尾根を進むハイトスさん。(写真下)この尾根最初は、緩やかな開放的な笹と樹林の尾根。歩いていて気持ちよい、障害ヤブは無し。


障害ヤブは無し・・・だけど、この尾根問題がひとつだけあった。最初からわかっていたことだけど、このまま東進し続けられるはずのない尾根なのだ。地形図をみると、崖や絶壁の存在を意味するゲジゲジマークが尾根末端にかけていたるところに記されている。この先、崖で降りられなく運命の尾根。(写真下)はメンバー全員が当初、この辺が象山ピークかな、と思った小ピーク。



なぜ、この辺が象山ピークかな、と思ったのかというと・・・
その小ピークの先に少し行くと、もっとしたに、こんなもの(写真下)が見えた為だ。コレは、いつかネットで見た”月の砂漠”と形容されていた別ピークではないか。月の砂漠”の少し上部が象山という認識があったので、さっきの小ピークが象山、という結論になった。
月の砂漠”には行ってみたかった、しかし、ちょっと断念せざるおえない事情が発生。



断念せざるおえない事情とは・・・ 数十歩さっきの小ピークの先まで偵察したななころびの見たのは、こんな今にも崩壊しそうなヤセ岩尾根。左側はコンクリ材料の砂状のあり地獄滑り台。右側は激しく切れていて、自分ではとても歩く気にはなれないナイフだった。(写真下) うまく表現できてないのが残念、自分の見た時の怖さ、伝わるかなー。


もろいナイフ尾根で恐れをなしたななころび”の報告を受けたたそがれ隊はここでこの尾根、東進の撤退を決定。今来た尾根の南側をまいて下山できそうな沢の探索に入る。(写真下)が撤退後の尾根南斜面、トラバース時の様子。


トラバース数分で下るのに耐ええるような沢を発見、下りだすも物凄い急降下。昨日の中禅寺南西の間違い尾根急降下よりも危うい下りを強いられる。たそがれさんは自分の先を降りて行き、自分も続く。(間を置かないと”落”で危ない。) 
後からハイトスさんとみー猫さんがロープを使って降りてくる。(写真下) 自分もロープワークを練習しないといけない。なぜなら、自分はいつ何が起きるかわからないヤブ尾根歩き人”だからだ。 昨日酒飲み中にハイトスさん、みー猫さんににロープのことをいろいろ聞いておいたので、今後に生かそう。



沢の超急降下を10分ほど、先導のたそがれさんが左に(東に)折れる、さっきやったトラバースの下部で逆方向にまた戻るトラバースをする形。さっきから話題になっていた、鉱山の索道を探索する為のトラバース。これも結構歩きづらい斜面の横伝い歩きを約数分くらいか。ひょっと、明瞭な尾根型に乗ることができた、 これはちょっと意外。どうやらさっき東進を断念した尾根の撤退場所より東に出たようだ。結果としてあのもろいナイフ尾根を巻いたことになるようだ。
尾根型にのるとまもなく、岩のヤセ尾根になってきた、(写真下)先に行って様子を見ていたたそがれさんが「どうも、落ち着かない。」とか言って戻ってきた。ちょっと見たい気持ちがあったのですれ違って自分がその先に行って見るとヤセはヤセだけれど、普通にいけてしまう尾根道、危うい所や急降下も全くない。1,2分進んだろうか目の前に茶色の平坦地状が広がっているのが確認できた。



やったー。さっきは諦めた”月の砂漠”じゃないの。 ちょっと嬉しい、下地面が崩れた岩の成れの果てのような茶色のふかふかの砂礫状、歩くと靴跡がくっきりできる。来る人も長い間いないのか、自分の靴跡以外全く何もない、鹿の足跡が数歩あっただけ。(写真下)見えてきた”砂漠”と向こうに谷を隔て備前楯山。


”月の砂漠”の先端部、ケルンがあった。。その先に備前楯山・・・



備前楯山)


砂漠”には自分ひとり来てしまっている。まだそんなに時間も経っていないが、皆停滞していたら待っているだろう。と皆さんを呼びに行くとたそがれさんがなんと尾根センターからではなく北側を少し巻いて砂漠”に到達してきた、ついでハイトスさん。みー猫さんは、ななころびの為にヤセ尾根の向こうに待機していてくれているらしい。ヤセを少し戻り大きな声でみー猫さんに合図を送り進んでもらう。 すぐ下は。、いつも車で走っている銀山平へ続く県道、そこからぴょこんと屹立している岩峰の上にあたるのだろう、すぐ直下に県道や谷が見下ろせる。この先東方向はとても進めない絶壁があることをを予感させる。全員揃って、四方の眺望を楽しむ。なかなかの絶景、爽快感あふれる。
(みー猫さん、ご到着。後ろはさっき歩いた尾根。)




”月の砂漠”からみた南方面の谷・・・




月の砂漠”を後にし、下山にとりかかる。索道探索の欲求は、砂漠”に行きつけたこともあり、皆さんの頭の中から、だいぶ減りだしたようだ。先ほどのトラバースした斜面の同じような場所を、木につかまりながら進んでいくこと数分、さっき降下していた沢より少し東のポイントからおりやすそうな傾斜を見つけそこから下っていく。(写真下) 斜面を下るたそがれさん。



なお、下っていくと下方に大きな貯水槽の残骸のようなものがあった。 象山に直登する場合の目印になるかも。



大きな貯水槽・・・人工物の遺構などを見ながら降下し、さほど下ったという意識も無いうちに往路で歩いた矢半沢沿いのルートに合流する。住居跡の石積みの土台がここかしこにある地点を横切る。(写真下)


県道に出る。12時に近いのに依然として快晴。


旧小滝橋だったかな?


下山行動が完了し、県道に合流するが、時間がまだ早いので、近辺を散策してみた。
火薬庫跡、ここは先ほどまでいた月の砂漠”のピークの真下。この上なのだなと、ここに来て感慨にふける。火薬庫跡前を散策するハイトスさん。(写真下)


コース: 
小滝の里P 8:08 三角点1167.3m 9:40  象山 11:23  スタート地点へ 12:14

さて、2日めのチーム:TOF のどたばた歩きも終わった。想像三角点1167.3mへのアプローチは簡単だったが、月の砂漠”には簡単に行けず、索道捜索の副産物で月の砂漠”に着くというラッキーにも恵まれた。(その分、索道入口は発見できず。)あと、象山はついにここだというポイントを確認できず・・・。
結果だけ記すとそんなところになるが、実際今日の歩き、僻地の三角点と地形図上無名峰を辿り歩く地味コースにしては、起伏にとんだおもしろルートで自分は大いに楽しめた。昨日かなり歩いてこれ以上は今日は歩きたくもなかったしね。1167.3mからは、巣神山に行こうかという声もあがったと思うが、そちらに行かず、月の砂漠”方面に向って正解だったのでは、と思う。最後に2日間、いっしょに歩いてくれた素晴らしい仲間の皆さんに感謝の意を表したいと思います。
月の砂漠”はあの岩峰の少し上にあるのではないだろうか。(写真下)


自宅に帰って、2日間の山の余韻に浸っていると、たそがれさんからメールが入る。師はさっそく帰宅後、ネットで月の砂漠”と象山の位置関係を調べようとしたらしい。その結果を教えてくれたメールが告げていたのは・・・
月の砂漠”  =  象山山頂       という事実であった。

実はその参考になったネット記事、自分も見たことがあって、その中の写真や文で月の砂漠”なる名称を知ったのである。ところが、細部まできちんと読んでいなかったため、月の砂漠” = 象山山頂   の事実は読み取っていなかったことになる。しかし、あの月の砂漠”が象山であったというのは、かえって気分がスッキリするものであった。なんでも、銅山が全盛で足尾に1万の人口があったころ、象山は地元の人に登られていた山のようでもある。 今回はそこに行き着くまで多少の困難を伴ったため、かえって思い入れのある山としてななころびの心に残りそうである。   ■■



以下の写真(3枚)は、インスピレーションを高めて何か(あるいは、どこの神社か)を考えながら見てください。わざと、何か(どこか)は表記しません。


寄り道神社で見かけた 1


寄り道神社で見かけた 2 これは、どこのかバレバレですね。




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6 コメント

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象山 (たそがれオヤジ)
2013-04-18 22:37:57
こんばんは。
いゃー、ななさんの観察力と記憶力に脱帽です。
私の上品な酔い方というのは、これだけは記憶違いかと思いますが。
みー猫さんの花の写真、ばらばらで下ったのに、偶然にも私も撮っておりました。私のpicasa写真も見直してみてくださいな。
ニセの象山、皆さんよりも、かなり遅く着いてしまったのですが、「ここが象山」と判断した基準は、そこから月の砂漠が見えたからだったのですか。そういった会話が終わった後に到着していたので、何でここが象山になっちまうのかなと思っていた次第です。そうですか、その下、とんでもない急峻なナイフブリッジでしたか。覗いてみたかったです。
さて、この小滝の里、いずれは、遺物の世界になるのでしょうが、沢を挟んだ南夜半沢や、県道の向こう側にも、いろいろとあるらしいですよ。歩いたことはありませんが、いずれは探索するのもおもしろいかなとは思っております。

○○峠からの3時間コース、抜け駆けはしないようにいたしますが、いつまで経っても、話だけで終わっちゃうと、十二社ノ峰と同じになっちゃうかもですね。
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うれしいお気遣い (みー猫)
2013-04-19 01:26:03
こんばんわ。
あの急斜面、石を落とすのが怖くてとてもロープ無しでは降りれませんでしたよ。あちこちで待っていただいてありがとうございました。ななころびさんは、細やかにお気を使われていらっしゃる方なんだなあと今回思いました。自分のお体にも。・・・単独でもすごいですけど実にパーティ向きじゃないかと今回実感した次第です。花の写真・・・実は休憩してたりして(笑)
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たそがれオヤジさん (ななころび)
2013-04-19 14:57:07
こんにちは。象山周辺もオモシロかったです、ありがとうございました。
三角点1167.3mからは逆方向に尾根伝いに歩いて巣神山の先くらいまで行く周回をすると、つつじの頃や晩秋はいいかもしれないと思いました。
たそがれさんの酔いかたナイスですよ。泥酔して寝ている状態で、ちょっと体の移動の為に起こされて、ああもソフトに対応できる人は稀ですよ、覚えてはいないと思いますが。
小滝の里の周辺は、まだまだあるのですか。いろいろ観てみたいですね。
ニセ象山の先のナイフはちょっと恐かったですね、”高原山探訪”のかたもあそこで撤退したようです。

○○峠テント泊をやるのは、自分的には結構覚悟がいりそうです。でもやってみたい、複雑な気持ちです。それまでに体を鍛えておきます。
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みー猫さん (ななころび)
2013-04-19 20:51:49
こんばんわ。
パーティの個々の間隔があいた時は中間の者が調整をとるという当然のことをしただけです。
パーティ向きかなあ? 本当は集団行動はあまり得意ではないのです、自分勝手な人間ですので。このパーティで楽しく歩けるのは、すばらしいお仲間に恵まれたからでしょう。
自分もこれから、花の写真にも力を入れないといけませんね。まずは久しぶりに図鑑でも見て興味を高めないと・・・。
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団体行動 (ハイトス)
2013-04-20 23:06:09
普段単独行の人は自分勝手に自由気ままに歩いている方々ですので団体行動は基本苦手です。(笑)
そういった意味では今回各自のわがままな行動をつぶさにご覧になられたのでは無いかと。
かくいう自分も結構自分勝手なので時々団体行動なのだと云うことを失念してしまうかのごとくであります。
それでも今回は初の4人での行動でしたが、まー楽しく歩けましたので良い方なのでは無いかと。

そうだったのですか、月の沙漠への尾根はそのまま行けちゃったんですか・・・自分はたぶんたそがれさんと同じ判断をしたんだろうなぁ。
ななさん結構岩場が得意なのですね。
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ハイトスさん (ななころび)
2013-04-21 07:47:32
こんにちわ。
今回の見出し写真、お二人が仲良く月の砂漠”ピークで地形図を確認する写真、私の超お気に入りです。
勝手気ままな一人歩き派だった私も、最近いい仲間のおかげで、徐々に複数人歩きも増えてきました。新たな山仲間ができたりするのも、また微妙に緊張するけどその分、仲良くなってしまえばより面白くもあるのでしょうかね。また、自由勝手人の合同歩き、お誘いください。
砂漠”直前にあったあの細い尾根ですが、危うい所もなしにあっという間に砂漠”にでました。
今日は、朝時点でまだ強い雨、今週末の山は私ダメですね、多分。
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