いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

ベートーベン・ウィルス ♯10

2012年03月27日 | ベートーベン・ウィルス
「お前を嫌いになったんだと。私が好きだそうだ」
カン・マエの言葉にけげんな顔をするゴヌ。
「なん何ですか?」
わけがわからないでいるゴヌに、電話がかかってきた。
この期に及んで合唱団がボイコットだという。
そして楽器の搬入口では、被災した住民と団員の小競り合いが起こっていた。

楽器を壊そうとする被災者を刺激し、わざと殴られるように仕向けたカン・マエ。
「訴えたほうがいいか?示談にしようじゃないか」
身を切って事を収めるが、次々に起こる問題に苛立ちを隠せない。
控え室のベートーベンの肖像画に怒りをぶつけていると、背後で物音が。
そこには、カン・マエ用のサンドイッチを手にした被災者の子供が立っていた。

彼は、先程の争いでカン・マエを殴った被災者代表の息子だった。
盗みを働いたことを父に咎められ、涙する少年。
カン・マエは、代表に、演奏を聴いてくれるよう、頼む。
反発する代表に、カン・マエは自分の貧しかった少年時代の話をするのだった。

オーボエ奏者ガビョンは、認知症の症状が出ており、一時記憶の後退が起こっていた。
合唱団にはいまだ連絡が取れない。
カン・マエの指示を無視して、合唱団のいる会場まで車を走らせるゴヌ。
水に濡れ、ガムテープで補修したコントラバス。
市長のライバルが買い占めたせいで、ほとんど空席の演奏会場。
殴られて倒れた拍子に指揮する右腕を痛めたカン・マエ。
嵐の中で、公演前に問題は山積みだ。
しかも市長のライバルが、音楽雑誌の編集長を伴って会場に現われた。
以前、カン・マエに対して厳しい批評記事を書いた本人だ。
1500人収容の会場に100人に満たない観客。
しかし、いやおうなく、演奏会は始まった。

合唱団の団長に会うことができたゴヌ。
「リハでテストをして、合唱団を使うかどうか決めようなんて、誤解です」
しかし、団長の気持ちは戻らない。
ゴヌは、土下座して団長に訴えた。
「今まですべてを適当にやってきた自分を、カン・マエは信じてくれたのです。
自分のせいで、その先生を窮地に陥れてしまった……。
お願いします、一度だけ、助けてください」
団長はゴヌの気持ちを理解してくれたが、すでに解散した合唱団は
公演には間に合いそうもなかった。

合唱団が来ないまま、とうとう第2部が始まろうとしていた。
控え室で、団員を鼓舞するカン・マエ。
団員たちも彼に応え、必死の演奏が始まった。

避難所として解放されたロビーで、
会場の様子をモニターしていた被災者代表は、カン・ゴヌの話を思い返していた。
貧しくかったが、頭がよく、プライドだけは高かった少年時代。
そのプライドが邪魔をしていじめられ、病身の母と死ぬことしか
考えられなかった暗い生活。
そこで見た、一瞬の幻。自分がオケを指揮している姿……。
「救いであり、慰めであり、力でした。
そして私は、指揮者になりました」

舞台に、合唱団が入ってきた。
自らも歓喜の歌を歌いながら、指揮棒を振るカン・マエ。
会場で演奏を聴く被災した父と息子。
会場では、団員の家族が彼らの演奏を見守る。
そして終曲。
観客から贈られる惜しみない拍手の嵐。

控え室に戻ったカン・マエは、椅子に沈み込むと、そのまま意識を失った。

病室で意識を取り戻したカン・マエは、合唱団の団長と言葉をかわす。
「私はやるつもりはなかったんですよ。でも……
いいお弟子さんをお持ちですね」
以前カン・マエに批判的な記事を書いた編集長が、新聞記事で公演をべた褒め。
いつもの練習施設でお祝いのパーティーが開かれ、
ゴヌとルミも仲良く記事を読んでいる。

指揮者室で休んでいたカン・マエに一本の電話が。
件の編集長から、市長のライバル議員がルミを訴える準備をしていると聞かされる。
市響創立演奏会が成功理に終わったため、
例の3億ウォン詐欺事件が蒸し返され、追及されそうなのだ。

CDを選びに部屋を訪れたルミに、カン・マエは冷たく告げる。
「退団してほしい」
自分の恋心を変える努力をしていますと言うルミに、
カン・マエの言葉は容赦がない。
「私が不快なんだ!
私を、弟子の恋人を横取りする恥知らずにしたいのか。
お前がいること自体が汚らわしい。出て行け」

呆然と部屋を出て、涙を流すルミ。
そこへヨンギが嘘をついてルミを呼びに来た。
パーティーの会場で、団員たちに盛り上げてもらい、
100日記念の花を受け取ってもらおうとするゴヌ。
みんなはふたりをはやしたて、ひやかすのだが、
尋常ではないルミの泣きっぷりを見てとまどってしまう。

彼女の後を追い、現われたカン・マエを見て何かを感じ取るゴヌ。
ルミのところへ行こうとしたゴヌを
「あとにしろ」と、カン・マエが引き止めた。

(つづく)

ブラービー!って言って
終わりたかったのにぃぃぃぃぃぃ!


ああー、そうですか、ルミがそういう目にあいますか。
なるべく先生を避けて避けて暮らしてきたルミに、
「汚らわしい」とまで言いますか。
いくらなんでもそりゃないでしょう、先生。

もっともかわいそうなのはゴヌなんですけどね……。
別にゴヌが思い込みの激しい子だってわけじゃないのよ。
ルミにもいちいち確かめてたでしょ?
「俺たちつきあってるんじゃないの?」とか、
「これってデートじゃないの?」とか。
違うなら、そう言っといてくれないとさ、ルミや。

それにしてもね、あの大泣きは何なんだい?
先生にひどいこと言われたのと、オケをやめなきゃいけないのと、
いくらかはゴヌに対する申し訳なさがあったんだろうね?
あなたの不幸を喜びたいわけじゃないけど、
手放しでかわいそうに~とは言えないね。
ゴヌがあんまりかわいそうだもの。



一体ゴヌに何が足りないの~?!

マエストロに比べちたら未熟なとこがあるのはわかっているけどさ。
ルミがカン・マエに惹かれていくのも充分わかるんだけどさ。
ゴヌや~(泣)

そして先生~。ほんっとに社会性の無い大人ですね。
もっと波風を立てずに~。何か言い方ってものが~。
他の人には一切言わない人格攻撃を彼女だけに繰り出して~。
せめて耳のことをネタにクビを言い渡すくらいの小技がきかせられないですか。
ルミ告訴の話で慌てましたね~。
慌てすぎてサイアクのセリフ選んじゃいましたね~。

先生が貧しかったらしいのは知ってましたけど、
あんなに厳しい環境の少年時代を過ごしたとは知りませんでした。
貧しくても賢い、プライドだけを培って自分を守ろうとした少年。
しかしそのプライドのせいで、被災してすべてを失っても、
誰にも頼ることができなかった。
災害のせいでお母さん、全身麻痺になったんでしょうか。
お父さんどんな人だったのかしら。
人は頼り頼られ生きてゆくものだってことを
子どもに教えてあげられなかった、自分もプライドの高いろくでなしなんでしょうね。

先生がすごいのは、
決して人に頼れなかったせいで、結局は自分で自分を助けることにしたところです。
少年時代のあなたを救ったのは、大人になったあなたの自身だったわけでしょ。
あり得ないといえばあり得ないことですけれど、ドラマチックでいいですよね。
あなたの人生は、それこそどん底を見た日に、至高の情景を見て、
変わっていくことになるんですね。

第九はとてもよかったです。
先生が、歌いながら指揮しているのがすごくかっこよかったです。
最後は観客席にも人が増えてて、被災者の人も聴きに来たんだなって思いました。

ゴヌが合唱団の団長さんに頭を下げるとこで泣きました。
彼が、カン・マエのことをすごく好きなのがわかったよ。
自分を信じて、評価してくれた人だものね。
でもさ、こんな天才を音楽から遠ざけた原因もカン・マエなんだよ?
もし再会しなかったらゴヌはこれまでどおり警察官だったわけで……。
これくらいしてもらってもバチは当たりませんよ!
それどころか、ゴヌがこんなに先生に尽くしてるのが不当なくらいですよ!

でも第九はとってもよかったです。

「愛や感情はホルモンの影響だ。コントロールできる」って
カン・マエ、わりと本気でいってるよね。
そうやって生きてきたのかな……。
一流の指揮者ってそういう風でもなれるの?
芸術家って感情がすごく大事なような気がするんだけど、
彼はすべての感情を音楽に注ぎ込むことで表現して、発散しているのかしら?
う~ん……。
ベートーベンには感情をぶつけてましたけどね。

カン・マエの生い立ちについては、ここまで悲惨か!という驚きもあるけど、
かといってやりすぎだ!という気もしない。
わりとふんふん、と納得して見てました。
楽器が雨に濡れて壊れたってとこは、え~?と思いました。
だってトラックの中なのに。
あ!湿気か!長時間の湿気!

ゴヌが先生に楽譜で叩かれたとこは、
「何で怒られたか実はよくわかりません」
と思って見てました。
指揮デビューすっぽかして先生の言うこと聞かずに勝手なことしたから?
合唱団が帰ったことなんでわかってて言わなかったの?先生。

でも何度もいいますが、第九はよかったです。
わかりやすいカタルシスって言われるかもしれないけど、
私は単純な人間だから、ベタな感動に身をまかせたいのだ!



腕が痛くて、ゴヌがいなくて、合唱団も来てなくて、
観客もまばらで、被災者には拒否されて、
それでも、真っ暗な中にひとり歩き出すカン・マエの後姿がかっこよかった。

大人だ……。


ここから余談ですが、映画「ミッション」観ました!
カン・マエがお家で観てた映像もたぶん「ミッション」ですよね?
すごいぼかしでみえなかったですけど。

先生の言うとおり、ジャングル奥地で暮らす原住民のところへ
宣教師がやっていくのですが、
ジャングルの中、まわりをぐるりと取り囲まれた彼が取り出すのはオーボエ。
音楽を聴いた原住民らは、彼を受け入れることにしたのです。

先生はああ言ってたけど、宣教師の人だって最初は緊張して
途切れ途切れの演奏だったよ?

全編通して音楽!とか、原住民と音楽で心通わせる宣教師の話!では無いので、
なんかミュージカルちっくな映画を想像している方にはお薦めできません。
終盤は本当に悲しく、むごい現実とは裏腹に
原住民の美しい賛美歌が流れます。
でも現実の前に音楽は無力なのよ……。

キリスト教文化圏外にいる東洋人としては、
いろいろと思うところある映画でした。
ロバート・デ・ニーロも良かったけど、神父を演じた
ジェレミー・アイアンズがすごくいいの!
先生がぼへーと観ていた気分がわかるわ~。



カンのいいゴヌ。
次回はきっとつらいことになるのね……。






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