いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

ベートーベン・ウィルス ♯14

2012年04月20日 | ベートーベン・ウィルス
師匠にタクトを突き返してしまったゴヌ。
野外音楽堂での公演は、果たして成功するのか?

フェスティバル委員長と音楽誌の編集長、カン・マエもそっと会場に足を運ぶ。
拍手の中迎えられたゴヌは、マエストロの来場を意識しながら、
「チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番」についてのエピソードを紹介する。
友人に曲をけなされたチャイコフスキーは、
しかし、自分を信じ、思うままに初演を行った。
自身の感じるままに、表現したいと思う、と述べるゴヌ。

とうとう演奏が始まった。
素晴らしい演奏に、委員長と編集長は感嘆の声をあげる。
「未熟だが、将来有望だ」
テントの幕ひとつ隔てた場所で、カン・マエ本人が聞いているとは知らず、
ゴヌを賞賛し、「感情面ではカン・ゴヌより上だ」と評価するふたり。

ところが突然、音楽堂の脇で工事が始まった。
響き渡る騒音に、戸惑うオケのメンバー。
「工事は市長の命令ですよ」という作業員たちの言葉に、
慌てて市長に電話するカン・ゴヌ。
観客は次々に席を立ち、その場を離れてしまう。
市長の言葉を聞きながら、「工事をやめさせてください!」というカン・マエだが、
指揮者ゴヌは事態をどうすることもできず、
公演はさんざんな結果に終わってしまう。

彼らが市響に復帰する道は断たれた。
「もちろん、工事は私の責任ですが、事態を静観なさった先生も
暗黙の了解をなさっていたのでは?」
「この事実を新聞の文化面コラムに書くことにしましょうか」
「あなただって同意したも同じでしょう?」
動揺する市長だが、「では市長と指揮者が公演を妨害したと書きます」
カン・マエの表情は硬い。

そのころ、マウスフィル(研究団員メンバー中心。ゴヌのオケ)は、
皆で反省会を開こうとしていた。
帰ろうとしたヒョックォンを引きとめ、ヨンギが指揮台に立った。
「演奏はすごくよかった。すべて工事のせいだよ」
うなずくメンバーたち。
「カン・マエならどうしてた?」
ヒョックォンの一言に、メンバーはどきりとする。
「彼なら、工事を中断させていたはずだ。
ゴヌはよくやった。指揮?カン・マエよりいいぐらいだ。
だが、どうしても、経験が足りないんだ」

扉の向こうで団員たちの話を聞いているゴヌ。
そこへかかってきた電話は、彼らへの投資話だった。
団員たちに、事情を説明するゴヌ。
編集長の推薦で、あやしい会社というわけでもない。
社長が音楽をやっていたので、スポンサーになりたいらしい。
それを市民の日の演奏を聴いて決めたいと先方は言っている。

「結局テストするんだな」
「テストの何が悪いの?合格すればいいのよ」
しかし、自信なく、うつむいてしまうゴヌ。
「どうするの?指揮者を変える?」
ルミの発言に、ヒョックォンが乗った。
「そうだな、俺が指揮するよ」
「え?」と騒がしくなる練習場。
「ほら、どちらがいいか、手をあげて」
そして全員が、ゴヌに手をあげる。
「みんなお前がいいんだとさ。バカだよな」
泣き笑いしながら、ゴヌもがんばることを決めた。

カン・マエは、ゴヌたちオケの救済策として、
チェンバーオーケストラを提案。
しかし、企業の後援を受けるチャンスをものにしようと
がんばるゴヌに、マエストロはいらだちを隠せない。
「私の援助は受けられないか?ルミのことが問題なのか?」
そうではない、と否定するゴヌに、自分の何が問題なのか言え、と
問い詰めるカン・マエ。
とうとうゴヌは、思っていたことを言ってしまう。
「息苦しくて、窮屈で、かごの鳥みたいだった」
カン・マエはうなずき、静かに告げる。
「行け。開放してやる」
スタイルの違うふたりが、師匠と弟子でいることに無理があったのだ。
突然、突き放されたゴヌは、どうしていいかわからない。
「正直に言ったって、言わなくたって、先生は怒るんじゃないか!」

ルミは、母校の作曲科に聴講生として参加していた。
耳が聴こえなくなっても、音楽と離れなくていいようにと、考えた末だ。
オーディション用の曲目を練習中、編曲に不満があるゴヌに手助けするルミ。
「うん、いいじゃないか」
にっこりするゴヌと、ピースサインのルミ。

ルミを呼び出そうとしたものの、忙しいから後で、と断られたカン・マエ。
家に帰ると、ヒョックォンの身重の妻が娘を連れて訪ねてきていた。
「夫のことが心配で伺ったのですが……」
彼女の要領を得ない話しぶりと、幼子の行動に困惑するカン・マエ。
すると突然、彼女が産気づいてしまう。

生活のために演歌歌手のバックで演奏する契約をしてきたヒョックォン。
いらついて、キャバレー勤めのヨンギとケンカになってしまう。
揉めに揉めているさなか、妻の出産を伝える電話がかかり……。

産院にかけつけるヒョックォン。
妻は無事出産を終え、休んでいた。
そこへ演奏しながらお祝いを持ってかけつける団員たち。
かわいらしい赤ちゃんを見て、みんなで盛り上がるうち、
先程のぎすぎすした空気は消えてなくなってしまった。
娘を預かって付き添っていたカン・マエは、ヒョックォンに
市響復帰の朗報を告げる。なにしろ彼は不当解雇だったから。
彼の復職とひきかえに、チェンバーオケ案は廃案になった。
後は、なんとかスポンサーを勝ち取るしかない。

遅れてやってきたルミを見つけ、背後から声をかけるカン・マエ。
しかし、ルミは聴こえない様子。
肩をつかまれたルミは補聴器をつけようとする。
「いつからだ」と動揺を隠せないカン・マエ。

カン・マエは作曲の勉強をしているというルミに、何かと意地悪を言う。
「もうその手は通用しませんよ」
にこりとする、ルミ。
「もう一度だけでも、先生の指揮で演奏したいんです。
私にだって、できることがあるはず。まだ、見つけられないだけです。
そうでしょう?」
自分の運命を受け入れ、それでも努力を続けるルミは、
もう一度にっこりと笑った。

認知症の症状が進んでいるようで、ぼんやりしているガビョン。
イドゥンの言葉も、もう届かない。

ルミの耳を心配し、電話をしているカン・マエに、
これからオーディションを受けに行くゴヌが扉越しに声をかけた。
「先生、もう怒らないでください。俺が生意気でした。
朝食を作っておいたから、食べてくださいね」

みんなで乗り込んだオーディション会場。
部屋から出てくる人たちは、みなぐったりして意気消沈。
「あの人ひどいわ……」と泣いている女の子もいる。
近所の人に、夫が知らない女性と会っていたと聞かされたスヨンは、
なんだか動揺している。
不穏な予感をはらみつつ、ファイティン!と舞台に上がった面々は、
審査員席に意外な顔を見つけ、はっとする。
「マウスフィル?ではどうぞ」
鼻で笑った審査員は、カン・マエ、その人だった。

(つづく)

あーあーあー、キム係長が言ってた2つの提案のうち、
ひとつはチェンバーオケ、そしてもうひとつがこの審査員の件だったのね!
二つ目の提案ってなんだろう?と思っていたので、最後にわかって驚きました。
なんか会場から出てくる娘が泣いてたのを見て、ヤな予感はしてたんですけど。
カン・マエが私情を挟まずに審査するのは当然として、
これで合格して市長は納得するでしょうかねー。

しかしまぁ、なんともすっきりしない14話。
あの野外音楽堂の演奏があそこでぶっちぎれておしまい!というのは酷ですよ。
わぁぁぁ~すてき~ってなってたのに、ぐだぐだで終わってしまって。
ピアノ本当にステキだったのにな。
このモヤモヤ感、次回すっきり解消といくのか?
モヤモヤしたまま、最終回まで引っ張って、
ババーン!と素晴らしい演奏を聴かせてくれて終わるのか?
気になるところですね。

彼らの演奏用衣装、なかなかかっこよかったですよね?
白シャツ、黒ネクタイ、下はジーパン、ネクタイはラフに締めたりして、
フォーマルとカジュアルが一緒になった感じ。
マウスフィルの若々しさや、野外音楽堂のロケーションの爽やかさを
表しているようで、バッチリ!と感心しました。

先生とゴヌ、相変わらずのすれ違いですね。
なんとゆーか、あんたたちは恋人同士か!といいたくなるような
濃ゆーい、濃ゆーい時間を過ごしてですね、
痴話げんかか!と言いたくなるような言い争いをしてですね、
もうどーしたもんでしょうか。

先生がやっぱりちょっとおかしいんですよね。
「元研究団員のこと、気に入らないのでは?」とキム係長に指摘され、
「あたり前でしょう!弟子に追い越されそうなんですから!」みたいな勢いで本音を口にする先生は、
いつものとおり、善人ぶらない潔い人なんですが……。



可愛い弟子のゴヌが、自分から離れていこうとするのが、
ものすごく悲しくてつらいのかしら?
だから「ルミのせいか?」なんて見当違いの事を言ったりするの?
どうしても自分のせいだとは思いたくないんですかね。

ゴヌは一生懸命、そうじゃない、ルミのことじゃなくて、
スタイルが違うのに先生が押し付けるから苦しいんだと訴える。
自分をもっと認めて欲しいんですね。
そして先生が大好きだから、側に居て師事したい、
離れるなんて考えられない、先生、なぜわかってもらえないんですか?って
思っているんですね。

カン・マエだって、わかっていたはずなのに。
「ゴヌは天才で、指導したって彼をダメにしてしまいそうだし、
自分程度にしか伸ばしてやれそうにない」って言ってたじゃないですか。
だから最初はミョンファンに託そうとしていたのに。
いざゴヌが自分を超えそうだと実感すると、
指導者としての喜びより、プレイヤーとしての血が沸き立ってしまうんですねー。
「後進の指導に励みます」ってほど年寄りじゃねぇ、
まだまだケツの青い小僧っこには負けねぇぜ!って感じですかね。
なんか口調は全然ちがうと思いますが。

一方ゴヌは、若き天才で伸びしろ抜群なのですが、
経験の不足でまだまだ独り立ちには不安満載。
彼としては、かごの扉は開けておいて欲しいわけですよ。
で、出たり入ったりしたいわけ。

でもあの会話はなに~?
「息苦しくて、かごの鳥みたいだった」
「羽を切りたかった」
「行け、解放してやる」って、訳のせいもあるでしょうけど、
独占欲の強い恋人と彼女の会話みたいじゃんか……。
ああ、観ているこっちが息苦しい。
すごく好きなシーンです。

そのころルミはというと、
補聴器を作り、大学で作曲の勉強をし、
カン・マエ、カン・マエ言わず、自分の道を静かに歩んでいるわけですよ。
先生が知らん振りしてる間に、
彼女はすっかり自立していい女に変身していってるみたいです。
先生にまとわりついてた頃が嘘のよう。
こういうルミなら好きになれそうだなぁ。



編曲の手助けをしたり、ゴヌとの関係も自然になりましたね。
かのベートーベンも、耳が聴こえなくなってからは
口で指揮棒をくわえ、ピアノに押し付けて、震動で音を感じていたとか。
骨伝導ですね。
才能があろうとなかろうと、音楽を愛しているなら、がんばればいい。
そう思いますよ。

ヒョックォンソンベの奥様、無事出産できてよかったですね。
一連のシーンは、あまりツボには来なかったですが、
カン・マエが呼吸法の指揮したところはくすっとしました。
「キラキラ星弾いて」のかわいいお願いに、「イヤだ」と
眉ひとつ上げずに応えるカン・マエは、ほとほと大人げない人ですね。


「私の音楽が変わってしまった!」シーンは次回への持ち越しみたいですが、
ルミとゴヌ、若い、情熱のかたまりみたいな人と関わりあって、
カン・マエも自身の感情をどんどん揺さぶられているのではないでしょうか?
いやー、面白いなぁ。





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