バイブルランドin福井

安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

カインとセツの系図 09 二つの系図 09 神に対抗する人間になった   

2024-07-16 04:00:00 | 世界の初めを知ろう 創世記
創世記
4:17 カインは妻を知った。彼女は身ごもってエノクを産んだ。

カインは町を建てていたが、その町を息子の名前にちなんでエノクと名付けた。

 4:18 エノクにはイラドが生まれた。イラドはメフヤエルの父となり、

メフヤエルはメトシャエルの父となり、メトシャエルはレメクの父となった。

 4:19 レメクは二人の妻をめとった。一人はアダ、もう一人はツィラといった。

 4:20 アダはヤバルを産んだ。ヤバルは、家畜を飼い天幕に住む者の先祖となった。

 4:21 その弟はユバルといい、竪琴や笛を奏でる者すべての先祖となった。

 4:22 ツィラもまた、トバル・カインを産んだ。

彼は青銅や鉄でさまざまの道具を作る者となった。

トバル・カインの妹はナアマといった。

 4:23 さて、レメクは妻に言った。「アダとツィラよ、わが声を聞け。

レメクの妻たちよ、わが言葉に耳を傾けよ。わたしは傷の報いに男を殺し/

打ち傷の報いに若者を殺す。

 4:24 カインのための復讐が七倍なら/レメクのためには七十七倍。」

 4:25 再び、アダムは妻を知った。彼女は男の子を産み、セトと名付けた。

カインがアベルを殺したので、

神が彼に代わる子を授け(シャト)られたからである。

 4:26 セトにも男の子が生まれた。彼はその子をエノシュと名付けた。

主の御名を呼び始めたのは、この時代のことである。

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旧約聖書にたびたび登場するレメクの歌が初めて登場します。

1,2行の古い歌ですが、妻たちの前に男の力を誇ったという歌なのです。

そして24節が編集者によって追加されました。

つまり「カインのための復讐が七倍なら/レメクのためには七十七倍。」

というのは、人間のふてぶてしさが倍加して

神に反抗するということになるのです。

神の保護を逆手に取り、カインのようなびくびくすることもなく、

力を誇るレメクなのです。

しかし、これが文明・文化社会の二面性なのです。

自然的には復讐を受けるべきですが、

文明・文化は人間の力を誇示することが出て来るということです。

それは当然、人間同士で復讐を生み出すわけです。

したがって神は完全に排除されてしまうわけです。

カインはかろうじて神との関係は切れていませんが、

レメクに至っては排除どころか神の怒りを呼び込んでいるのです。

しかも神の怒りが臨んでも平気だという開き直りすら

レメクの歌から読み取れます。

つまり文明・文化は人間が神から完全に引き離されるということになります。

文明・文化は神が人間の秩序を整えるために導入したにもかかわらず

神に対抗し、神から独立し、自足するということになってしまったのです。

それが創世記を編集した史観なのです。

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