心の休憩室 パート2

何度か中断していますが、書きたいことがでてくると復帰しています。

漱石まちをゆく

2015-03-17 20:46:51 | 日記

われわれもそのうちに生きている日本の近代。

その最初の半世紀を生きた夏目漱石は、江戸情緒の残る

東京の周縁を漂泊し、血気さかんな壮士気分が充満する

神田で少年期をすごし、漢字を学び陶淵明に親しみ、

本郷に次々と建てられる洋風建築に興味をいだきつつも

英文学を志し、中央の「官」をきらって地方にくだり、

ロンドンにわたってその重厚な石造建築に圧倒され、

場末の下宿にこもって「文学論」に沈潜し、東京に

戻って講師生活のかたわら小説を書きはじめ、

千駄木から早稲田に居を移し、弟子たちにかこまれた

高名な文学者としての生活をおくり、修善寺の温泉で

倒れたのち何年かして、生涯の幕を閉じた。

それが漱石の実体験した空間である。

 

と、「漱石まちをゆく」という本の中に書かれていたけど、

この文章が漱石が実体験した空間を正しく表現しているか

どうかは別として、自分の歩んできたこれまでの人生を

こんな風にまとめたらどんな文章になるんだろうなぁ。

 

簡潔な文章でまとめるのは難しいと思わない?

 

この本は漱石の作品を次のように分けているよ。

 

【場の三部作】

吾輩は猫である   坊ちゃん   草枕

・舞台空間が、ある閉ざされた「場」に限定されている

 

【東京の四部作】

虞美人草  三四郎  それから  門

・東京が主舞台

 

【海の三部作】

彼岸過迄  行人  こころ

・海が登場する

 

こういう分け方にそって漱石の作品を読んでみるのも

面白いかも知れないね。