心の休憩室 パート2

何度か中断していますが、書きたいことがでてくると復帰しています。

般若心経その7 (訳と解説2)

2023-03-17 17:48:01 | 般若心経

【般若心経その7】

 

=== 訳と解説その2 ===

*****(4)

是故空中無色 ぜこくうちゅうむしき

無受想行識 むじゅそうぎょうしき

無眼耳鼻舌身意 むげんにびぜつしんい

無色声香味触法 むしきしょうこうみそくほう

無眼界乃至無意識界 むげんかいないしむいしきかい

 

【訳】

それゆえに、「実体がないという状態」(空)においては、

「物質要素」(色)はなく、

「感受作用」(受)はなく、

「構想作用」(想) はなく、

「意思作用およびその他の様々な心の作用」(行)はなく、

「認識作用」 (識)はない。

 

「眼」はなく、「耳」はなく、

「鼻」はなく、「舌」はなく、

「触覚器官(身)」はなく、

「意(心)」はない。

 

「いろかたち」はなく、「音」はなく、

「香り」はなく、「味」はなく、

「感触」はなく、「思い浮かぶもの」はない。

 

「眼によって起こる視覚」はなく、

「耳によって起こる聴覚」はなく、

「鼻によって起こる嗅覚」はなく、

「舌によって起こる味覚」はなく、

「触覚器官によって起こる触覚」はなく、

「意によって起こる意識」はない。

 

【解説】

・最初の2行では「五蘊」はないと言っている。

・3行目では、六根(眼耳鼻舌身意)はないと言っている。

・4行目では、六境(色声香味触法)はないと言っている。

 

・5行目では、六識(眼識、耳識、鼻識、舌識、

 身識、意識)はないと言っている。

 

・「無眼界乃至無意識界」は「眼識界~意識界は

 ないという意味である。「無眼界」は正しくは

 「無眼識界」となるはず。

・以上により、釈迦が考えた「十八界」を否定している。

 

*****(5)

無無明 むむみょう

亦無無明尽 やくむむみょうじん

乃至無老死 ないしむろうし

亦無老死尽 やくむろうしじん

無苦集滅道 むくしゅうめつどう

無智亦無得 むちゃくむとく

 

【訳】

「無明」はなく、また「無」が尽きることもない。

(以下十二支縁起を順にたどって最後にくる)

「老いと死」はなく、また「老いと死」が尽きることもない。

 

「苦」「集」「減」「道」という「四諦」はない。

「悟りの智」もなく、(涅槃の)「獲得」もない。

 

【解説】

・釈迦が悟った真理に十二支縁起がある。

 

・十二支縁起は、現実の人生の苦悩の根源を断つことによって

 苦悩を滅するための12の条件を系列化したもので、

  無明(むみょう)⇒行(ぎょう)⇒識⇒名色(みょうしき)⇒

  六処(ろくしょ)⇒触(そく)⇒受⇒愛⇒取⇒有⇒生⇒老死

 の順になる。

 

・無明は無知のことで、人間の煩悩のうちで最大のもので

 「煩悩の親分」のようなもの

 

・老死は、老いて死ぬという「苦悩の親玉」のようなものである。

・1行目~4行目は十二支縁起を否定している。

・5行目は四諦を否定している。

 

*****

ここまでの(2)~(5)で釈迦の教えを全て否定している。

この後が般若心経の素晴らしさを説明する部分である。

 

(その8に続く)



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