原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」を読んだけど、
最初のページをめくると、こんな言葉が目に飛び込んでくるよ。
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スピーチの極意 十箇条
一、スピーチの目指すところを明確にすること。
二、エピソード、具体例を盛りこんだ原稿を作り、全文暗記すること。
三、力を抜き、心静かに平常心で臨むこと。
四、タイムキーパーを立てること。
五、トップバッターとして登場するのは極力避けること。
六、聴衆が静かになるのを待って始めること。
七、しっかりと前を向き、右左を向いて、会場全体を見渡しながら
語りかけること。
八、言葉はゆっくり、声は腹から出すこと。
九、導入部は静かに、徐々に盛り上げ、感動的にしめくくること。
十、最後まで、決して泣かないこと。
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この作品は、スピーチのノウハウ本より、よっぽどいいなぁと
思ったよ。ノウハウ本のようにスピーチの例文を並べるより、
物語の中でスピーチが出てきた方が十箇条がスッキリ頭に
入ってくるよね。
読んでいる途中で目に止まったひと言は、
「言葉っていうのは、魔物だ。人を傷つけも、励ましもする」
確かにそのとおりだなぁと思ったけどね。
人を励ますのはいいけど、傷つけたりしないように言葉に
注意しないといけないよね。
少し長いけど、この言葉も大切だと思ったよ。
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困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、
想像してみるといい。
三時間後の君、涙がとまっている。
二十四時間後の君、涙は乾いている。
二日後の君、顔を上げている。
三日後の君、歩き出している。
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僕は、「もうだめだ」と思ったことはないけど、
もしもそう思う時があったら、この言葉を思い出さないと。
(2015年10月24日撮影)