心の休憩室 パート2

何度か中断していますが、書きたいことがでてくると復帰しています。

天狗笑

2013-03-16 10:00:16 | 日記

初めにぷーつとふきだした者は、すぐぬかされて

また「だるまさん」が始まります。

そして一番おしまひまで残つた者が勝ちなのです。

子供たちはそれを何度もくり返しました。

 

いく度目かにまたみんなで、「だるまさん、だるまさん」を

やりだした時です。ふいに、頭の上で、空の真ん中で、

わはゝゝゝゝゝと大きな笑ひ声がしました。

 

おや・・・・・と思って、息をつめたままで、上を見上げますと、

森の上からぬーつと大きな顔がのぞき出して、

それが空いっぱいの大きさになって、

家のやうな大きな眼と鼻と口とで、

わはゝゝゝゝゝと笑つてゐます。

 

とすぐに、その顔も笑い声も消えてしまつて、

日の光のきらきらとしてる青い空ばかりになつてしまひました。

「何だろう。」

 

*****

「天狗笑」という物語だけど知ってた?

 

今、読んでいる「本という不思議」の中に

「わたしにとって忘れられないのは、豊島与志雄の書いた真昼の

世界の話です。それは『天狗笑』という短い物語ですが、

それをわたしは子どものときに読みました。

繰りかえし繰りかえし読んで、すこしも飽きなかった物語です。」

という文章の続きにこの物語が書いてあったんだよね。

 

物語を読んで、子どものころに読んだ本に天狗が笑っている

挿絵と一緒に、この物語が載っていたことをすぐに思い出して、

とても懐かしく感じたよ。 こんなところで、子どものときに

読んだ物語に再会できるとは思っていなかったもんね。

 

ホントに本は不思議だよね。

 

図書館に返してしまったら、二度と『天狗笑』と再会できないかも

知れないので、インターネットで注文したらすぐに届いたよ。

絶版になっているので中古本しか買えないけどね。

 

素敵な本に巡り合えると幸せな気分になれるよね。

 



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