ビロウな話で恐縮です日記

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こんな夢を見た。6

2011年06月02日 10時40分16秒 | 夢日記
病床の兄は眠りながら布団のうえで手をさまよわせることがあり、そういうとき、わたしの母は黙ってその手を握ってあげる。
やがて目を覚ました兄は、つながれている己れの手と母の手とを見て、「なにか?」と必ず言うのだ。自分のほうが握ってほしそうだったくせに、照れたようにぶっきらぼうに、まるで母が用があって手を握ったためにおれは目が覚めてしまったのだと言わんばかりの口調がおかしく、わたしはいつも少し腹の立つような笑いたいような心持ちになる。
母はなにも言わず微笑んで兄の手を握っており、母の隣に座るわたしもやや身を乗りだして兄のもう片方の手を握る。兄は天井を見上げ、黙ってされるがままになっている。わたしたちはいつもこうして……

※という夢を見た。上記の文章が文字となって浮かび、その向こうに、日本家屋の一室に布団をのべて横たわっている男と、その枕辺に並んで正座する母と娘の映像が見える。なるほど、これは正岡子規の『病牀六尺』の再現VTR(?)なのだなと夢のなかで私は了解する。起きて考えるに、読書の記憶が遠すぎて定かでないが『病牀六尺』にこんなシーンはどうもなかったような気がしてならず、なぜ唐突に正岡子規なのか、そもそも「兄」は本当に正岡子規だったのか、すべてが謎だ。