VALERIAN 映画と音楽 それはおれの非日常へのささやかなトリップ

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ロリータ 監督:エイドリアン・ライン 音楽:エンニオ・モリコーネ

2010年12月18日 | 映画・ドラマ
 原作は、ウラジミール・ナボコフの小説『ロリータ』。中年男性が、少女を愛する物語です。62年にスタンリー・キューブリックで映画化され、97年にエイドリアン・ラインによってリメイクされたのがこの作品です。
ロリコンの語源もここからきているそうです。私は、ロリコンではありませんが、Fav監督のエイドリアン・ラインの作品なので見ました。(キューブリック版は見ていません)さらに音楽が、これまたお気に入りのエンニオ・モリコーネです。この二つの感性が融合している作品で、雰囲気がないわけがありません。
 この作品は恋愛映画だと思います。少女を愛するというのは(さらにこの作品では義理ではありますが娘ですから)、やはり一般的には普通ではないのでしょうが、愛にはいろいろな形があっていいと思います。お互いに愛があるというのが前提ですが。私的には、この映画の主人公・中年紳士を演じるジェレミー・アイアンズの気持ちに完全に同調はできませんが(できたらやばいだろ)、切なさは感じました。
 おれ、ロリコンについては語れないのですが、一般的に、ロリコンって無垢な少女を愛するんですよね。愛するだけならいいのだけど、さらに性的な欲望が加わってる印象が強い。この作品の大学教授のジェレミー演じるハンバートは、14歳の少年期に美しい少女と恋におちるのですが、その娘が4ヵ月後に急死してしまうという体験をします。ある意味、その少女への想いがぬぐいきれないまま大人になったハンバートにその面影を感じる少女に出会ってしまった事がこの愛の根底にあります。対比的に、少女を性的に好むおっさんも出てきますが。こんなにロリコンとか連発してたら、すぐに変なアダルトなトラックバックとかされるから嫌なんですが、続けます。
 背徳感のある、ある意味きわどさもある作品ですが、エロ映画ではありません。ライン監督作品は、けっこうハードなセックスシーンがありますが、この作品に関しては露骨な性描写はありません。でもきわどいシーンはあります。かえってこういう描き方の方が官能的かな。ハンバートと少女に性的な関係がなければ崇高な純愛映画だと思うのですが・・・
 少女役(設定では12歳)ロリータ演じるドミニク・スウェインは、個人的にはひかれる感じはありませんが、小悪魔的な少女を、無邪気にそして残酷に演じています。ハンバートも、ロリータに踏まれたり、噛んでたガムを口にいれられたりされても、うれしそうなんです。おれはロリコンではありませんが(くどいか)、少女の肌の美しさには魅了されました。
 エンニオ・モリコーネが作る音楽も、この背徳感ある作品を救っていると思います。『ナインハーフ』でも使われたようなピアノとシンセの空間的なサウンドと、モリコーネ得意の郷愁系のBGMの二つが主体となっています。それぞれの曲が、効果的に使われています。ライン監督も、映画音楽は、下手をすると物語を分断する危険性がある事も述べていますが、エンニオは自身にとってもベストだと言い切るほどの賛辞を送っています。(何度もいいますがエンニオのベストは『ワンス。・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』だな~)
 あと、音楽好きでダンス好きのロリータが、物語の中でレコードを聴いたり、踊ったりしますが、使われた40年代、50年代のレトロなポップ、ジャズソングもサントラに収録されています。この作品のサントラもよいです。
 賛否両論の作品でしょうが、個人的には文学作品だと思います。アダルトコーナーに置いてはいけまへん。
 あと、中年男性と少女の愛は描かれますが、中年女性と少年の愛って見たことないんですがあるんですかね?そっちの方がもっと禁断???


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