ばらくてブログ――おうたのかいオブさんのおおばらブログ――

おうたのかい作曲・歌唱担当オブさんが、日々のあれこれをてきとうに綴る、まとまりもとりとめもないいかがわ日記

ブログでトグロ巻きリターンズ(1)2015気になったことば

2015-12-30 17:03:45 | Weblog
「我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」。

 例の安全保障関連法案(「戦争法案」とも言われていますね)について審議する7月の衆議院の特別委員会で、我らが総理大臣閣下は、こうおっしゃいました(法案そのものの是非や審議のあり方等についてもさまざまな問題点が指摘されていますが、ここではそれは言及しません)。
 このことば、論法としてはこうなりますよね。

 (1)私は総理大臣である。
 (2)総理大臣が説明することは正しい。
 (3)したがって、総理大臣である私の説明は当然正しい。


 ここで注目すべきは、当然(2)ということになります。

 さて、この「総理大臣」という部分を、具体的な場面に即して、他のことばに置き換えてみましょう。

【1】プロ野球の監督の場合
 オレの選手起用や試合の采配は全く正しいに決まってるだろ。オレは監督なんだから。

   と言いながらチームは最下位だったりして。
【2】学校の校長の場合
 私の学校改革ビジョンは全く正しいと思いますよ。だって私は校長なんですから。
   こういう校長の下で働く教員や、この学校で学ぶ生徒が気の毒になります(実際、こういう校長が、その学校の実情に合わない目標や方針を掲げて学校経営をすすめた結果、その学校はよくなるどころがどんどん荒れ果ててしまった、という実例が県内にもあります)。
【3】会社の場合
 私の経営戦略・方針は全く正しい。なぜなら、私が社長だからだ。
   おそらく社長とその取り巻きが立案した経営方針をすすめた結果、倒産したり経営破綻したり大リストラしなければならなくなったり粉飾決算がばれて大赤字に転落しちゃったりした会社、ありましたよね。

 ついでに言えば、「私は総理大臣なのだから、その説明はまったく正しい」というのであれば、論理的には、現在は野党になっているあの政党が政権を担っていたときの総理大臣(3人いましたね)の言っていることも当然正しかった、ということになります。その「正しい」人たちを徹底的に批判・攻撃して政権を再奪取した現政権は、大変ろくでもない連中、ということになりそうです。

 一般論ですが、自分の持っている「権力」=「正しさ」と考えてしまうと、その時点で物事を客観的かつ冷静に判断することができなくなります。その意味で、このことばを述べた総理大臣閣下は、私たちにとってすぐれた「反面教師」の役割を果たしてくれます。自分の評価をあえて下げてでも、そのようなことを私たちに考えさせてくださる総理大臣閣下、さすがです。

シロウト考え休むに似たり(6)「新潟の地ビール」について考えちゃったりする。

2015-12-26 15:49:07 | Weblog
 17年ほど前、「ばらくて」の創刊号でエチゴビールの特集をして以来の「地ビール」ファンです。15年前まで萬代橋たもとのコズミックスビルにあったエチゴビールのブルーパブ「ブルーメ」には週末ごとに入り浸り、ペールエールやアンバーエール、スタウト、IPAなどのうまいビールを、それこそ浴びるように飲んでいました。ブルーメなき現在は、行きつけのパブで長野の地ビールをいただいたり、新潟駅南口にできた「クラフトビール館」で、日本全国のさまざまな種類の地ビールを飲んだりしています。今では、県内にも多数の地ビールメーカーがあります。新たに「沼垂ビール」も誕生し、年明けから飲むことができそうです。
 もちろん、日本酒も新潟の「地酒」が好きなのは言うまでもありません(本当は「酒」と書きたいのですが、他のアルコール飲料との書き分けがとても難しいため、ここではやむを得ず「日本酒」とします)。「淡麗辛口」が新潟県産日本酒の特徴だ、とよく語られますが、実はそんなことはありません。上越地方の日本酒は、やや甘く感じるもののほうがむしろ主流ですし、「村祐」や「壱醸」「山間」など、甘みを前面に押し出した日本酒も全国的な人気です。「舞鶴鼓88」は、精米歩合がなんと88%(12%しか削っていないということです)で、独特の濃い味わいが魅力的です。そのような多彩な酒をいただけるのは、一新潟県民としてまことに幸せなことだと心から思っています。

地元原料を使用しない酒を「地酒・地ビール」と言えるか

 さて、「地酒」「地ビール」というからには、その原料も当然地元のものであると思いがちですが、現実にはそうでもないようです。新潟のみならず全国的人気を誇るとある蔵元は、「兵庫県産最高級山田錦を使用した最高級の酒をご賞味ください」という趣旨のラジオコマーシャルを堂々と流しています。ということは、地場の原料を使用していないということですから、その酒については「地酒」を名乗るのはちょっとどうなのかな、と思ったりします。もちろん、作る側からすれば、最高の原料を使用して最高の技術で最高の製品を作ろう、と考えるのは当たり前なので、それを批判することはできませんが(ちなみに、兵庫県産山田錦を使用している県内の蔵は、他にももちろんたくさんあります。みんなとても美味しいです)。
 地ビールのほうはもっと極端です。地ビールの原料の大麦はどこから調達するかというと、最近でこそ「原料もすべて国内産」を標榜するものも県外のブルワリーではぽつぽつ現れてはきましたが、県内では、まだまだ地元産どころか国内ですらない、というところが多いようです。そういうのを「地ビール」と言っていいのかな、と個人的には思います(だから最近は「地ビール」でなく「クラフトビール」というのかな)。いつも美味しくいただいてはいるので、作り手の苦労も知らずに勝手なことを言うのもどうなのか、という気はもちろんします。
 ここからはいかにもシロウト丸出しで気が引けるのですが、地酒・地ビールというのなら、やはり、原材料はすべて地元のものを使ってほしいところです。まあ、新潟の日本酒については、米どころ新潟における代表的産品で、新潟県産の原料米を使っているところが圧倒的に多いわけですし、外国産の米を使用しているなどというところもないでしょうから、とりあえずそんなに心配してはいませんが、地ビールのほうは大麦やホップといった原料を外国産に頼るところがほとんどです。それでは、本当の意味での「地ビール」とは言えません。そこをなんとかできないか、と思うのです。
 
地元農業者と連携して、真の意味での「地ビール」を作れないか

 「食」の基本は地産地消であるべきです。以前にも書いたとおり、「食」を外国からの輸入に頼るのは、食料安全保障・食料主権(いずれも堀井修さんの言葉)の観点からも問題です。地ビールも私たちの「食」の重要な一品の一つになりつつある今日、その原材料も可能な限り地元から調達することを追求すべきではないか、と私は思います。そのためには、農業者との連携が不可欠です。農業県としての新潟の実力は、実は相当なものです。その力を、地ビールづくりに生かすことは、決して不可能ではない、と思うのです。そのことは、増える一方の遊休農地の再生や再活用を促すことになり、広い意味での環境保全にもつながるのではないでしょうか。
 新潟の将来を考える上で、農業とそこから派生するさまざまな産業は極めて重要だと思います。私は「新潟県総マルシェ化」というのも「あり」なのではないか、と考えています。新潟に住んでいれば、あるいは新潟を訪れれば、それだけで豊かな「食」の文化を堪能できる。そんなふうになれば、それだけで新潟は活性化します。「地酒・地ビール」は、そのための重要なコンテンツとなりうるのではないか、と私は思うのです。

できるところから始められないか

 しかしまあ、実際にはかなり難しいのだろう、とは思います。
 そもそも、新潟県の農地でビール用の大麦やホップがうまく育つものなのかどうか。栽培するにしても、それが農業者の収入につながるのかどうか。育ったとしても、それが美味しいビールになるものなのかどうか。農業者とビール生産者の連携だけでなく、県民や行政からの後押しも必要でしょう。考え出せば、心配は次から次へと浮かんできます。
 とはいえ、新潟の日本酒はすでに産地呼称を始めています。国産ワインも、農林水産省が産地呼称を始めようとしているというニュースが報道されていました。
 地ビールもそういう方向性に向かうしかないのだろうと私は思っています。もちろん、いきなり全量地元産の原材料で作らなければならない、ということではなく、できるところから少しずつ始めていくしかないでしょう。少しずつ前進し、前進しつつ研究し、改良を加えていく。結局はそういう地道なとりくみしかないのだろう、と思うのです(飲むばかりの私がこういうことを言うのは本当に厚かましいと思います。全く申し訳ない)。


 ……と書いてはみたものの、今回はいつにも増してまとまりもなく、シロウト丸出しの恥ずかしい文章を書いちゃったな、と思う今日このごろ。でもアップしちゃうけど。皆さんからのやさしいアドバイスや修正をお待ちしておりますm(_ _)m。

シロウト考え休むに似たり(5)「プロ野球3リーグ制」を提案しちゃったりする。

2015-12-18 15:51:51 | Weblog
 サッカーより野球のほうが、やはり好きです。私は1961年生まれなのですが、私たちの少年時代のプロスポーツといえば、そりゃもうプロ野球と大相撲でした。そもそも、TVで放送されるスポーツ自体、相撲と野球ばかりでした。少なくとも1960~90年代、プロ野球は間違いなく国民的娯楽の一つであったと思います。
 さて、今は、サッカーJリーグが日本の人気スポーツのナンバー1となっている風情です。プロ野球も、確かに今でも根強い人気はありますが、TVの地上波のゴールデンタイムで毎日のように放送されていたのも今は昔。シーズンも大詰めの時期で、優勝の行方を決める重要な試合なのに、BSですら放送されない、などということもあります。選手の平均年俸はまだまだ野球のほうが高いようですが、このままでは、サッカー選手の平均年俸に追い抜かれるのも時間の問題ではないか、という気もします。

Jリーグの先見性と、旧態依然のプロ野球業界

 それにしても、たった20年ほどで日本の人気スポーツの頂点に上り詰めたサッカーJリーグは、やはり大したものだと、さしてサッカーファンでもない私も思います。今やJ1リーグは全国に18チーム。J2・J3と下部リーグも充実し、しかも、トップ争いだけでなく、上位・下位リーグとの入れ替え戦というもう一つの見どころもあります(こっちのほうが盛り上がったりもしますよね)。チーム名はスポンサー企業名ではなく地域名にして地域のファンとの結びつきを強め、しかも、選手は野球選手と比べると明らかにスマートでさわやかな人たちが多い(これは偏見だな)。なるほどこれは人気が出るのもむべなるかな、と正直思います。
 それに引き替え、我らがプロ野球(ここでは「NPB」を指します)はどうでしょう。Jリーグと違い、チームは広島カープを除き、すべて親会社の社名がチーム名に入っています。それが全面的に悪い、というわけではありませんが、セ・リーグのあの人気球団を経営する某巨大新聞社のトップN氏は、球団を自らの権威づけやイメージアップ、新聞の拡販の道具としか考えていないような言動ばかりしていますし、他球団だってほとんどは、昔ながらの「企業の宣伝媒体」のままな感じ(そうでもないチームもあるのかもしれませんが)。一時期、N氏たちは、チーム数を2チーム減らして10チームにし、2リーグを1リーグにまとめようという陰謀を企てました。選手会の抵抗にあって失敗しましたが、これなんか、野球を「商売道具」としてしか見ていない証拠でした。これでは、人気をサッカーに持っていかれても仕方ないのではないか、と言わざるを得ませんよね。

「CS」は、やはり苦し紛れの弥縫策

 まあ、人気の低迷傾向についてはプロ野球経営当事者もよくわかってはいるようで、パ・リーグは2004年から、セ・リーグも2007年から、いわゆる「クライマックス・シリーズ」(CS)というのを始めました。皆さんご承知のとおり、これはリーグ上位3球団によるトーナメントを行い、勝ち抜いたチームが日本シリーズに出場する、というものです。これはそこそこ盛り上がってはいるようですが、下位だったチームがスルスルと勝ち残って日本シリーズまで行ってしまう場合もあり、それはそれで面白いともいえますが、それではそれまでのリーグ戦はなんだったんだ、という疑問や批判がわき起こるのも当然と言えば当然です。年間144試合も戦い、やっとリーグ優勝したのに、その後のわずか数試合のトーナメントで負けてしまえば日本シリーズには出られない、となってしまったら、いざというとき勝負弱い、といえばそれまでですが、やはり理不尽です。

この際、18球団・3リーグにすることを提案します

 そこで、わたしは、日本シリーズ進出チームの公正な選出はもちろん、プロ野球の人気回復と活性化、そして野球というスポーツのさらなる普及・振興のために、次のようなことを考えました。
 この際、チーム数を6つ増やして18球団とし、セ・リーグ、パ・リーグに加え、もう1リーグを新設するのです。
 そうすると、リーグ優勝するのは3球団ですから、さらに、各リーグの2位チームの中で最も勝率のよいチームを加えた4チームによるプレーオフを実施し、日本シリーズに進出するチームを決定する。そうすれば、現在の矛盾の多い「CS」など必要なくなります。
 新設する球団については、現在NPBプロ野球チームのない地域に置くことを提案します。これは私の案ですが、北東北エリア、北信越エリア、北関東もしくは関西エリア、東海エリア、四国エリア、南九州エリアに1つずつ置く、というのはどうでしょう(もちろん、別の案もあると思います)。

まだまだ野球には可能性がある

 おそらくはプロ野球チームより経営基盤が弱いはずのJリーグのチームが、J1だけで18チームも維持できているのですから(J2・J3などの下部リーグチームはさらに多数存在しています)、プロ野球も18球団にするくらいはできるはずです。プロ野球選手になりたい、という子どもたちは今でも大勢います。高校野球は、今でも大変な人気です。つまり、野球ファンは今も日本全国に多数いるわけですから、身近な地域にプロ球団ができれば、野球少年たちの受け皿が増え、地域も野球で盛り上がる、ということにもなるでしょう(今だって、BCリーグなどの独立リーグはがんばっているではありませんか)。だったら、今のうちに、サッカーJリーグを見習った、広がりを持った取り組みを行ってもよいのでは、と思うのです。
 本当は、いっそのことJリーグのように、下部リーグを設けて入れ替え戦も行う、としたほうがよいのかもしれませんが、日本のプロ野球はそういう歴史を持っていませんし、私もそこまでしなければならない、とまでは今のところ思っていません。ただ、Jリーグがサッカーの競技人口を増やし、国民的スポーツに押し上げたのと同様なことを、Jリーグ以前からの人気スポーツである野球がやれないわけがない、とは思います。


 このアイディアは、決して不可能ではないような気がするのですが、いかがなもんでしょう。現下の日本経済の低迷状況では、スポンサーがつかないかな。やっぱりシロウト考えかな。

シロウト考え休むに似たり(4)お金持ちのための税制を提案しちゃったりする

2015-12-12 19:47:38 | Weblog
 皆さん、最近、お金持ちがケチくさくなってると思いません? お金持ちというのは、紀伊国屋文左衛門の例を挙げるまでもなく、たんまり稼いだ金をたっぷり無駄遣いしてくれることにより、シモジモにも金を回してくれる、という存在であったはずですよね。お金持ちの重要な「任務」は、そのお金をきちんと使うことで社会に金を回すことであり、それこそお金持ちの社会的責任である、とどなたかがおっしゃっていた気もします。これこそまさに「トリクルダウン」ですな。

今の日本のお金持ちは、さもしくなっているので

 ところが、最近のお金持ちの皆さんはどうでしょう。銀行預金や株券などでため込むばかりで、ちっともシャバに金を回してくれません。バブルのころ、どこかの大手製紙会社の経営者が、世界的名画を買い集め、自分が死ぬときに際して「所蔵している名画を自分の棺桶に入れて一緒に焼いてくれ」とか言ったそうですが、この人なんかはダメなお金持ちの典型といってもよいでしょう。今だって、赤字続きで、社員の大量首切りなんかやらかす大手メーカーの経営者が億単位の報酬をもらっているとかいう例もあります。はっきり言って、今の日本は、お金持ちがさもしくなっている、という気がしてなりません。まあ、過去の文献とかを調べて言っているわけではないので、ひょっとすると昔も今も、お金持ちのありようはそんなに変わってはいないのかもしれませんが。
 しかし、自らはべらぼうな高給を手にし、会社は内部留保をため込みながら、その会社の労働者の賃金は抑制し、さらに、非正規従業員としてはたらく人びとの賃金は、それだけではまともな生活ができない低水準のままにしておく、という現状を見ていると、全く日本の金持ち連中はダメダメだなあと言わざるを得ない、というのが私の率直な思いです。

消費税を上げるのなら、所得税の累進率も強化すべきでは

 来年には消費税が10%に上がるそうです(2019年5月現在、消費税はまだ8%ですが、秋には予定通り上げる、とアベソーリは言っています。しかし、識者の一部からは「消費税は絶対に上げられない。アベソーリは必ず消費税増税延期を言い出す」という意見も上がっています)。まあ、欧州先進国の多くは、日本よりはるかに高率の消費税率ですし、10%になってしまうのがけしからん、と単純にいうつもりはありません。租税収入減少の折、多少なりとも税収を上げなければ、国や地方自治体の財政はますます厳しくなるばかりですから、一定程度の負担増はやむを得ない、とは思います(今はちょっと意見が変わり、現状の国民の生活実態を考えれば、消費税は上げてはいけない、いっそ下げてもいいくらいだ、と思っております)
 ただ、それなら、所得税や住民税の累進率も同時に強化すべきではないでしょうか。稼いでいる人から取るのが税金の基本。1974年までの所得税と住民税を合わせた最高税率は、なんと93%でした。もちろん年収ン千万~ン億という人が対象で、節税対策もやっていたでしょうし、一定の賦課制限もありましたから、7%しか手許に残らない、ということではなかったようですが、それにしてもすごい税率です。なにもそこまで極端な税率にしろとは言いませんが、年収5000万円を超えるような高額所得者の税率は、75%くらいであってもよいのでは、と思うのです。

お金持ちがお金持ちらしくあるために、新たな「控除」を提案します

 とはいえ、せっかく稼いだお金を(ここでは、稼ぎ方については問いません。まあ、普通の勤め人では、そういうお金持ちにはなれないとは思いますが)、みすみす税金として巻き上げられる、というのは確かに気分が良くないことでしょう。そこで私は、そういうお金持ちがいかにもお金持ちらしくいられる、しかも多くの人々のシアワセにも貢献でき、評判も上がるという仕組みを提案したいと思います。
 それは、「一般消費控除」。早い話が、無駄遣いした分を控除する、という仕組みです。累進課税を強化する代わりに、実体経済を動かす商品の購入や、いかにも資産形成と関係ない支出(生活必需品や外食代や服飾費、金銀パールなどの宝飾品(これは、そのまま資産としてカウントされる可能性が高い物品なので、控除からは外すなり控除率を下げるなりした方がいいかもしれない、と今は思っています)、家電製品や自動車などの耐久消費財(自動車も、外国の超高級車は資産として扱われるようなものもありますから、単純に控除対象とするのは止めた方がいいかな、と今は思っています)競馬競輪競艇オートレースなどの公営ギャンブル支出、福祉・医療施設や自然環境保全活動、各種文化活動などのNPOへの寄付など)をした場合、その支出は所得から控除し、所得税・住民税は、その残額にかける、ということにするのです。こうすれば、お金は税金で持っていかれるより使った方がまし、ということになりますから、お金持ちはお金持ちらしく、あらゆる場面で大盤振る舞いすることになり、シモジモまでお金が回り、経済は活性化し、そして、お金持ちの皆さんは世間の人々から大変ありがたがられる存在となる、ということになるのではないでしょうか。

でも、株式・債券・不動産はダメ。「節税」は脱税として扱う

 ただし、実体経済を動かさない、「お金持ち界」でしか金が回らない株式や債券の購入については控除を認めない、不動産についても、実際に自分や家族が居住するのではなく、投資の一環として購入される分は控除対象から外す、ということにしないといけません。国民の生活・経済実態から乖離した、わけのわからない「バブル」経済は、そういうところから始まっていますから。また、アヤシイ「節税」に対しては、徴税当局は脱税を疑い、厳しい態度で臨まなければならないのは当然です。

貯め込んだ金はまさに「死に金」

 この控除システムは、もちろん全国民が使えることになりますが、そもそも課税率の低い、または課税所得以下の低所得者にとってはほとんど意味がありませんから、これはあくまで、お金持ちから「死に金」を社会に放出してもらうための手段です。国や地方自治体は、直接税の税収が減るから困るのでは? という意見もおありでしょうが、そもそもお金持ちは、ここ30年ほどで税率も下がりましたし(今は所得税・住民税合わせて55%だそうです)、しかも、節税対策もばっちり行っている人ばかりですから、もともとそんなに払っているわけではないと思いますよ(源泉徴収のあるサラリーマンなら別ですが、そんな高給取りサラリーマンはほとんどいません)。だったら、市中に金を回し、法人税や消費税で回収することができるこの控除は、結構「あり」なのではないか、と思うのです。

 しかしまあ、こんな税制、世襲政治家をはじめとする、そもそも「お金持ち界」の人々が多数を占める国会で、通るわけはないか。制度設計も実はかなり難しそうだし。やっぱり「シロウト考え休むに似たり」だな、こりゃ。