山本馬骨:たそがれジジイの呟きブログ

タイトルを変更して、これからは自分勝手なジジイの独り言を書くことにしました。

孫自転車の楽しみ

2015-08-25 04:30:13 | ジジババ世代の話

 しばらく孫の話に触れていませんが、誕生後ハイハイを卒業し、よちよち歩きを始めた孫も1年と5カ月が経って、靴を履いて外を歩けるようになりました。ことばの方も、一時は父母もジジババもみんな「ママ」でしたが、今はそれを卒業して、何やら意味不明の連続語を頻発するようになりました。何かして欲しいことがあると、手を引っ張って要求するようになり、ドアを開けろとか、そのお菓子の袋を開けて頂戴とか、要求の依頼は増えるばかりです。

 そのような孫を一人占めにしたい時間を持ちたいと、予てから作戦を立て、資金を用意するための孫貯金を続けていたのですが、この度それを敢行することにしました。その作戦というのは孫自転車なのです。孫を自転車に乗せて周辺を回るというだけの単純な行為なのですが、これは自分にとって孫を独占できる最重要の時間なのです。

15年前にも(今は高校生となった)孫娘を自転車に乗せて、あの当時は東村山市に住んでいましたので、森の中を流れる野火止用水に棲む鯉たちに餌をやりに行ったのを思い出します。外孫なので、滅多に会えなかったのですが、家にやって来た時には必ず出掛けるのを楽しみにしていました。その時の楽しみを今回も味わおうというわけなのです。

先ず自転車に取り付ける前乗り用のチャイルドシートを買うことにしました。幼児は慣れてくると直ぐに眠ってしまうことがあるので、前乗り用に限るのです。ところが、これがなかなか良いものがなく、簡便なものばかりで、気にいったものが見つかりませんでした。いろいろな店に出向いて調べた結果、ようやく気にいったものを見つけ出しました。値段が少し高いのですが、シートベルトもついており、安全上も乗り心地も先ずは大丈夫だと買うことに決めました。

ところで自転車なのですが、実は15年前に孫娘たちを乗せた自転車がまだ健在なのです。それでもいいかなと思っていたのですが、チャイルドシートに比べてあまりにも見すぼらしい姿なので、この際思い切って新車を買うことに決めました。安全と自分の年齢のことを考えて、26インチの少しガッチリしたママチャリにしました。これを「KC号」と名付けました。

これらを買い揃えたのは、7月の下旬でした。孫はまだ1年と4カ月を過ぎたばかりでしたので、しばらくは玄関先に飾っておこうと思いました。で、毎日そのピカピカの新車の「KC号」を見ていたのですが、1週間も経つと我慢が出来なくなり、試しに乗せてみたくなり、嫁御に恐る恐る訊いてみると、意外とあっさりとOKが出ましたので、早速乗せることにしました。怖がるかと思いの他、至ってにこにこ顔で、先ずは安堵しました。その後慎重に家の周りを何周かしたのですが、孫は鼻歌気分の様で、何やら機嫌よく意味の解らぬことばを発していました。これなら大丈夫だと思いました。

さて、それからは雨の降らない平日は、不都合なことがない限り、毎日17時頃になると「KC号」の運行開始となっています。その時刻近くに2階から下りてゆくと、孫は待ち構えていたように飛んで来て、一刻も早く自転車に乗せろとせがみます。出発の準備のために一足先に外に出ると、もしかしたら裏切られるのではないかとの懸念から、最初の頃は泣き声を発する有様でした。だんだん慣れてくると落ち着いて靴を履き、以前は嫌いだったヘルメットもおとなしく着けて待っているようになりました。

「よっこらショ」と、かなり重くなってきた孫を椅子に乗せ、シートベルトを締めると愈々出発です。先ずは町内の安全で日陰のある道をしばらく回遊します。孫は普段は何時も両親の運転する車に乗せられて、後の特等席で、窓越しに走り去る景色ばかりを見せられていますので、それとは違った身近な町内の景色や肌に触れる風を味わいながらの自転車行は興味津々の様で、時々何やら声を発するのですが、意味は不明です。意味不明でも不平や不満を述べているのでないことは明白です。ジサマは「なんだ?」とか「そうか」とそれに応えながら満足しています。

町内の周遊が終わると、今度は少し先の隣の町内の方へ移動します。なるべく車の通らない道を選び、木陰などのある所を通るようにして、ショッピング街の先にある公園を一回りします。この公園は木が多く、その木立の中に遊歩道が作られており、暑い今の季節には最高の散策路となっています。公園の中には子どもたちが遊ぶ遊具なども揃っていますが、幼児用のものは少なく、まだそこで遊ぶのは尚早なので、降ろして遊ばせることはしないことにしています。30分ほど乗り回って家に戻るのですが、孫はもう超満足の様で、玄関に降ろすと「どうも」と頭を下げてお礼のゼスチュアをし、時に拍手などして嬉しがらせてくれます。

このようにして、この頃は毎日を過ごしていますが、間もなく喜寿を迎えようとしているこの歳になって、普通ならばひ孫の世界かもしれないのに、それでも孫と一緒に過ごせる時間を持てることは、まあ、幸せというものでありましょう。しばらく、慎重にこの楽しみを味わい続けたいと考えています。

    

KC号。毎日30分ほどの孫と一緒の自転車散策は、巷の様子も窺がうことができて、我が人生に有意義だ。

 


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