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’07/11/15の朝刊記事から
ベラルーシにミサイル供与
ロシア、米MDに対抗
【モスクワ14日共同】インタファクス通信によると、ロシア軍幹部は14日、東欧での米ミサイル防衛(MD)計画に対抗し、ベラルーシに最新のミサイル「イスカンデル」を供与する考えを示した。
ベラルーシ軍幹部も同日、イスカンデルをロシアから購入し、配備する計画を認めた。
ベラルーシは、米国がMD計画で迎撃ミサイルの配備を計画しているポーランドに隣接。
MD計画や北大西洋条約機構(NATO)の拡大に反発するロシアが米欧へのけん制を強めた形だ。
ロシア軍幹部は、イスカンデルは射程300-500キロで、中距離核戦力(INF)廃棄条約には違反しないと説明。
しかしロシア政府が同条約からの脱退を決めた場合、射程を含めた能力を高めることは可能と述べた。
米国と旧ソ連は1987年、射程500-5500キロの地上配備の中・短距離ミサイル全廃を定めた同条約に調印。
しかしプーチン大統領は最近、条約脱退の可能性も示唆している。
ベラルーシのルカシェンコ政権はロシアと関係が深く、独裁体制を批判する欧州諸国とは距離を置いている。
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07/11/15の朝刊記事から
報復殺人犯 英雄に? ロシア
航空機事故で管制官を殺害 遺族に国民寛大
【モスクワ14日藤盛一朗】ドイツ上空で2002年に管制ミスにより墜落したロシア旅客機の乗客の遺族が、報復としてスイス人の管制官を殺害し、13日、刑期を終えて帰国した。
テレビ各局がこれを大々的に報じ、ロシア社会では「遺族の行動は英雄的か犯罪か」との論議が起きている。
02年7月、ドイツ南部上空でロシアのチャーター旅客機と国際貨物DHLの貨物機が空中衝突し、ロシア機の乗員・乗客71人と貨物機の乗員2人が死亡した。
妻、長男、長女を失ったロシア南部ウラジカフカスの建築技師、ビタリー・カロエフ氏(51)は管制官への復讐を決意。
04年2月、スイス・チューリヒ郊外で管制官=当時(36)=を刺殺した。
カロエフ氏はスイス当局に逮捕され、禁固8年の刑に服することになったが、減刑され、12日に釈放された。
ロシアのテレビ各局は、チューリヒからモスクワに向かう帰国便にこぞって記者を派遣。
「ようやく家族の墓に行ける」と穏やかに語るカロエフ氏の機中インタビューを放映した。
モスクワの空港では、親族のほか、大統領府が設立した青年団体「ナーシ」の活動家が出迎えた。
活動家は、モスクワ市内に向かう道路沿いにも立ち、「あなたは真実の人間だ」と書かれたプラカードを手に歓声を上げた。
カロエフ氏は、歓迎に戸惑う一方、テレビの取材に「(報復は)なされねばならなかった」と固い信念を吐露している。
14日の新イズベスチヤ紙は、23%が同氏の行動を支持し、44%が同情するとした世論調査の結果を報じ、「犯罪や復讐に寛大な国民意識がうかがえる」と指摘した。
また、「カロエフを英雄にしてはならない。殺人は何といっても犯罪だ」(女優のクラチコフスカヤさん)という非難の声も上がり、角界で反響を呼んでいる。
’07/11/14 の朝刊記事から
大阪の病院 患者 公園に置き去り
糖尿で全盲 入院費払えず
堺市北区の新金岡豊川総合病院(豊川元邦院長)の男性職員4人が9月、全盲の男性患者(63)を大阪市西成区の公園に置き去りにしていたことが13日、分かった。
病院側は、渉外係の職員(47)の判断で幹部らの指示はなかったと説明。
「入院費の未払いなどのトラブルがあったが(放置は)とんでもないことで、反省している」としている。
西成署は保護責任者遺棄の疑いがあるとみて捜査している。
調べや病院などによると、職員と医事課員3人は9月21日午後1時ごろ、男性を車に乗せ、大阪市住吉区の男性宅に連れて行ったが、住んでいた前妻(63)が引き取りを拒否。
午後2時20分ごろ、病院から約10キロ離れた西成区の公園に連れて行ってベンチに座らせ、下着類などの荷物とともに置き去りにした。
4人のうち1人は直後に匿名で「目の見えない男性が倒れている」と119番通報し、サイレンの音を確認して立ち去った。
男性は別の病院に運ばれ、現在も入院中。
搬送時、救急隊に「熱がある」と訴えていた。
渉外係の職員は「前妻から『持病があり、困る』と拒否され、どうにもならず、救急隊に任せれば大丈夫と思った」と話しているという。
男性は糖尿病で約7年前から入院。
当初は生活保護を受けていたが、約2年前に打ち切られたという。
病院側は「治療は必要だが通院で対応できる」として退院を勧めていた。
入院費約185万円が未払いだったほか、待遇などをめぐりトラブルになっていた。
堺市保健所は10月末、医療法に基づいて、従業員の監督を怠ったとして豊川院長を行政指導した。
病院は1983年に開院した私立。
内科や小児科、産婦人科、放射線科などがあり、病床数は182。
非常に恥ずかしい
新金岡豊川総合病院の豊川元邦院長の話
医療人として非常に恥ずかしい。
この一言に尽きる。
職員が独断でやったことだが、反省しきりだ。
ただ、病室でのトラブルが続き、入院費も未納で、福祉事務所や保健所に何度も相談に行ったが対応してもらえなかった。
私たちが(患者と行政側の)谷間だった。
治療は必要だが通院で対応できる状況で「通院してください」とお願いしていた。
’07/11/14の朝刊記事から
フィリピン 下院で爆発 2人死亡
テロか、議員ら11人負傷
【マニラ13日共同】フィリピン警察によると、マニラ首都圏ケソン市にある同国議会の下院ロビー付近で13日夜、爆発があり、下院議員と運転手の計2人が死亡、議員2人を含む11人が負傷した。
警察は、爆弾テロの可能性があるとみて捜査している。
地元報道によると、爆発は下院での審議終了後、間もなく発生。
多くの議員がすでに議場を離れていたという。
警察が現場を封鎖し、捜査している。
死亡した運転手が乗っていた車に爆弾が仕掛けられていたとの情報もある。
警察などによると、死亡したのはイスラム原理主義過激派アブサヤフなどの掃討作戦が行われている南部ミンダナオ出身の議員(47)。
この議員の車が最も壊れていたことなどから、警察は同議員が狙われたのではないかとの見方も示した。
負傷者の中には左派議員もいるという。
デベネシア下院議長は地元テレビに「別の爆弾が仕掛けられている可能性があるため、警察と軍に綿密な調査を求めた」と話した。
’07/11/14の朝刊記事から
ブット氏 大統領の辞任要求
パキスタン 政権協議破綻か
【ラホール(パキスタン東部)13日共同】パキスタン東部ラホールで2度目の軟禁下に置かれた野党指導者のブット元首相は13日、ロイター通信などの電話インタビューに対し、ムシャラフ大統領の大統領辞任を要求、「ムシャラフ氏が大統領である限り、首相になるつもりはない」と言明した。
ブット氏は3日の非常事態宣言後、ムシャラフ氏に対し、兼任する事実上の軍トップ、陸軍参謀長職の辞任や停止された憲法の復活を要求してきたが、大統領辞任に言及したのは初めて。
米国の後押しを受け、今後の連携でいったんは大筋合意した両者の政権協議は破綻した形となった。
ブット氏は、来年1月中に予定される総選挙が非常事態宣言下で行われるなら、正当性を失わせるためボイコットする可能性も示唆。
9月の帰国直後に再び国外へ追放された野党指導者シャリフ元首相との連携にも意欲を見せている。
ブット氏率いるパキスタン人民党(PPP)によると、13日にラホールではPPP支持者ら2000人が拘束された。
ブット氏は「女性や子供にまで警察が暴力を振るった。家を壊したりもしている」と当局を激しく非難した。
ブット氏は13日、非常事態の解除を求め、ラホールから首都イスラマバードまでの約300キロを約3日かけデモ行進する予定だった。
だが、治安当局は7日間の拘束を通告、参加を阻止した。
PPPによると、ブット氏に代わり、ラホールを州都とするパンジャブ州の党代表が先導し、支持者数千人がデモ行進を始めた。
また、AP通信によると、ブット氏の地盤の南部カラチで、軟禁に抗議した支持者らが警察署に発砲。
負傷者はいなかったが、当局との対立が激化する恐(虞)もある。