蓬 窓 閑 話

「休みのない海」を改題。初心に帰れで、
10年ほど前、gooブログを始めたときのタイトル。
蓬屋をもじったもの。

ロシアのダミー兵器

2020年08月12日 | 満洲
 これ、みんなロシアの兵器、
 いろいろあるけれど、みんな空気で膨らませた風船。






写真はネットより

 たくさんあるように見せかけられる。安くすんでいい。
 不良品を高く買わされるより、ずっといい。
 もともとロシアって狡猾でずうずしい。
 
 次の本には、


 8月9日、ソ連がどのように満洲へ侵攻してきたかが書かれていて興味深い。
 関東軍は、南洋への部隊転用により武力が手薄になっていたので、希望的観測から、ソ連の侵攻は秋としていた。
 しかし、ドイツとの戦争を終えたソ連は、100万に及ぶ兵をひそかに大移動していた。
 
 さらに国境付近に到着した部隊には、煙を出す炊事と樹木の伐採を禁じた。兵士にはいつも通り休暇をとらせ、日本軍の歩哨が見ているであろう場所では、悠々と草を干してみせたりした。要は、大動員しながら、いつもと変わらない欺瞞行動をとっていたのだ。

 宣戦布告も、8月8日午後5時に日本の大使に伝えられた。大使館に戻ったとき、電話機は切断され、無線発信機なども没収されていた。時差を承知の上のことで、午後5時は日本時間午後11時であった。
 
 満州へ侵攻したソ連軍の酷さは「終戦といっても」に、少し記してある。

 またもっと以前に、アムール川の愛琿城まで行ったときのことを書いたように、
 ロシアは、北方領土など絶対に返さないだろう、と今でも思っている。


 もうひとつ、この本について気がかりなのは、訳者の朱建栄氏である。
 ときどきテレビに出て、中国情勢の解説などをしておられた。
 数年前、上海だか北京へ帰国してから行方不明になった、とニュースでやっていた。
 どうやら当局に捕まっているらしい、というニュースも。

 3年ほど経て、テレビに再登場していたので、ほっとしたが、かなりやつれた様子。
 その後、中国ヨイショのコメントしかしなくなった。
 相当傷めつけられたのだろうな、と気の毒だった。
 そして今、テレビには全く登場しなくなった。
 独裁の弊害を憎むとともに、ご無事であるよう、祈っている。

 何世紀も、こうした手練手管を使ってきた大国と渡り合っていくには、
 小国日本にも、何人もの頭のいい人たちが必要である。

ーー千人の諾々は一士の諤々にしかずーー
 という格言が『史記』にあるという。
 
 諾々ばっかりじゃ~とため息の出る昨今である。


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