学名はnarcissus。ギリシャの美青年ナルキッソスは、エコーというニンフの求愛を拒み、エコーはやつれてとうとう声だけになってしまった。その罰で、ナルキッソスは水に映った自分に恋をする呪いをかけられた。手を伸ばすと水面が乱れ、自分の姿が消えてしまうという、決して成就しない恋にナルキッソスは苦しみ、とうとう水仙となっていつも川のほとりで俯いている。
香りの良いすっきりした日本水仙は好きな花のひとつですが、俯き咲く上品なアイスフォーリスの雰囲気には、何か考えさせられてしまうものがあります。
「ナルシスト」という言葉は、マイナスの意味で使われるけど、自分を好きでいることは大事なことではないかしら。自分は良い者、美しい者だと、思える子に育てることは大事なことではないかしら。世界中が自分を否定していると感じる時、鏡の中の自分を自分で肯定して、また立ち上がることができるのなら。