「 ナミヤ雑貨店の奇蹟 」 東野圭吾

　　　「　ナミヤ雑貨店の奇蹟　」　　東野　圭吾

　　　　　　　

本屋さんで見かけて買ってきました。
読みだすと面白くて一度に読んでしまいました。　感動のミステリーです。
時空を超えて交わされる手紙の交換。　過去と現在の出来事が雑貨屋を挟んで児童養護施設　丸光園　とも関係していて、最後に全ての物語がつながります。
過去と未来の手紙のやり取り　　以前観た、キアヌ　リーブスとサンドラ　ブロック主演の映画「　イルマーレ　」を思い出しました。
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第１章　回答は牛乳箱に
翔太と敦也と幸平の三人組。　盗んだ車が故障して、たまたま廃業して空き家になっている雑貨屋さんに逃げ込む。
夜明けを待っていると、シャッターの郵便受けから、悩みごと相談の手紙が舞い込む。
部屋を調べると、残されていた雑誌の記事から、ここで雑貨屋を営んでいた浪矢雄二が悩み相談に答えていたことがわかる。
３人は、浪矢にかわって返事を書くことにする。　雑貨店と外とは時間がずれていて、それは、３０数年前の過去に届く。

〈月のウサギ〉さんからの相談。　オリンピックの候補者からで、恋人が癌になってしまい余命宣告されたが、続けるべきか看病に専念すべきか、私はどうしたらいいかとの質問。

第２章　夜更けにハーモニカを
〈　魚屋ミュージシャン〉さんからの相談。　ミュージシャンを目指しているが一向に認められず、続けるべきか、体が弱っている父親にかわり魚屋を継ぐべきか？

第３章　シビックで朝まで
浪矢雄二が相談を始めたきっかけと、息子の貴之と交わした男と男の約束事。
〈グリーン　リバー〉さんの相談。　妻子ある人との間に子供を身ごもったが、産むべきかおろすべきか？　その後、成長した娘からのお礼の手紙が。

第４章　黙祷はビートルズで
〈ポール・レノン〉さんからの相談。　初めての真面目な相談で、浪矢さんが今まで張り出していた回答を裏の牛乳箱に入れるきっかけになった相談。
親が夜逃げを決行しようとしているが、ついて行くべきか、とめるべきか、どうすればいいかとの中学生の質問。

第５章　空の上から祈りを
〈迷える子犬〉さんからの相談。　育ての親に恩返しをしたくて事務員とホステスをして働いているが、お金が欲しくて、愛人になれば店も世話すると誘われているがどうすればいいか？
３人組が書いた返事と彼女のその後。そして現在の３人組とのかかわり。
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３０数年にわたり過去と現在が交錯していて、相談者のその後がわかります。
どの話でもほろり　　と来るものがありますが、「　相談者は答えを自分で決めている　」というのは納得です。
みんな、後ろをあと一押して欲しくて相談しているんだと思いますが、浪矢さんも３人組も、どの相談にも真剣に返事を考えていて、どんな答えになるのか面白く読みました。
最後の白紙の相談に、浪矢さんが、「名無しの権兵衛さんへ」と返事を書いていたのが印象的でした。


　
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