ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 リバース 」  湊 かなえ

2015-12-10 22:01:55 | 
  「 リバース 」 湊 かなえ

      

表紙の丸くて黒い物はコーヒー豆です。
いきなり「 深瀬和久は人殺しだ 」で始まる文章に引き込まれ、2日で読みました。
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深瀬和久は事務機会社に勤めるサラリーマン。 コーヒーを楽しむのが趣味で、会社で同僚にも淹れて喜ばれている。
行きつけの豆専門店「 クローバー・コーヒー 」で知り合い、付き合い始めた越智美穂子のもとに「 深瀬和人は人殺しだ 」の告発文が届く。
問い詰められ、秘密にしていた学生時代の出来事を告白。 美穂子は去ってしまう。

学生時代、深瀬はゼミ仲間5人で村井のおじの別荘に遊びに行くことになり、事故で後から合流する村井を残し、谷原、浅見、広沢と4人で先に出発する。
深瀬と谷原は無免許で、ほとんど浅見の運転で、途中免許取り立ての広沢と交代しながら、深瀬の調べてきた、サービスエリアで名産品を味わい、
高速を出てから名物のそば屋に立ち寄り、険しい道をやっと別荘に到着。
バ―べキューをして、全く飲めない深瀬をのぞき、酒に弱い広沢も無理に勧められ少し飲んだところに、村井から駅まで迎えに来てほしいと連絡が入る。
飲酒運転になるので、タクシーで来てほしいと頼むが、見当たらないと無理強いする村井に、仕方なしに少ししか飲んでいない広沢が迎えに行くことになる。
深瀬は、広沢のためにコーヒーをポットに入れて手渡す。
その途中の悪路で、運転を誤り広沢は谷に転落、車が炎上して亡くなる。
残った4人は、広沢が酒を飲んでいたことも、断っているのを無理に迎えを強いたことも、
免許取り立ての彼を崖の暗くなって危ない道に送り出したことも、都合の悪いことには口をつぐむ。

数年後、深瀬・浅見・村井・谷原のところにも告発文が届き、それぞれが集まり相談して、深瀬は犯人を捜すため、もう一度広沢のことを詳しく調べ直し始める。
犯人は? 彼の事故の原因は?   そこで、広沢の過去や交友関係から意外な事実や人物とのかかわりが判明する。
~~~~~~~
深瀬が広沢のことを調べ始めて、広沢の人柄の良さがわかり、辛い気持ちになりました。
ご両親の悲しみもひしひし伝わりました。
犯人がわかり、深瀬が誤解して悩んでいた自分に対する広瀬の気持ちも伝わり、しんみりして終わりそうな終章の最後の一行で、アッと驚き、言葉なしです。
良かれと思った善意が最悪の事態を引き起こしていたなんて、、、。
だから、皆が名物のそばを食べるとき、広沢はカツカレーを食べていたのか? 
広沢のなんでも受け入れる、何も言わないやさしさが仇になってしまいました。 残念な辛い終わり方で、しばし呆然です。 

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  ありがとうございます

コメント (2)
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