アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

第二次世界大戦映画DVDコレクションその1(Vol.1~Vol.9)

2015-11-17 18:45:30 | 昔のアニメ、ゲーム、実写、音楽、本、雑誌
第二次世界大戦映画DVDコレクション  KADOKAWA
                    各巻1750円(税別)
*隔週刊火曜発売(最新号はVol.9)。全50巻の予定。

 私は戦争映画に興味はないんだけど、これを機会にまとめて見てしまおうと思っている。ただこのシリーズはハリウッド制作の第二次世界大戦映画に限定されている。戦争映画が好きな人にとっては(いや好きでない人でも)、見たことのある映画ばかりである可能性はかなり高い。私も昔に見ているものもあるが、詳しく覚えているわけでなし、またこの全50巻を仮に自分で集めようとするなら、それはそれで結構大変である。隔週書店へ行くだけでこれだけの映画が揃うのだから、買わない手はない。

 個々に感想でも書こうかなと思ったが、それほどの興味もないのでまとめて書くことにした。例の曲順入れ替えでだいぶ溜まっているのを一気に見たのでちょうど都合もよい。VOl.9までのラインナップは以下の通り。

①戦場にかける橋  (Vol.3)日本公開1957(昭和32)年
②眼下の敵     (Vol.6)日本公開1958(昭和33)年
③ナバロンの要塞  (Vol.5)日本公開1961(昭和36)年
④史上最大の作戦  (Vol.4)日本公開1962(昭和37)年
⑤大脱走      (Vol.2)日本公開1963(昭和38)年
⑥バルジ大作戦   (Vol.8)日本公開1966(昭和41)年
⑦トラ・トラ・トラ!(Vol.1)日本公開1970(昭和45)年
⑧パットン大戦車軍団(Vol.9)日本公開1970(昭和45)年
⑨硫黄島からの手紙 (Vol.7)日本公開2006(平成18)年

 日本公開順に並べてみました(その方がいいと思って)。

 さて、この中で戦争映画が好きとか嫌いとか、興味があるとかないとかに関わらず、映画ファンなら見ておきたい作品は④と⑦の2つ。どちらももう今では作れない。④は白黒なのが残念ですが、数千人のエキストラを集めて撮影したノルマンディ上陸作戦の映像は圧巻。今見てもすごい。兵隊が溢れている、動き回っている。これだけカメラを引いて撮れるのも、数千人のエキストラを使った賜物である。そして⑦は実際にこれだけの戦闘機を飛ばして撮影し、真珠湾攻撃を史実通りに描いている(詳しくはこのカテゴリーの記事「トラ・トラ・トラ!(映画)」を参照)。

 他の映画についてだが、①は細部でおかしなところが多いが、本作の狙いは別のところにあるわけで一筋縄ではいかない映画だが、「映画はディテールだ」という黒澤明の言に従えば、作品としては買えない。②は潜水艦対駆逐艦の戦闘を知るには絶好。③はチームを組んで任務遂行するという、昔の特攻野郎Aチームみたいな話。この手の話が好きな人には外せない映画。⑤は今見るとどうか。主役はマックイーンではなく本当はビッグXではなかったのか。⑥はもっと戦車をたくさん出してスケール感が欲しかった。贅沢な意見なのは承知しているが、④を見てしまった後では少々がっかりする。⑧は厳密には戦争映画ではない。アメリカの軍人パットンの半生を描いた映画。ただパットンが戦車隊を率いた指揮官なので、戦車戦がある、といった程度。ただし伝記映画好きには外せないこと間違いなし。⑨は2部作の第2部なので、第1部の「父親たちの星条旗」(Vol.16として発売予定)と合わせて感想を書くので、ここではあれこれ書かないが、この内容だったら2時間20分も要らない。1時間30分にきちんとまとめられるはずである。

 私が①から⑧まで見て言えるのは、どの戦争映画もだいたい3時間(180分)かかっているが、うち1時間は最前線で戦う主人公たちのおかれた状況説明に取られているということ。これは致し方のないところで、そこを説明しないと話が分からなくなってしまう。だから実質は約2時間。②のように潜水艦1隻と駆逐艦1隻の戦いに限定しても、そこに人間ドラマを乗せて映画を作るだけで約1時間30分もかかってしまう。

 それと見ていて感心するのは、普通映画は1時間30分である。戦争映画はその倍の3時間。しかし退屈せずに見ることができるのは、大変に素晴らしいことで、編集作業に非常に神経を使っているからだと思う。これだけの編集能力を今の映画人たちは持ち合わせているだろうか。そこで思うのは⑨である。無駄に長い。この映画は最近作られたものである。やはり今の映画人に高い編集能力がないことの証明ではなかろうか。

 私は映画ファンでもないので、そういう人があれこれ戦争映画を、題材が第二次世界大戦に限定されてしまうとはいえ、見て感想を書くのも何かの参考になるかと思うので、今後もこういう形で続けたいと思ってます(せっかく毎号買っていることですしね)。

 蛇足)だいたいこの手のDVDコレクションって第1号は、書店で派手に平積みになるが、だんだん売れなくなると棚の片隅に1冊か2冊、そっと置かれるようになる。私が毎号買いに行っている駅前の本屋がまさにそう。いまや1冊しか入荷しない。その1冊を私が買い続けている。毎回、売れてるかなあ、売れてないかなあと、どきどきして発売当日か翌日にいそいそと本屋へ通っている(もちろん売れていたら、取寄せるだけなんだけど)。私しか買わないのかしらん。ちょっと寂しい。

 だたこのDVDコレクション、あんまり売れてないんじゃないか(打ち切りになっても別に私は驚かない)。戦争映画好きなら既に大半は見てしまっているんじゃないか(レンタル屋で借りるなどして)。やっぱりこういう企画はまずマニアの心をつかまないとね。その意味では「隔週刊 東宝・新東宝戦争映画DVDコレクション」の方が上。こちらはかなり売れているんじゃないかという気がする。

 まあ私みたいな初心者にはこの「第二次世界大戦DVDコレクション」で十分ですが。


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