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DAZN観戦 2023年J2リーグ第42節 ブラウブリッツ秋田vs徳島ヴォルティス

2023-11-24 18:13:54 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(順延26節・町田戦、1-2)
※前回の徳島の記事はこちら(41節・藤枝戦、0-0)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(岡山戦、2-0)出場停止の高田椋がスタメン復帰。
  • 田中裕が今季限りでの現役引退を発表。
  • 37節(栃木戦、2-0)で負傷交代した水谷の詳細が発表され、全治8週間との事。
  • 40節(大分戦、1-2)で負傷交代した飯尾の詳細が発表されるも、全治は未定との事。

<徳島スタメン>

  • 杉本が累積警告により出場停止。

ある意味残留争いに相応しいといえる、塹壕戦への切り替えで生き残りを果たした徳島。
その後は、前節の対戦相手である藤枝と同様に本来のポゼッションスタイルを取り戻さんとしたものの、その爪痕は大きかったようで。
藤枝のハイプレスを受け、パスを繋ぐのに難儀する時間が長く。
相手選手の退場に助けられたという格好でボール保持率を高めたものの、結局はそれだけという感じのスコアレスドローに終わった前節。

シーズン途中で解任され、結局は業務提携を果たしたレアル・ソシエダ(スペイン)側のコネの人事というような印象を残したベニャート・ラバイン前監督。
そんな経歴で思い起こされるのが、現在J1の上層に定着している川崎の胎動期。
未だJFL所属の時代の頃、J参入を目指すためにグレミオFBPA(ブラジル)と業務提携を結んだという事があり。
それでも盤石とはいかず、何とか1999年に初のJ1昇格を果たしたのですが、そこでその関係が足枷となり。
昇格の功労者である松本育夫監督を突然代え、コーチのゼッカ氏(グレミオ出身)が監督に就任したシーズン前。
この不透明な人事(と、大量の選手獲得)によりチームの和は乱れ、1年でJ2へ舞い戻る事となりました。(ゼッカ氏は10試合で解任)
その後4年間J2暮らしを強いられるなど、あの川崎にもそんな時代があったのか……とも思いますが、それは脇に置いておき。

現代は当時と比べてサッカー戦術も発展し、監督初体験のラバイン氏も優秀な分析担当官だったという事で、当時のような「当たるも八卦な外国人監督」というものでは無く。
それでもジンクスは健在だったようで、賭けに外れた形となった今季の徳島。
恐らくオフには、選手を多くした今季の反動=大量流出が起こる事が予想されるので、一から出直しを図るしかないと思われます。
非常に気になるその動向ですが、まずは最終節を戦う事。

雨模様のなか開催された、秋田のホーム・ソユースタジアムでの最終戦。
現在の徳島はいわば「中途半端なポゼッション」な状態と推測されますが、それは秋田のような強度を押し出すチームにとっては格好の的であり。
いつも通りのサッカーで、ペースを握るのはそれほど難しくはありませんでした。

前半6分徳島のパスミスを拾った齋藤のバックパスを、中村がダイレクトでスルーパス。
受けた藤山の再度のスルーパスがディフェンスに当たり、ラインを割ってコーナーキックと、攻撃が途切れてもセットプレーで継続という流れは不変であり。
この右CK、キッカー高田椋はライナーでのクロスと変化を付けにかかり、さらに上げた先は(ライナー性のボールにありがちな)ファーでは無くニアサイド。
これを中村が合わせヘディングシュート(GK田中颯キャッチ)と、試合に入りきれていない相手を二重・三重にも揺さぶります。

徳島の攻撃時は右サイドバックの西野を前に押し出す姿勢で、ワイドに張る杉森と対比するようにハーフレーンでのプレーが目立ち。
言わば「偽SB」のような立ち位置ですが、折角杉森を追い越して右奥を取っても、秋田はしっかりとそこにサイドハーフの畑が付いてきて自由を与えず。
マンツーマンに対しては効果が無いという事を示すだけに終わります。
ちなみに逆の左も、西谷との関係性で上がる外山に対し中村が付きまとうという具合に、秋田の姿勢は盤石であり。

10分台はロングスロー(またはフェイントで短いスロー)・CK・フリーキックと、秋田のセットプレーが目白押しの時間帯に。
そんな中、19分に右サイドから好機を迎える徳島、今度はワイドで受けた西野のパスに入れ替わった杉森が斜めに進むドリブル。
そして右ポケット奥へと切り込み、角度の無い所からニア上を狙いシュート。
果敢に放たれたそのシュートはゴールバーを直撃して大きく跳ね返りと、前節とは違い思いきりの良いフィニッシュを見せ。

しかしこの好機を挟む形で、20分台も秋田の攻撃機会ばかりとなる時間帯。
小気味良いパスワークでの前進で、次々とアタッキングサードを突いていくその姿はブレを全く感じさせず。
一方の徳島も、最後尾から繋ぐ姿勢にブレは無いものの、それで好機を殆ど作り出せずとあっては優劣は明らかであり。
30分には齋藤のドリブルでカウンターになりかけた所を、永木が反則で止めて警告を受けるなど、厳しくなってきた試合展開。

それでも時間の経過で秋田のハイプレスの姿勢も沈静化。
その隙を突きたい徳島は、35分に中盤でのパスカットから素早く運んで好機に持ち込み。
森海が例によって遠目からシュートを放ち、小柳にブロックされるも拾って継続、今度は長く繋いだ末に左サイドからパスワークでポケットへ進入。
そして棚橋がカットインからシュートを放つもGK圍がセーブ。
殆どボールに拘れなかった森海・棚橋の2人がフィニッシュを放ち、徐々に良化する流れを描きます。

硬直感が拭えないビルドアップも、41分にGK田中颯からの短い繋ぎ。
ここでハイプレスに出た秋田を、右サイド深めで内田がボールキープで2人を剥がしたのちにGKへ戻し、逆サイドへ展開して脱出と見せ場を作ります。(その後奥まで運び、外山がカットインでポケットを突くも防がれる)
しかし以降は攻撃機会を作れず。
アディショナルタイムにはゴールキックでもロングフィードを選択するなど沈静化し、スコアレスのまま前半を終えました。

泣いても笑っても残り45分。
秋田は、ホームで長期間未勝利が続いている(14節・栃木戦での勝利以降)との事であり、その見えない重みは相当なもの。

そして始まった後半、秋田のロングパスを手前でブロックにいった外山、腕に当ててしまった事でハンドの反則。
これによる自陣からのFKが、再度の秋田のセットプレー攻勢の始まりで、中村を狙ったロングフィードの跳ね返りを拾い(諸岡の)クロスにまで繋げ。
一旦クリアされるも、徳島が前に向きかけた所を遮断してトランジションを突く格好となり、中央を縦に運んで齋藤のスルーパスがエリア内へ。
これに中村が走り込み、前に出たGK田中颯のブロックで撃てずも右CKで継続します。
そしてキッカー高田椋がニアサイドにクロス、再び中村をターゲットにし、跳んだ中村ですが合わせられず。
しかしこれがその奥に居た森海に当たってゴールへと吸い込まれ、まさかのオウンゴールという形で先制点が生まれます。
ストーン役が招いてしまった失点に沈む徳島を尻目に、ホーム未勝利の呪縛を断ち切るべくの得点に沸き上がる秋田サイド。

直後の展開も、諸岡の出足良いボール奪取に対し棚橋がレイトで倒してしまいFKを与える(4分)という具合に、動揺を隠しきれない徳島。
何とか落ち着くべく、白井が最終ラインに降りてのビルドアップに活路を見出す事に。

2トップに対し3枚の最終ラインというベタな方策ながらも、リードした秋田が抑え気味になった事でポゼッションは確保できるようになり。
そうなると、外山が最終ラインに残っての3枚など色々形を変える余裕も生まれ、殆どボール奪取させずに攻撃機会を重ねていきます。
それでも前節同様、守備重視の相手に対しどう崩すかというのが最大の課題であり。
11分に棚橋が足を痛めたというタイミングでベンチが動き、棚橋→高田颯。
これにより西谷がトップ下へと回ります。

自身のリズムは掴むも、フィニッシュに辿り着けない停滞感も強まる徳島。
試合を動かしたのは秋田の方で、15分に左サイドでボール奪取した畑、そのまま遠目からシュートを狙うも枠を捉えられず。
これに徳島サイドの方が発奮したか、続く16分に内田が右サイドを持ち上がっての前進から西野がクロス。
クリアされ、拾った内田のクロスも実らずも、逆サイドで拾った高田颯がカットインから中央へのパス。
トップ下に回った西谷が、切り返しを経てペナルティアークからシュートを放つもGK圍のセーブに阻まれ。

攻撃意欲を高めたい徳島、20分さらに動いて西野・杉森→田向・渡へと2枚替え。
これで森海・渡が2トップの4-4-2となり、SHは右に高田颯・左に西谷とポジションチェンジ。

以降右に回った高田颯はワイドに張りっぱなしとなり、その内側で田向が上がるという、「偽SB」の色をさらに強め。
23分(GK以外)全員敵陣へと入り込んで最終ラインで組み立ての末に、左から西谷がクロス。
ファーサイドで渡が落とすと、フィニッシュを放ったのは中央に上がっていた田向でしたが、そのボレーシュートはゴール前で小柳が足を上げてのブロックで防がれ同点ならず。

ポゼッションの神髄は見せている徳島ですが、ワイドからのクロスが多めとなるアタッキングサードでの展開が今一つに見える理由であり。
秋田のような4バックに対し、ポケットを使いながら崩す技量を発揮したい所ですが、果たして来季は望む事が出来るか。

押し込まれる秋田、27分に高田椋のボール奪取からのカウンターで、フィニッシュには辿り着けずも一息つく格好に。
ベンチも直後に動き、中村・青木・齋藤→三上・丹羽・梶谷へと3枚替えを敢行します。
徳島の流れを断ち切ると、30分に右サイドを細かく繋いでの前進、藤山がドリブルから中央へ横パス。
梶谷のポストプレイを経て三上がミドルシュート、これがループの軌道でゴール左を襲うも、GK田中颯が片手で何とかセーブと1点もののプレーに。

勝負を決められなかった秋田。(32分に畑→沖野へ交代、三上が左SHに回る)
以降も早く攻めたい徳島の逆を突くように好機を作るも、ポケットを突いた丹羽がシュートでは無くマイナスのクロスを選択してカットされる(36分)など、その影響が表れ始め。

徳島の最後の交代は38分で、外山→坪井。
これにより右から内田・森昂・田向の3バックとなり、ウイングバックが右=高田颯・左=西谷という布陣での3-4-2-1に。

以降、左右のセンターバックも果敢に上がる、文字通り総攻撃という体勢に入る徳島。
42分には左スローインからの攻めで、坪井がカットインからクロスともシュートとも取れるボールを送り、才藤がゴール前でクリア。
尚も繋ぎ、右からのクロスが流れた所を左奥で拾った西谷が再度クロス、収めてシュートしたのは右CBの内田。
しかしジャストミート出来ず、ゴール右へと逸れてしまいどうしても得点出来ません。

押し込まれながらも逃げ切りを図る秋田、最後の交代は引退が決まっている田中裕の投入でした。
41分に諸岡と代え、最後の花道を勝利で飾らせるべくの采配。
そして44分、クリアボールを拾った梶谷がフィジカルでのキープで森昂を剥がし、絶好のカウンターに。
浮き球での中央のパスをフリーで受けた三上、そのままエリア内でシュートしましたがGK田中颯のセーブに阻まれ。
こちらも試合を楽にする追加点は奪えず終わります。

1-0のまま突入したAT、既に内田も前線に上がり、半ばパワープレイ気味に攻める徳島。
その迫力に、パワープレイ慣れしているはずの秋田もたじろぎ、その内田に次々とフリックを許すなど押し込まれます。

そしてAT内で4度目の徳島の攻撃、今度は渡がロングパスをフリックすると、エリア内へ上がった浮き球を森海が収め。
そこに才藤のクリアが入るも、あろう事かその絵図は森海の腹部をモロに蹴るというものとなってしまいます。
ボールはこぼれたものの、すかさず反則を告げる笛が鳴り土壇場で徳島のPKに。(才藤に警告)
絵図が絵図だけに……といった雰囲気で異議も殆ど無く、時間も押し迫っており素早くPKに移り。
森海がキッカーとなり、ゴール右へ蹴り込んでGKの逆を突き。
しっかりと決め、徳島が同点に追い付きました。

寸前で勝利がスルリと逃げていった格好の秋田。
何とか残り少ない時間で、自陣からのFKという放り込み体制を作りますがモノに出来ず。
結局1-1で試合終了を迎え、望んでいたホームでの勝利は上げられないままシーズンを終える事となりました。

中位を確保(13位)し、大分J2でもその立ち位置を固めつつある秋田ですが、別方向での問題は依然解決の糸口を見せず。
つまりはシーズン中に持ち上がった「ライセンス剥奪騒動」であり、新スタジアム計画ならびに着工が一向に進んでいないのを突かれる事となり。
課題は保留という形で翌年もJ2で臨むものの、こればかりは「秋田一体」の精神をピッチ内で貫くだけではどうにもなりません。
秋田の自治体は別の問題(クマ出没騒動)も抱えている状況でその余裕は無さそうですが、何とか歩み寄り真の秋田一体を発揮できるかどうか。

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