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TV観戦 天皇杯 第103回全日本サッカー選手権大会準決勝 川崎フロンターレvsアビスパ福岡

2023-10-11 16:12:38 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

前回の天皇杯の記事- 準決勝 熊本vs柏(0-4)


未来を左右する……と言っても過言では無い、タイトルを賭けた福岡の10月の戦い。
この試合の3日後には、ルヴァン杯準決勝(名古屋戦)も待ち受けており、厳しいながらもやり甲斐に満ち溢れた日程といえるでしょう。

「5年に一度のJ1」と揶揄されていたのは既に過去の事ですが、あの時にこうした栄光を掴む可能性がある未来が待ち受けている、なんてのは知る由も無く。
そのサイクルに入る前も、(J2設立後)残留争いとは無縁なシーズンを送れたのは2000年の一度のみと、とにかく明日を凌ぐ戦いに明け暮れていた感があり。
いかに長谷部茂利監督の下、確固たるビジョンを持ち戦力を整えながら……と振り返るには早すぎでしょうか。
既に長谷部氏の来季の続投も決まっているとあり、守りに入らないためにもどちらかで決勝進出を果たしたい所。

近年数多のタイトルを獲得している川崎との対決。
入りこそ押し込んだものの、直ぐに川崎が矢印を反転させると、その栄あるクラブ(今季は衰退気味ですが)を前にして怯んでしまった感があり。
前半3分の川崎の最後方からのビルドアップに対し、前線こそ果敢にプレッシングを掛けて阻みにいったものの後方(5バック)が連動せず、かわされた結果押し込まれ。
これにより前5人・後ろ5人の「前後分断」が出来てしまうという、ややどっちつかずな立ち回りに映ると、川崎の全盛期に近いパスワークが冴え渡る展開に。
長らくアタッキングサードで繋ぎ続け、左コーナーキックを得たのが5分。
するとキッカー脇坂のクロスにニアサイドで山村が合わせヘディングシュート、対角線の軌道をしっかりと描いてゴール右へと突き刺さり。
早々に先制点を挙げ、差を見せ付けます。

その後はグローリが、スローインを受けにいくダミアンに対して喰い付くシーンが見られ。(6分)
その性質を試合前から見破っていたのか、立ち上がりからマルシーニョがグローリの背後を狙って裏抜けする事が多く、トーナメント故のしたたかさを発揮していたでしょうか。

反撃したい福岡は、最近取り組んでいるボールポゼッションによる攻撃を見せ。
しかしリードされている以上、「ボールを持たされている状態」に見えなくも無く。
以前観た試合(名古屋戦、1-0)と同様、右サイドで前嶋・紺野の関係性で崩していくのが地上での主たる武器だったでしょうか。

23分に紺野がワイドでボールキープする所を、瀬古に倒されて反則。
これで得たフリーキックはフィニッシュに繋がらずも、以降両者反則ないしはそれに準ずるチャージが目立つようになり。
川崎はマルシーニョやダミアンが痛んで倒れ込むといったシーンが膨れ上がったものの、自身も瀬古が宮に対する反則で警告を受ける(27分)等、お互いさまという流れに。

川崎がそんな不穏な流れとともに停滞感を覚えつつあり、それに反比例して攻撃機会を握る福岡。
32分には再び、今度は左ワイドで小田が脇坂に反則を受けた事によるFK。
キッカー紺野のクロスをファーサイドで小田が合わせ、ヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
得意の空中戦の才を発揮しにいく小田ですが、36分には左サイドを前とのワンツーで抜け出してクロスを入れ、ニアサイドで金森が頭から飛び込む(ディフェンスに遭いこぼれる)という地上での見せ場から際どい一幕も作り。

一方の川崎は、福岡の攻勢を受けてポゼッションを高める姿勢に入るも、ペースは高まらないという印象であり。
そんな中38分、最終ラインでボールを拾うと、福岡の攻撃を切った直後という事もあり左肩上がりの布陣を取ってパスを繋ぎ。
山根が中央に残り、右サイドバックのような位置でミドルパスを受けた家長から攻撃開始、脇坂が中央へスルーパスをマルシーニョに通し。
福岡ディフェンスがアンバランスな布陣と相対した結果でしょうか、綺麗に抜け出してGKと一対一が生み出され、そのままGK村上を右にかわしにいくマルシーニョ。
防ぎにいった村上が引っ掛けてしまい、マルシーニョが倒れると反則の笛が鳴り響きます。
PKならびに村上に警告と福岡サイドに罰が与えられ、逆に追加点の絶好機を得た川崎。
キッカーはストライカーらしくダミアンが務め、ゴール中央へのシュートを蹴り込み。
しかし右へと飛んだGK村上が、身体を残しながらのセービングを選択した結果、セーブされ防がれてしまいます。

PK失敗という後ろめたさを得てしまった川崎を尻目に反撃に掛かる福岡、GK村上ロングフィード→山岸フリックで一気に敵陣に運び。(42分)
川崎の自陣深めからの左スローインをカットすると、そのまま細かな繋ぎを経て山岸がエリア内右を取ってマイナスのクロス。
すかさずニアサイドで合わせた金森のシュートがゴールネットを揺らします。
絶体絶命の危機を防いだ流れを、綺麗に同点に繋げました。

これで勢いに乗った福岡、アディショナルタイムにも紺野が中央ペナルティアークからシュート。(ブロックに当たり左へ外れCKに)
直後のCKからも宮がヘディングシュート(枠外)と、ひとしきり川崎ゴールを脅かします。
今シーズンを象徴する昇り調子ぶりを、ピッチ内でも表現するに至り前半を終えました。

そして後半が始まると、その勢いを維持して攻め上がり。
キックオフからの攻撃で押し込む福岡、一旦途切れるもクリアボールを前が拾って継続し、右サイドからの前嶋のアーリークロスを山岸がフリックで合わせてのヘディングシュート。(ゴール上へ外れ)

川崎は慌ただしい入りを強いられ、直後の後半2分には裏へのロングボールに走り込んだ紺野に対し、蓋をした山村がヘッドでGKへバックパス。
しかしこれが短くなり、紺野とGKチョンソンリョンが交錯しかけてあわやという場面を作ってしまいます。(ボールはこぼれるも何とかクリア)
その後も3分に井手口がミドルシュート(ブロック)、5分に紺野のクロスを中央で収めた山岸がシュート(ブロック)と、福岡の攻勢は続き。

何とか落ち着きたい川崎は、例によって家長が逆サイドに流れてのパスワークに活路を見出し。
6分にその手法で左サイドに人数を掛けた末に瀬古のクロスが入ると、クリアボールをこれにより中央に絞っていたマルシーニョが拾いシュート。(枠外)
多彩なパスワークが持ち味の川崎ですが、あくまでフィニッシャーをボックス内に張らせる意識に立ち帰れたでしょうか。

迎えた9分、ここも左サイドでパスを繋ぎ(ただし家長は右サイドに張る)、登里が奥を取ってグラウンダーでクロス。
クリアが中途半端に浮いた所をマルシーニョがヘッドで詰めにいき、GK村上がパンチングで逃げたものの跳ね返りを橘田がミドルシュート。
エリア内で奈良がスライディングでブロックしたものの、跳ね返しきれずゴール右上に突き刺さります。

結果的に、この時間帯での攻防が勝負の分かれ目となり。
良い感じに攻めていた福岡がモノに出来ず、逆に流れを反転させた末に勝ち越し点を奪った川崎。

以降本来の力を発揮するように、川崎が攻撃権を独占するに至ります。(10分に金森のチャージを受けた山村が激昂し報復行為、といったシーンがありましたがご愛敬で済み)
11分にFKを素早くリスタートして右サイド奥を突き、脇坂がカットインでエリア内中央へ運んだ末にスイッチ気味にパス。
そして瀬古がシュートするもGK村上がセーブと、辛うじて防ぐ福岡。
以降も押し込んだ結果の量産されるセットプレーでゴールを脅かす川崎、13分の左ワイドからのFKで、キッカー脇坂は直接シュートを選択。(GK村上セーブ)
17分には右CKから、キッカー脇坂のクロスを山村が合わせヘディングシュート。(GK村上キャッチ)
重ねられるフィニッシュに、守護神・村上の仕事も増えていき。

2失点目以降、殆ど攻撃できずに糸口を掴めない福岡。
20分にベンチが動き、小田・金森→湯澤・鶴野へと2枚替えを敢行します。(前嶋が左ウイングバックに回る)

何とか球際の強度を高め、ボールを確保する事で反撃体制を作りに掛かり。
21分に前と脇坂が激しい攻防の末に、ボールを確保した前が後ろから腕でチャージを受けたという事で反則・脇坂に警告。
以降、綺麗な前進とはいかずとも何とか敵陣へと運び、同点を狙いにいく福岡。
その流れで左CKを得たのが25分でしたが、齎されたのは非情な結果となります。
クロスの跳ね返りを尚も繋ぎエリア内へ放り込みましたが、GKチョンソンリョンがそれを抑えるとすかさず裏へとロングフィード。
そしてその先には超スピードで抜け出すマルシーニョの姿があり、僅か一手でGKと一対一が出来上がり。
慌ててエリア外へ出て来たGK村上の上を抜くループシュートがマルシーニョから放たれると、必死に戻る奈良を嘲笑うかのようにゴールへとボールが転がります。
超絶すぎるカウンターにより、突き放しに成功した川崎。

精神的にくる失点の仕方となってしまった福岡。
ファイティングポーズを取り直すべく、ジョーカーのウェリントンを投入したのが28分でした。(紺野と交代、山岸がシャドーに降りる)

しかし思うように前進出来ないのは変わらず。
紺野を退かせた事で推進力も失ってしまうなど、却って悪くなった感もあり。
(川崎は30分に瀬古とマルシーニョに代え、ジョアン・シミッチと瀬川を投入)

一向にムードを高められないまま、32分に再度交代を敢行する長谷部監督、グローリ・前→三國ケネディエブス・平塚へと2枚替え。
一見同ポジションでの交代に見えながら、三國はFWに入り、これにより4-4-2へとフォーメーションも弄ります。
もはや推進力に高望み出来ないので、ダブルターゲット(ウェリントン・三國)を活かしての攻めへと切り替える意図だったでしょうか。

しかしその効果が発揮されないうちに、尚も牙をむく川崎の攻め。
36分に左CKに持ち込むと、キッカー脇坂はファーサイドへクロスを上げ、ヘッドで合わせたのはダミアン。
PK失敗を払拭するヘディングシュートがゴールネットを揺らし、とどめとも言える4点目を齎します。
これで興奮のあまり、ユニフォーム(とアンダーウェア)を脱いだダミアンが警告を受けるも、ゴールという結果で負の感情を投げ捨てたかのような光景にも映り。

点差は3で終盤を迎え、何とか意地を見せたいという状況と化した福岡。
長身2トップとなってからも、ロングボールの多用はせずあくまでサイドからの前進で攻める体勢に。
39分に右サイドを上がった湯澤が、意表を突いてエリア手前へのクロスを送ると、ペナルティアークで山岸がボレーで合わせ。(枠外)

しかしダミアンのパフォーマンスに続かんというばかりに、これまでの不調ぶりを振り払ったような川崎に尚も攻めかかられ。
40分に敵陣深めでボール奪取した家長、シミッチのリターンを経てダイレクトでループシュートを狙うも、惜しくもゴール上へと外れ。
その後も福岡はファウルスローを犯してしまうなど不純な流れは続き、時間はついにATに。

そしてとうとうパワープレイに舵を切り始める福岡。
それを受けた川崎は、家長→高井へと交代し5バックシステム(3-3-2-2)を取り。(その後さらにダミアン→山田へと交代)

時間も最終盤、右サイドから湯澤が浮き球を送ると、落としたのはウェリントンでも三國でも無く山岸。
これを拾った鶴野がボールコントロールの末に、ペナルティアークからシュートを放つとゴールネットが揺れ。
1点を返す事に成功しましたが、反撃もここまで。
キックオフを待たずに試合終了を告げる笛が鳴り、福岡は健闘空しくここで敗退となりました。

かくして決勝戦は、柏vs川崎というカードとなり。
ともにリーグ戦では苦しみに苛まれたクラブ同士、まさにカップ戦が織り成すカードの彩となりましたが、優勝ならびにACL権を手にするのはどちらか。

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