
阪神大賞典は福永祐一騎手騎乗の3番人気ギュスターヴクライ(左)が勝利。昨年の3冠馬で断然人気に推されたオルフェーヴルは2着に敗れた
第60回阪神大賞典(18日、阪神11R、GII、4歳以上オープン、国際、指定、別定、芝3000メートル、1着本賞金6000万円=出走12頭)福永祐一騎手騎乗の3番人気ギュスターヴクライ(牡4歳、栗東・荒川義之厩舎)が優勝。昨年の4冠馬オルフェーヴルを破る大金星を挙げた。勝ちタイム3分11秒8(稍重)。
単勝1.1倍の断然人気に推されたオルフェーヴルは2着、3着には5番人気ナムラクレセントが入った。
“現役最強”オルフェーヴルの本来の走りとはほど遠い。阪神競馬場が悲鳴に包まれた。
後方で脚を溜めて直線で爆発させる―この戦法で昨年4冠を奪取したオルフェーヴルだったが、この日は終始行きたがっていた。スタート後、オルフェーヴルは掛かり気味に2番手を追走。鞍上の池添騎手が必死になだめるが、うまく折り合いがつかない。
前半1000メートルを64秒9で通過するスローペース。オルフェーヴルはこの流れに対応できず、向こう正面に入るところでは先頭に立っていた。
スタンドが大きな悲鳴に包まれたのは3コーナー地点。オルフェーヴルが逸走した。コースを外れて歩くほどのスピードとなり、ズルズルと後退。レースから離脱寸前の状態となった。しかし、レースは流れ続ける。ナムラクレセントを先頭に直線に入ると、各馬が横一線の追い比べ。
その争いの一番外にオルフェーヴルがいた。4コーナーで後方3番手まで下がったオルフェーヴルは再びエンジンを点火。大外を一気に追い上げた。
大歓声があがる直線、内ギュスターヴクライ、外オルフェーヴル。2頭の叩き合いとなったが、オルフェーヴルのコースロスとスタミナの消費は激しく、ギュスターヴクライが半馬身差突き抜けたところがゴール。
最後巻き返したものの、不本意なレースで7戦ぶりの黒星となったオルフェーヴル。次走の天皇賞・春(4月29日、京都、GI、芝3200メートル)、そして「今年の最大目標」と掲げる世界一決定戦・凱旋門賞(10月7日、仏GI、ロンシャン、芝2400メートル)に向け、不安を残す走りとなってしまった。
勝ったギュスターヴクライは父ハーツクライ、母ファビラスラフイン、母の父Fabulous Dancerという血統。JRA通算成績は16戦5勝。重賞は初制覇。福永祐一騎手、荒川義之調教師ともには同レース初制覇。(サンスポ)