〈栃木―山形〉後半32分、相手ゴールにFW山崎雅人が迫るも、厳しいマークで倒される=宇都宮市・栃木県グリーンスタジアム
サッカーJ2は第22節の1日、各地で11試合を行った。モンテディオ山形は宇都宮市の栃木県グリーンスタジアムで栃木と戦い、0-1で敗れた。通算成績は12勝5敗5分けで、勝ち点は41のまま。順位は前節首位から4位に後退した。
前半は栃木の細かなパス交換から崩されて押し込まれた。前半15分、DF小林亮のオウンゴールで先制され、0-1で折り返した。後半は徐々にサイド攻撃からチャンスを見いだしたが、決定力に欠き、最後まで得点できなかった。
このほか、東京Vは水戸を2-0で下して勝ち点を43とし、首位に浮上した。湘南は松本と、大分は富山とそれぞれ引き分けた。勝ち点41で3クラブが並んだが、得失点差などで2位は湘南、3位が大分。
山形は次節の8日、富山市の富山県総合運動公園陸上競技場で富山と戦う。
【評】運動量、球際など、いずれを取っても相手が上回った。山形は前半から思うようにボールを回せず、パスの精度も低かった。ボールを保持できず、攻撃が単調になり、ゴールまで迫れない時間帯が続いた。オウンゴールを除けば、守備はおおむね安定していたが、簡単に裏に抜け出される局面が目立つなど、攻守ともに精彩を欠いた。
痛恨、かみ合わぬ攻守
「ビハインドから1点を取る力がなかった」(奥野僚右監督)。試合後の記者会見で、開口一番に放った指揮官の言葉に尽きるだろう。球際で詰め切れず、ボールに絡む人数も少なかった。首位の貫禄を感じさせることなく、終了のホイッスルを受け入れた。
「立ち上がりからボールをうまく回せなかった」とMF宮阪政樹が試合を振り返った。序盤から栃木に高い位置で厳しいプレスを掛けられ、ボールを奪われる。何度も最終ラインから攻撃を組み立てようと試みるも、思うようにいかず、ただただ時間だけが流れた。
決定的な場面はあった。前半7分、FW中島裕希が中央から強烈なシュートを放ったが、ゴールマウスをわずかに外れた。すると、同15分に相手のクロスをオウンゴール。攻守の歯車がかみ合わない。嫌な流れを断ち切ろうと模索するも、それ以降はなかなかシュートまでたどり着けず、手詰まり感が漂った。
「いい状態だったらボールに対し4、5人が連動して攻撃できるが、サポートが足りなかった。ルーズボールも拾いきれなかった」とFW万代宏樹。後半28分、センターライン近くで中島がボールを奪い抜け出したが、必死に自陣まで戻った相手の粘り強い守備に阻まれ、シュートまで至らなかった。絶好の決定機もゴール前での受け手が足りず、迫力がなかった。
シュート数はわずかに6本。DF小林亮は「チームとしてシュートの意識が足りなかった。連動性を高めていかなければ」と前を向いた。試合ごとにむらがあっては、厳しい試合を勝ち抜くのは難しくなる。再び首位の座を明け渡した。攻守に安定感が生まれてこそ、本来の強さが発揮されるはずだ。
球際で相手に勢い付けた
奥野僚右監督の話 球際で相手に勢いを付けた。思ったようなゲーム運びができなかった。攻撃では迫力があった場面もあった。後半30分以降は、サイドや中から崩すこともできた。前半立ち上がりから、そうしたプレーを出し切れるようにしたい。
【選手ひと言】
▽DF石井秀典 相手のカウンターに対する対応がよくなかった。
▽MF広瀬智靖 (後半途中出場)個人としてはドリブル突破で、いい攻撃はできたと思う。
▽MF永田亮太 (後半途中出場)負けていたので、勢いを与えないように意識してプレーした。前掛かりになった時にカウンターを食らう場面があった。
▽FW太田徹郎 (後半途中出場)うまくパスがつながらなかった。栃木は気持ちが入っていて、簡単に崩せなかった。 (やまがたニュースオンライン)