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「好きな色は?」と言う質問がある。
わりと即答型の私も、この質問には即答できない。
空の青も好きだし、木々の緑も好きだし、燃える炎の赤も好きだし、土の茶色も、ひまわりの黄色も、闇の黒も、雪の白も好きだ。
紫だってピンクだってオリーブ色だってからし色だって、もうなんだって好きだ。
手持ちの服も、様々な色合いがクローゼットに詰まってる。
だけど便利な色はとなると緑だ。
グリーン系の服は、着回しが一番簡単に出来る。
ベージュとあわせるとシンプルに、黒とあわせるとシャープに、白とあわせると軽快になる。
そして一番落ち着く色も、やはり緑だ。
冬、雪をかぶった緑は、自然の力強さを感じさせてくれる。
春、萌え始める新緑の緑は、命の息吹の逞しさを教えてくれる。
夏、大きな影を作る大木の緑は、清清しい安らぎを与えてくれる。
緑を見る時、心が和まない人っているだろうか。
殺風景な部屋の片隅に置かれた小さなサボテンでもいい。
都会的な店にリースされてる鉢の観葉植物でもいい。
車の排気ガスの中で雄雄しく立ち続ける街路樹でもいい。
ふっと目を留めると、少しだけ心が和やかになる。
地球の温暖化、砂漠化の危険が叫ばれてから久しい。
自分が何をすればいいのか、どうすればいいのか、考えたって大したことは思いつかない。
節電とか、ペーパータオルの代わりに布巾を使うとか、なりたけ車に乗らないとかしか出来ない。
でもどうせ何かと戦うのなら、私は緑を守るために戦いたいと思う。
緑をなくす何かに加担したくないと思う。
緑がなくなると、真っ先に砂漠化するのは、きっと人の心なんだ。
2004/8/27