勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

夕日を眺めながらー6-

2009-03-11 | 移住のお喋り

新しい住まいの周りには花が多い。
中央分離帯にツツジの植え込み。
街路樹にハナミズキやサルスベリ。
公園には桜や藤棚。

そしてレンタルビデオ屋に通う道には、季節の花を植えた花壇がある。
この季節はパンジーが色分けされて咲き誇る。

写真左が歩道。
パンジーの向こうが自転車道。
右が車道。
道の向い側がかなり広い公園。

こう見ると何もないようだが、次々とマンションが立ち並んでいる。
道路沿いを離れると、見渡す限りの住宅。
かなりの人口過密地帯だ。
近くに小学校が二つもある。

昼間はお年寄りと専業主婦と子供の街。
働く男と女は、夜遅くならないと戻ってこない。
この花を見て、心を和ませる暇もないのかもしれない。
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夕日を眺めながらー5-

2009-03-08 | 移住のお喋り
庭を置いてきた。
自分で土を掘り返し、一から作り上げた私の庭。
狭かったが、私には大切な場所だった。

ベランダにおける鉢の数は限られている。
玄関先は北向きなので、植物には向かない。
何を持っていけばいいんだろう。

本当に身を切られるような思いをして、私は多くの植物を捨ててきた。
毎年日陰でも、水が切れても、枯れずに咲いてくれたクリスマスローズ。
私は土を掘り返し、4株を二つの鉢に移し替えた。

去年もきちんと咲いたこの花。
今年もたくさんの花をつけた。
名前通りの時期には咲いてくれない春先の花。

先日近所の花屋さんで買ってきたカンパニュラやヒヤシンスの鉢植えもきれいに花を咲かせている。
だけど小さな苗から育て、株分けし、年月を経たクリスマスローズの花が、私には愛しい。
もう少ししたら、クレマチスも咲きだすだろう。

私の小さな庭。
ベランダに場所を移しても、花の色に変わりはない。
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夕日を眺めながらー4-

2009-03-03 | 移住のお喋り
引っ越し先は、以前の住まいと同じ市内にある。
が、かつては○○市のチベットと呼ばれていた地域だ。
辺境の地だった。

ここ何年かで一気に住宅が増え、町らしくなった。
町が出来れば、当然それに付随したいろいろなものが出来る。
全部歩いて回れる距離内にある。

だが便利すぎるのも困りものだ。
足が痛かったこともあって、引っ越してから通勤以外で町を出ることがほとんどなくなった。
ほぼ隠居生活?

昨日も休みだと言うのに、久しぶりのお天気を利用して、洗濯と掃除に精を出してしまった。
それから近所の歯医者さんに行って、近所のお花屋さんを回った。
その後は母と近所のレンタルビデオ店、コンビニ、ファミレスと回り、最後に映画を観ながら食べるケーキを調達。

ケーキ屋さんに入って思い出した。
今日はひな祭り。
桃の花が飾りについている、ヨーグルトムースとアプリコット&桃のゼリーが層になったケーキを買う。
それぞれの味がお口の中で溶けあい、美味しかった。


便利と言えば…
好きな人までこの町で調達してしまったけ。
彼も少し前まで、決して出会うはずのない場所に住んでいた。
いろいろあって、この町にやってきた。

まるで惹かれ合う運命の…
おっと、幾ら隠居生活をしていても、これを平気で言えるほどは、さすがにボケていない。
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夕日を眺めながらー3-

2009-02-22 | 移住のお喋り
ストレスの原因は、よくある話だが、対人関係だ。
問題は原因を知り、対策を練ることにあると思う。

そして何より気分を変えること。
私のアレルギーがよくなり始めたのは、忘年会で彼と少しだけ親しくなった頃だった。
こんなもんなのだ。

その忘年会より少し前に、庄司さんのご両親が経営する「スナック薫」で忘年会があった。
いつものメンバー全員で、と言えればよかったのだが、都合で来られないメンバーもいた。
それでも気の置けない仲間が集まると楽しい。

しかもこの夜の目的は忘年会だけではなく、メンバーの1人であることはちゃんの結婚&おめでたのお祝いでもあった。
みんなから心ばかりのお祝いのプレゼントを送り、大きくなったお腹と、幸せそうなことはちゃんの顔を見ながら気持のいいお酒を飲む。

鬱が治りきっていなかった私はカラオケに参加しなかったが、いつものお客さんの楽しい歌も聞かせてもらったし、気分がいいと悪い酔い方はしない。
もちろんママさんのエビフライ付きだし。
鬱なんかどっかに飛んでけ~。

ついに庄司パパがやや暴走気味に、「すべらない話」を始めた。
もうおかしくておかしくて、私たちは爆笑の渦。
この父にしてあの子あり。
いや、正直庄司さんよりパパの方が話術は上かも。

帰りがけに、パパさんからお歳暮を頂いた。
これだけ笑わせてもらって、お歳暮まで頂く。
実に贅沢な時間だ。

そろそろ「スナック薫」での次の飲み会を計画しよう。
ただし参加メンバーは、私の甘やかで切ない悩みを聞かされる覚悟をしてもらうしかない。

メンバー誰も集まらないかも…。
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夕日を眺めながら-2-

2009-02-20 | 移住のお喋り
引っ越しをして、すでに1年以上が経つ。
11月の末の引っ越しだったから、最初のお正月は段ボールが残った部屋で迎えた。
さすがに段ボールはなくなったが、この1年が経つのは早かった。

最初の年の暮れは、さまざまな手続きの中で過ぎた気がする。
ネットが開通しないのはかなり堪えた。
サーバー側も理由が分からず困っていた。
結局ルーターを新しいものに変え、どうにかネット生活に戻れた。

年を越えても、引っ越し準備の際に痛めた右膝は治らない。
5分歩くと、膝の上の腿の部分に、20cmほどの鉄板を入れたような状態になる。
パンパンに張り、痛いと言うより重い。

庇って歩いているうち、テニスで傷めた左膝も悪化した。
椅子に座るより低い状態になれないので、収納の下の方の整理は笑いごとではなかった。

桜の季節には、どうにか膝もよくなっていたが、今度は極度のアレルギー症状に悩み始めた。
全身に湿疹。これは痒い。
足の裏にも。これは痛い。

皮膚科に行っても、菌は見つからず原因不明のまま匙を投げられる。
内科のアレルギーの薬を飲み続けるしかない。
何しろ足の裏の湿疹は歩くたびに痛みを伴う。
この時期、痒いのと痛いのとで、頭がおかしくなりそうだった。

アレルギーの投薬を続けて3か月。
やっと湿疹が収まり、痒みはなくなった。
だけど痛みの方は治らず、薬のせいで終始眠かった。

さらに薬を飲み続け、秋になった頃、ようやく足を引きずらずに歩けるようになった。
殆ど痛みがなくなってきたのは年も暮れる頃。
丸1年、膝から始まって、足の痛みに苦しんでいたことになる。

私が夕日を眺める時間が長くなったのは、そうするしかなかったからだ。
一日出かけると、翌日は休まないと耐えられなかったからだ。
一日置きに家にいて、ほとんど動き回れなかったからだ。

そして気付いた。
アレルギー症状の原因がストレスにあったことを。
そのストレスを生んだ原因がなんであったかも。
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夕日を眺めながら-1-

2009-02-16 | 移住のお喋り
日本の一般的な一戸建て住宅の敷地はそう広くない。
2階の窓から外を見ても、隣の家の窓が見えるだけだったりする。

庭はないけど、集合住宅だと視界はかなり広くなる。
玄関の扉を開けて外に出ると、満月が目の前に見える。
月を眺めるために、しばらく外の手すりにもたれかかってみる。

私の部屋の窓は南西向きで、ちょうど真西の方角が広い駐車場になっている。
西日は射すが、フローリングなので畳が傷む心配はない。

だから時間がある時は、夕日が沈むのをぼんやり眺める。
穏やかな時が流れる。

彼はこの夕陽を見られない。
窓が南東を向いているから。
その代り昇る朝日が見られる。

春になったらすぐ傍の公園の桜でお花見が出来る。
隣にいられたら…。

恋は妄想も生む。
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月には帰れない―最終章ー

2009-02-13 | 移住のお喋り
「家」と言うのは心の安定を得られる場所のことだ。

前の家に住んでいた頃も、そして今も、私は「仮の家」に住んでいる。
まだ心の安定は得られていない。

それは引っ越して1年以上も経つのに、まだ完全に物があるべきところに収まっていないと言うのとは関係ない。
膝爆弾のせいで、2か月はまともに歩けなかったので、整理が遅れただけにすぎない。

そこが結婚した相手と住む家でないから、と言うのとも関係はない。

理想の家でないから?
大きな家ではないから?
ますます関係ない。

それは心の問題なんだと思う。
ありとあらゆる条件を備えた貴公子たちから求婚されても、かぐや姫は月に帰りたいと言った。
竹の中から生まれ、月に住んだことのないかぐや姫がなぜ月に帰りたがったのだろう。

私は心の中に故郷を持っている。
それがどこか、私は知らない。
まだ見たことのない風景の中に、私の「家」は存在している。

月からの使途が私を迎えに来ないことだけは知っている。
それは私が探し、見つけ、作り上げるものなのだ。

私はまだ当分、月へは帰れそうにない。
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月には帰れないー8-

2009-02-12 | 移住のお喋り
引っ越して、変わったものは家だけではない。
世帯主が私に変わったことだ。
父が亡くなってから、ずっと世帯主は母だった。
私は親の家に同居している娘だった。

これからは違う。
私の家に母が同居することになったのだ。
公共料金の請求書は私宛に来る。
住民票も書き換えた。
そう言えば印鑑証明もした。

本当はもっと早く家を出て、一人暮らしをするものなんだろう。
これまで楽してグダグダ暮らしてきた付けが、今回ってきたような気がする。

責任感?
そんなものはない。
なるようにしかならないと思っている。

庭のない家にもいいところはある。
一番に上げたいのは日当たり。
天気のいい日は真冬でも夜まで暖房がいらない。

見えない場所の埃やカビがなくなったせいか、毎晩恒例だった咳がぴたりと止まった。
あのままだったら肺か気管を病んでいたかもしれない。

そして何より、隣の家の生活音が聞こえないこと。
一軒家より集合住宅の方がうるさくないって、かなり意外だった。
基地の騒音範囲内なので、防音がしてあると言っていたが、かなり役立ってるみたいだ。

悪いところは・・・。
ないことはないが、言わないでおこう。
住んでいるところに文句を言いだしたら、また引っ越さなければならないから。
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月には帰れない-7-

2009-02-11 | 移住のお喋り
引っ越し2日目、私は家具の配置を指示するため、先に引っ越し先に赴いた。
大きな家具の置き場は決まっていたし、きちんと測っておいたので問題なくおさまっておく。

私の数多い文具は、古い引き出し付き棚を捨ててしまったので、段ボールに入れたままリビングの端に。
CDも同じ運命を辿った。
もちろん新しく買う家具に収納される予定だ。

心配だったのは元の家に残してきた母が、私の指示をちゃんと伝えられるかだった。
照明を外して持ってこないと、今夜はロウソク生活になる。
それに考えて考えて、やっと選んで、鉢に移しておいた可愛い植物たちをちゃんと持って来てくれるだろうか。

元の家の廃棄物を整理に行った業者さんからも連絡がないまま、かなりの時間がたった。
待ちくたびれた頃、やっと母と一緒に戻ってきた。
捨てるゴミが多すぎて、予算内ではとてもおさまらなかったらしい。
痛い出費が嵩むが、20年分の重みだと思って諦めた。

クレマチス、クリスマスローズ、アイビーゼラニューム、そしてベンジャミンは無事到着し、ベランダに並べられた。
照明も天井から下げられた。
これ以上何かする元気はもうない。

すぐ側にあるイタリアンレストランに最初の食事をしに行った。
カシスオレンジで乾杯。
食べ終わり、足は引きずって歩くしかない状態だったが、仕方なく席を立つ。

エレベーターで家に戻る。
妙な感覚だ。
それでも今日からここが私の家だった。
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月には帰れないー6-

2009-02-10 | 移住のお喋り
ついに本契約を結んだ。
1週間後から家賃が発生する。
引越しの予定日も決まった。

少し買い物をして帰ることにした。
レジで小銭を落としたので、しゃがんで拾った。
そして立ち上がろうとした時…
膝に激痛が走った。

右膝内側側靱帯損傷。
膝がぷよぷよして腫れた。
だけど今更予定を変えるわけにはいかない。
私は湿布を貼り、テーピングをして凌ぐことにした。

毎晩氷で冷やしながらだと、もう重い荷物をゴミ捨て場まで運ぶこともできない。
仕方なく、残りは引っ越し業者に持って行ってもらうことにした。

いよいよ引っ越し第1日目がやってくる。
女性3人が衣類、食器など細かいものを箱に詰めていく。
私はいるものといらないものを指示するため、痛む膝であちこち動き回った。
男性2人が大型の家具を運んでいく。
トラック2台に荷物が積み込まれる。

その夜は、これが食べ収めとなる、近所のメチャクチャ美味しいうなぎ屋さんでうな重と肝吸いを頼んだ。
最後にやるつもりだった庭の整理は、結局手つかずになってしまった。
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