あろてあろあ日記

単なる日記です。特にテーマもありません。
目的地を定めない旅行もいいものです。

争い方

2007-06-28 | Weblog
光市母子殺害 「被告パニック状態」 犯罪心理鑑定人が証言(産経新聞) - goo ニュース

山口県光市の母子殺害事件で、殺人などの罪に問われ、最高裁が1、2審の無期懲役判決を破棄した元会社員の男性被告(26)=事件当時(18)=に対する差し戻し控訴審の第4回公判が28日午前、広島高裁(楢崎康英裁判長)で始まった。前日に引き続き犯罪心理の鑑定人への弁護側の証人尋問が行われ、「被害者を死亡させた行為では、パニック状態で正常な判断ができなくなっていた」と証言した。

 鑑定人は、被害者の本村弥生さん=当時(23)=に抱きついて抵抗にあった際の被告の心理について、「癒やしてほしいという感情を阻止され、自分勝手に腹を立てた。他者からは理解されない感情だ」と分析。一方で、動かなくなった弥生さんの胸を触るなどの行為については「性的欲求が起きてもおかしくはない。(欲求がなかったという)被告の主張は必ずしも適切ではない」との見方を示した。


 また、被告の更生可能性について「自分を正当化する意識が強く、反省は全く足りない」としながらも、「心から謝罪できるための専門家のサポートが必要だ」と述べた。さらに、山口家裁が作成した被告の調査記録に触れ「調査結果を精査していれば母胎回帰のストーリーが見えてきたはず。なぜきちんと吟味しなかったのか」と、差し戻しまでの審理に対して疑問を投げかけた。




弁護団の主張の根拠はこれにあるのかな。


全く科学的根拠がない主張ではないようなのですが,それは被害者やテレビには伝わっていないようです。




弁護側は,最終弁論では,最高裁判決の弱いところを含め,すべてに対して,きちんと主張するのでしょうが,それまでにどのような姿勢で裁判をすすめるのかも,人間である裁判官が判決する以上,重要ではないかと思います。


いくら正義のために争う,といっても,ある程度周りの共感を得られるものでないと,正義が揺らいできてしまうような気がします。




明日は,刑事弁護の即日起案があります

新たな世界

2007-06-27 | Weblog
先週の金曜日から,ほぼ一日おきに起案があり,これが来週の水曜まで続きます。


今日で折り返し地点といったところでしょうか。


ようやく文章を書くことにも慣れてきましたが,時間配分がうまくいかず,最後はいつも大慌てです




実務修習中,翌日の事件の記録はほとんど目を通すようにしたり,やや難しめの起案をやるために,残業代も出ないのに残ったりしていました。


そのときは,正直,やらなくてもいいかなと思いつつも,修習は一度しかないから,と,それなりに取り組んできました。




確かに,無理をせず,最低限だけやっていくのが,合理的なのかもしれません。


ですが,時には自分に負荷を課すことによって,別の世界があることもあります。


スポーツのトレーニングなんて,その類でしょう




前期修習のとき,教官が,後期になったら,記録を読むスピード・問題点に気づく能力が飛躍的に伸びるので,結果的に起案の量も増える,と言っていました。


みんなが上がるので,相対的にいって,成績が上がることはないでしょうが,自分の前期修習のときと比べると,それなりに力がついているのではないかと感じないではありません(気のせいかもしれませんが




きのう,弁護士登録のための資料をもらってきました。


修習の終わりとともに,新たな世界が近づいてきていることを感じさせられます

努力と後悔

2007-06-25 | Weblog
袴田事件の元裁判官、最高裁に上申書 再審求める(朝日新聞) - goo ニュース

元プロボクサーの袴田巌死刑囚(71)が冤罪を訴えて再審を求めている「袴田事件」で25日、同死刑囚の支援者らが最高裁に上申書を提出した。一審の静岡地裁判決(68年)を担当した元裁判官の熊本典道さん(69)の陳述書も添付。「公判の当初から無罪の心証を持っていた。合議で他の裁判官を説得できず死刑判決を書かざるを得なかった」などとしている。

 裁判官が判決を出すまでの経緯を明かして再審を求めるのは極めて異例。提出後に記者会見した熊本さんは「袴田君と犯罪事実を結びつける証拠は極めてゼロに近かった。自白調書の任意性について調べ始めたころから、私は有罪にできないと思った」と当時の審理を振り返った。

 陳述書では「良心の呵責(かしゃく)に堪えられず判決の翌年、裁判官の職を辞した」「39年間、有罪判決を書いてしまった責を背負ってきた。私に出来ることがあれば償いたい」などと胸の内を書いている。

 袴田死刑囚は80年に最高裁で死刑が確定した。最高裁に再審請求の特別抗告審が係属している。



まじめな人なんでしょうね。


裁判官や軍人なんかは合法的に人を殺せる人たちなんだから,これぐらいの神妙さが要求されるのかもしれません。





弁護士として,無罪と思っていても有罪となり,死刑になったときどう思うのだろう?


裁判官の言うことにも一理ある,と思えればいいのですが,そうでないときはどうだろう?


無罪の立証に全力を尽くして努力すれば,後悔をしないのでしょうか。



実際に判決を書く裁判官ほどではありませんが,なかなか難しい問題です


山登り

2007-06-24 | Weblog
雨の日曜日です。


どこへ出かけることもなく,一日中勉強です。


今週は3日も即日起案があり,そのうえ課題も出されているので,大変です。




去年は後期修習が3ヶ月ありましたが,今年は2ヶ月しかないので,その分のしわ寄せでしょうか。


前期も同じような感じがしましたが,一応最後まで乗り切れたので,後期も,今は苦しくとも最終的には乗り越えられるのでしょうか。





人間,ひとつ山を乗り越えれば,次の山も乗り越えられるといいます。


でも,逆に考えると,ひとつ山を乗り越えても,また次の山が待っているともいえます。


ずっと山登りが続くのなら,適度に休憩や気分転換をする技術を磨かなければなりません。




ただ,今週いっぱいは,それも難しそうなので,今週がんばったら,少し考えようっと

ワープロの弊害

2007-06-22 | Weblog
後期始まって初めての即日起案がありました。




実務修習中はずっとパソコンを使っていたので,手書きで長い文書を書くのは一年ぶりです。


ワープロであれば,とりあえず書いてみて,順番がおかしいところを直したり,足りないところを補ったり,いくらでも修正可能です。




しかし,手書きでは,簡単な挿入や削除しかできず,よく考えてから書きはじめないと,大変なことになります。


たまに,漢字を思い出せなかったり,送り仮名を正しく付けられなったりすることもあります




何度も書き直してしまったりして,書き上げるのに大変時間がかかってしまいました。


まあ,きちんと考えてから書く,ということを身につけさせるためにも,ワープロでの起案を禁止しているのかもしれません。




夜には,お疲れ様&1年ぶりの再会を祝して,飲み会がありました


後期は勉強が忙しいので,こんなにたくさんの人が集まって飲むのは,あとは後期修習終了日かもしれません