雛人形を作っている江戸木目込人形職人  ~伝統工芸士 新井久夫~

人形のまち岩槻で、おひなさまや、贈答用の木目込人形をつくっている職人のブログです。

続々と木目込の雛人形が出来上がっています。

2010-10-21 23:19:45 | 節句人形 雛人形
       続々と木目込の雛人形が出来上がっています。
       概ね順調です。


頭(かしら=あたま)と手を付ける前のお雛様です。




木目込みの上がりも順調?です。

穴を開ける作業です。



これらはお殿様。



伝統工芸士 新井久夫のホームページ

木目込人形のお雛様 本日の製作現場のワン・シーン

2010-10-05 22:51:11 | 節句人形 雛人形
       木目込人形、製作中です。
       若干遅れぎみですが…。





雛人形を始め、木目込人形は分業ですので、何かひとつでも足りないと完成しません。
手配ミスは起こりがちです。

人形作りは、技術の他に、完璧な準備が必須です。
正直なところ、私はしばしばこれを失敗し、お得意様にご迷惑をかけます。

でも何とか今日の課題は終えました。
明日、箱におさめ、出荷したいと思います。



伝統工芸士 新井久夫のホームページ

秋らしい一日

2010-09-15 23:31:46 | 節句人形 雛人形
       今日くらいの気候がいいですね。

       人形のまち岩槻、本日はこれまでとは違って、秋らしい一日でした。


今年はこれまでのテツを踏まないよう、早め早めに雛人形を作ろうと決意した次第です。

少なくとも、ご注文戴いた雛人形については、なんとしても完納したく思います。

伝統工芸士 新井久夫のホームページ



雛人形の三人官女

2010-09-11 21:34:44 | 節句人形 雛人形
       雛人形の三人官女。

       これも小さいですよ。


この小ささは、木目込人形ならでは、だと思います。

手を取り付けるための穴を開けているところです。




量産する時には、このように電気ドリルを使うこともあります。

後から「手」の形状に合わせ、手彫りで修正します。



伝統工芸士 新井久夫のホームページ

この頃の雛人形

2010-09-10 12:30:07 | 節句人形 雛人形
       笙(しょう)もった楽人(がくじん)です。
       小さいです。この頃の雛人形。


眼鏡(老眼鏡)を取り換えようかと思うほど、細かい作業が増えました。




もともと木目込人形の特徴である、「小さくてもいいもの」を突き詰める必要を感じます。




大きな人形は、実際のところ、なかなか飾れませんよね。
広い場所のあるお宅はそうそうありません。

小さくても決して手を抜かず、精密でしっかりとした作りの木目込の雛人形を目指したいと思います。

伝統工芸士 新井久夫のホームページ


「雛まつり」のウンチク その3 雛まつりの料理

2010-03-04 22:39:41 | 節句人形 雛人形
昨夜は寿司屋でシジミのみそ汁をいただきました。

昨日は雛まつりですので、ハマグリのお吸い物が本来ではありますが、
出先でしたので…。

通常我が家では、雛まつりは「チラシ寿司」に「ハマグリのお吸い物」なのですが、こんな年もありで…。


さて、雛まつりの料理というものがありますね。
テレビなどでもレシピの紹介が盛んにありましたが、やはり3月3日は特別な日です。

昨日、このブログで「節句」という言葉に触れましたが、
五節句には、その時々の収穫物や、薬草などを神様に捧げたり、皆でいただくという風習がありました。
季節の変わり目には、「体の不調に気をつけよ!」と言ったところでしょう。

ハマグリを使った「貝合わせ」という遊びがありました。

トランプの「神経衰弱」のようなもので、2枚、1対のピッタリと合わさる貝を当てるゲームです。

片方の貝にピタリと閉じ合わさる貝はこの世に一つしかありません。
これが女子の貞操を意味する事への連想から、雛まつり(桃の節句)にはハマグリのお吸い物が付き物となっています。

ちなみに雛人形の白い顔はハマグリの貝と膠(にかわ)で出来ています。

伝統工芸士 新井久夫のホームページ

「雛まつり」のウンチク その2 お雛様はいつしまう?

2010-03-03 22:42:04 | 節句人形 雛人形
今日は3月3日、桃の節句=ひなまつりです。

我が家も雛人形を飾りました。
今年は昨年暮れに亡くなった母の遺影のある、仏間に飾りました。



さて、[流し雛」が雛まつりの起源であることは昨日、このブログで触れましたが、
もともと昔は五節句のひとつ、「上巳(じょうし/じょうみ)」の節句でありました。

上巳、すなわち3月最初の巳の日に無病息災を願う祓いの行事がありました。
この日は神に祈り、季節の食物を供え、また人形(ひとがた)に人間の災い事を托して海や川に流すのです。


さて、雛人形はいつしまうか?という問題ですが、なぜ「雛人形は早くしまえ」というのでしょうか?

昔は川や海に流したから、その名残で「早くしまうことが、流した代わりだ」、という説があります。

あるいは「季節感あるものを時期が過ぎてまで、だらしなく、いつまでも出しておくな」という戒めで、きちんとできないようじゃ、誰も嫁にもらってくれない、といったところでしょう。
(モノを)かたずけない、とかたずかない(女性を蔑視した言い方かも)のごろ合わせもありましょう。

でも旧暦では4月3日が雛まつりですので、そんなに慌ててかたずけなくてもいいと思います。飾る期間が短くては寂しいですよね。



人形職人の立場から、人形の事を思って言いますと、
晴れた、天気のいい、できるだけ乾燥した日を選び、おしまいいただくのがベストだと思います。

ホコリは毛バタキでよく落としてください。
カビやシミの原因になりますから。

伝統工芸士 新井久夫のホームページ

「雛まつり」のウンチク

2010-03-02 22:09:04 | 節句人形 雛人形
さあ、明日はいよいよ「雛まつり」です。

各方面、「雛まつり」に関してはいろいろとウンチクがありそうです。


我々人形業界にとって「雛まつり」はとても大事な日であり、この雛人形が商売の種であります。
雛まつりがあるので、お雛様をお求めいただけるので…。

なぜ、雛まつりが始まったか?ですが、これは諸説ございます。
しかしながら、生まれた赤ちゃんが元気に成長することを祈った行事であることは間違いないと思います。

こんな話、縁起が悪いかと思いますが、昔、昔、大昔はかなりの子供が病で亡くなった事と想像できます。そんな災い事を人形に身代わりになってもらおう、という発想が「流し雛」の起源でもあり、「雛まつり」へと続くのだと思います。

現在の雛人形は川に流したりはしませんが、「お守り」としての意味合いがとても強いと思います。いや、元気に成長する事を願う、お守りそのものだと思います。

一方、女の赤ちゃんだけでなく、子供から、それこそお婆ちゃんにいたるまで、女性すべての「お守り」です。

「流し雛」は女性のための行事です。
穢れや厄などの禊(みそぎ)の行事です。

つらつら述べましたが、「雛まつり」にまつわるお話を今後、触れたいと思います。

伝統工芸士 新井久夫のホームページ

雛人形の商戦もひと段

2010-02-15 23:06:09 | 節句人形 雛人形
昨日、一昨日の土・日で雛人形の商戦もひと段落ついた感があります。

我が工房に目をやると、まさに戦火が去った後のようです。
まあ、言い方を変えると、ただただ、散らかっているだけなのですが…。


体も疲れました。

今日は「針・灸」を予約し、疲れた体のメンテナンスをしてきました。


今年の反省をしつつ、新たに来年に向かい、課題をもって新作を考えたいと思います。

もっともまだ小売段階では完全に雛人形の販売が終了ではありません。小売の販売の現場はまだまだ、それこそ3月3日まで続きます。

私どもでもまだまだ雛人形がございます。
もちろん小売りも致しますので…。
まさに、製造直売、少ないご予算でもご対応致できますよ。

伝統工芸士 新井久夫のホームページ

初節句の雛人形をお探しの方々

2010-02-07 22:40:25 | 節句人形 雛人形
        昨日以上に今日は風が強かったですね。

昨日、今日、初節句の雛人形をお探しの方々は大変だったと思います。
お気に入りのお雛様が見つかったでしょうか?

まだ、お迷いの方は、インターネットで、復習をされている頃かと思います。

たくさんの雛人形のセットを見たり、あっちこっちの売り場を見ているうちに、
かえって迷ってしまったり、疲れてしまって、何が何だか分からなくなったり…。

迷いついでに、「木目込人形」のお雛様も、選択肢の一つに是非、お加えください。
見れば見るほど、「木目込人形」の良さにはまると思うのですが。

しかしながら、人形店によっては「木目込人形」の品ぞろえが充実していなかったり、
ただただ安いだけの作りのよろしくない「木目込人形」のお雛様しか並べてないお店もありますので、
ぜひ、しっかりとお調べください。

人形との出会いは縁だと思います。
素晴らしいお雛様を探せるよう、お祈り申し上げます。

伝統工芸士 新井久夫のホームページ