Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

ひなまつり

2007-03-06 23:19:02 | goo-tb
ぼやっとしている内に、お雛祭りを通り越しました。我が家では、ついつい億劫がって小さなお雛様も大きな段飾りのお雛様も出さないでしまいました。ごめんなさい。
昨日の日記よりさらに遡って土曜日の3月3日。友人と地元でお昼をいただきました。
商家を改装して食事を提供してくれるお店で、映画の撮影にも使われた(『HAZAN』)場所です。



細い小径を入ると、紅白の梅が迎えてくれました。紅梅は見頃を過ぎてしまいましたが、白梅は今が盛り。清々しい香りと白い小さな花びらがひらりひらりと風に乗り、中庭に漂っています。日差しはやわらかく3月上旬とは思われない暖かさに、早い春の訪れを楽しみつつも随分と短く過ぎていった冬を惜しみました。

さて、その商家は明治に建てられ(お店のおかみさんの話では、江戸後期の作という検証もあるそうです。)、増改築を重ねて現在まで使われているそうです。
天井が低くどっしりと落ち着いた1階和室の隅にある引き出しが付いた階段を上がって2階に出ると、天井が高くなりどことなくモダンな感じのする和室、さらに奥には真っ白い壁にバルコニーのある洋室と時代の流れを見て取れます。
室内には贅を凝らした調度品が置かれ(螺鈿細工の美しさは必見ですよ!)、壁や窓の少しの空間には職人さんの遊びがあって、くぅぅっと幸せなため息を漏らしてしまいます。

2階の和室に、お雛様が置かれていました。
おかみさんのお友達の持ち物というお雛様は50年程以前のものでしょうか。大きなお顔のお内裏様とおっとりとまあるいお顔のお雛様が仲良く座り、三人官女や五人囃子たちが従っていました。衣装の豪華さもさることながら、従者たちの豊かな表情や仕草に頬がゆるみます。
お内裏様に寄り添うお雛様はおっとりとしたやわらかい表情で素敵ですが、それより三人官女たちの少し俯き加減の気品のある顔立ちが魅力的に見えました。はっきり言ってしまうと、官女たちの方が美人さんなんですよ。
おかみさんのお話では(おかみさんはお友達さんから聞いたようですが)、お雛様はお内裏様の隣にあって安泰の身であるため安心しきっているんですって。そこへ行くと、大奥のトップに君臨するとは言えお殿様からのお声を待つ身である官女たちの方が、お雛様ほどの家柄は持たぬ身の将来を憂い、美しさを競う緊張感により美しく作られているそうです。




すっかり酔っぱらった家来たち

 
細かい刺繍や織の着物がとても素敵なお雛様


お殿様と官女の秘められた恋?
実は複雑な恋愛模様が描かれているのかもしれません。

はて、うちの雛人形はどんなお顔だったかしらと気になりました。
お雛様たちは、旧暦の雛祭りまでお目にかかれるようです。私も、おかみさんに倣って旧暦でお飾りしようかな。

そうそう、この素敵なお雛様がいらっしゃるお店はこんなです。お出かけの際は予約された方がいいようですよ♪

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