川べのお茶

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仕事のこと、暮らしのこと、時々ぼやき(?)

ゲイルズバーグの春を愛す

2014-03-06 | いろいろ
年末、会社設立以来の書類を整理しました。


その中の多くが
設計事務所からお預りしたもの、
自社のもの、
ご縁がなく着工まで至らなかった設計図たち。
とりあえず保管はしておいたのですが
スペースが限られるため、粛々と処分させて頂きました。

実施図面まで揃っているものもあって、
この図面があれば実際に家は建つんですよねえ。
これ、みんな建てることができていたら
どうだっただろうか...

...そんなに単純なものではなあい!と外野の声も聞こえますが。




     ゲイルズバーグの春を愛す・ハヤカワ文庫
       懐かしの内田善実さんの扉絵です


ジャック・フィニィの珠玉の短編集です。
時をテーマにしたロマンチックミステリの作家 で
数々の秀作を遺していますが、
個人的にこの作品集が一番好き。

その中の一編にこんなお話があります。

ある若いカップルが偶然何十年か前に描かれた家の設計図を目にする。
それは設計されたものの建てられる事なく長い年月眠っていたもの。
しかし 図示通り建てさえすれば
実際に「家」として現実に建ち上がってくるはずのもの。

この設計図にすっかり魅せられた二人は
昔ながらの腕をもつ職人を頼み、この「かつて建てられなかった家」を造るのですが...



あとはぜひ、お読みになってくださいませ!

私の拙いご紹介よりぜひ一読。



建築は設計と施工と、そしてお施主様の三者が揃って
初めて実を結ぶもの。
処分せざるを得ない、様々なひとの想いが込められたであろう図面を前に
しばし感慨に耽りました。
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