愛の俳句です
強烈なのははじきましたが
官能的な耽美的なものも惹かれます
(やはりはずしました憚れるので)
≪春の夜の 死よりしずかに 接吻す≫
死んでもいいそう思うのは辛い時では
なく幸福な時なのかもしれませんね 解説より
≪桜姫 とは月明りに 消ゆるもの≫
歌舞伎「桜姫東文章」より 幻想の女性は姿を消す
17文字のもっとも小さな物語の完成です
≪愛夜の ラムプのやうな ちいさな恋≫
どこか恥らうような息詰まるような
ふたりは初恋だろうか
≪人形の だれにも抱かれ 水草の花≫
次々と抱かれる人形人をうらやむ気持ち
サディスティックでエロティックで倒錯的
≪かなしみの みずうみがあり 泳ぐなり≫
どこにあるのかわからない無いかもしれない
みずうみに想いをこめる 泳ぐが夏の季語
これは『逢いたくなっちゃだめ』という
猫の写真の数々とともに編集された句集です
外したつもりが濃密な世界が広がりました
あおば出版 より